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ただの日記

「米大統領選も視点を変えれば面白い」後半転載

2021年04月17日 | 心の持ち様
 ゴルゴタの丘に、由緒正しいギリシャ正教会が建てられた。一足遅れてローマ・カトリック、そして各正教会が次から次へと教会を建てて行き、気が付いたら丘全部を教会が覆い尽くすほどになった。
 それでも出店、じゃなかった教会、は次々と建築され続ける。それは良いのだけど、同じキリスト教ながら、とにかく仲が悪い。そのくせ新しい会派に対しては、古い会派は団結して拒否行動をとる。特にモルモン教なんかは最低の扱いで、仲間として認めても、はるかに格下扱い。それはなぜなのか。ちゃんとした理由は、ある。
 以下転載。

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  それでもルーテル教会などはまだ扱われ方はいい方で、米国で生まれた新興のモルモン教会はエルサレムの城壁の中にも入れてもらえなかった。
 しょうがないから城壁の外の、かつてキリストが籠ったオリーブ山の山腹に教会を建てている。

 なぜそこまで差別されるかというと、モーゼもイエスも、みな創造主ヤハウェから啓示を受けてきた。ところがモルモンの開祖ジョセフ・スミスは米ニューヨーク州の森の中でイエスと会って「今のキリスト教会はどれもだめだ」というお告げを貰った。
 創造主である神ではなく、神の子イエスから預言を受けている。
 ムハンマドはモーゼに啓示を与えた同じ神に会っているが、ただ、天使ガブリエルを介さなかったという、それだけで異端とされた。
 モルモンの場合はそれ以上に違うじゃないかというのが、先発キリスト教各派の思いだ。
 おまけにムハンマドのイスラムが四人妻までなのにモルモンは制限なし。
 スミスの跡を継いだブリガム・ヤングは五十五人の妻を持っていた。
 もっと驚くのは一八九〇年にこの無制限多妻制をモルモン教が廃止したのも、当時の教団トップがイエスの「やめなさい」という啓示を受けたからという。神の啓示大安売りの宗派なのだ。

 だから世間の風当たりも強い。ムハンマドをダンテが「神曲」で叩いたように十九世紀、モルモン非難ををやったのが作家のコナン・ドイルだった。
 彼のシャーロック・ホームズの第一作「緋色の研究」は英国に逃げてきたモルモン教徒が殺される事件で、この新興宗教の異様な結婚制度が事件の背景として語られている。

 米共和党の大統領候補選びで、のっけに飛び出してきたのがそのモルモン教徒のミット・ロムニーだった。
 保守本流のギングリッチは妻に愛人の公認を求めたという「お前はモルモンか」みたいなスキャンダルで低迷してきた。
 そしたら真正モルモンのロムニーがギングリッチに勝って共和党の大統領選候補になった。一方の民主党はイスラムのホーリーネーム「フセイン」をミドルネームに持つオバマ。米国も変わってきたものだ。

 根深い宗教軋轢。日本だけは笑って見ていられるのが嬉しい。



 「米大統領選も視点を変えれば面白い」 

  変見自在
 「マッカーサーは慰安婦がお好き」
  高山正之     より 
  
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 「ちゃんとした理由は、ある」と書いたけど、
 「神のお告げを、『神』ではなく、『神の子』から貰ったから」
 レベルが低い、というわけだ。 
 無制限多妻制をやめたのも、
 「神のお告げを、『神』ではなく、『神の子』から貰ったから」。
 ムハンマドもモーゼも同じ神に会ったが、
 「大天使ガブリエルを介さなかったムハンマドは正当でない」、と。

 「順に出されるものが全て酒の肴でしかない。だから、コース料理になってない和食はフランス料理より格下である」。
 「アメリカでは『選挙は火曜日』というのが尊い伝統であり、これだけは守られるべき」。

 「豊葦原(とよあしはら)の千五百秋(ちいほあき)の瑞穂(みずほ)の國は、是(こ)れ吾(あ)が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)也。宜しく爾皇孫(いましすめみま)、就(ゆ)きて治(しら)せ。~」
 とは全く違う。 
 


コメント
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