「帰ってから一休みして、気が向いたら今日始めようか」
、と思いながら帰途に就く。
戻って来て驚く。町を貫いて走るバス道沿いと言わず裏道と言わず、
「こんなに、人、居た?」
と思うほどの善男善女(?)が、作業のための服装で歩道に出てきている。
勿論、暇つぶしではない。みんなせっせと道沿いの清掃に励んでいる。
確かにそのために鎌を研いでもらって帰って来たんだけど、何だかこの光景を見ると肩身が狭いような気がするようなしないような。
清掃は確か明日、日曜日が正式な日だけれど、天候次第でどちらでもということや、その日までに各自やってもらって構わない、となっていた。
明日の天気が怪しいから今日のうちに、ということでこの人出となったんだろうが、普段からバス道沿いの家は折々に早朝から懸命に作業されていたりする。そういう人は今日も同じように作業に参加されているに違いない。
家の門扉を開けて中に入ったら、隣の奥さんが日除けの帽子を被って雑草を抜いているのが見えた。
これはもういけない。「一休みしてから気分次第で」、なんて言ってたら申し訳ない。
早速鎌を・・じゃなくて、まずは丈の高い草を刈らねばならないから、50センチほどの刈り込み鋏を持って裏に出た。
何故だか知らん、柊まで枝葉を伸ばしているから下手に触れない。
芒の枯れたのを刈ろうとしてちょっと手を伸ばすと、こいつの尖った葉先が見境なく刺してくる。こちらは鬼ではない。
ゴミ袋4つ。