3月9日(土)の続き
昼前には「二日続けて、になるけどコーヒーを飲みに出ようかな」と思っていた。
出ることに決めて、念のために天気予報を見たら雪だるまのマークが付いている。
曇ってはいるが「雪が降る」?そんなバカな。
・・・と、靄った薄日の空を見上げた。
薄日はいつの間にか射し込まなくなる。
気が付くと摺り硝子の様な空の向こうの方が何だか賑やかだ。どうも雷鳴が轟いているらしい。
飲みかけのミルクコーヒー(昨日淹れたコーヒーと牛乳を半分ずつ)のマグカップを手に、庭を見るため窓を開けようとした。
障子を開けたら窓を開けるまでもない、牡丹雪が降りしきっている。
今年ちゃんと雪が降ったのは今日が初めてだ。
こちらは年末に降ることは、まずない。年が明けて一月の末くらいが常だったように思うが、今年は3月になって初めてこんな風に降るのをみた。
兵庫県は広い。温暖な瀬戸内海と、冬は北西の風が吹きつける日本海に挟まれて五つもの国で成り立っている県だ。高山はあまりないけれど、内陸は気温差が大きく、北部は雪で大変なことになる年もある。
「上見れば虫コ 中見れば綿コ 下見れば雪コ」とは能く歌ったものだと感心する。
見上げる雪は灰色に見える。目の前に降る雪が落ちる様は綿に似ている。
そして、地面に雪の形がそのままに白く積もっていく。
やはり粉雪でも細雪でもなく、牡丹雪が一番似つかわしい。
2時頃まで降っては溶けの繰り返しで積もることはなかったが、やはり予報の通り、今日外出するのは無理。