近年,春作業や生産コストの軽減を目的に水稲乾田直播栽培が注目されていますが,収量・品質がまだ不安定で,取り組みに不安を持っている農家も多いのが現実です。
そこで,特に問題となっている除草対策を中心に,収量・品質の向上と普及拡大を目的に,3月8日に「平成23年度水稲乾田直播栽培検討会」を開催し,約40名が集まりました。
普及センターからは,管内乾田直播栽培の生育と収量等の状況,生産者の作業日誌をまとめた労働時間とコスト調査結果を説明しました。特に労働時間は移植と比較して10a当たり5.75時間の短縮となり,乾田直播栽培のメリットであることを示しました。
古川農業試験場の浅野上席主任研究員からは,栽培のポイントとして水管理や施肥方法などの説明,及び乾田直播栽培ではイボクサ,クサネムなどが多発生してきており,除草剤散布の際は漏水対策と処理後の水管理,使用時期を逃さないなどの注意点が話されました。
クミアイ化学株式会社の馬場氏から,乾田直播用除草剤の使用上の注意点と効果的な使用方法,及び雑草の発生状況に応じた除草体系について講演していただきました。
総合討議では,生産者から「経営の一部門として位置づけている」「重労働である育苗からの解放は大きい」というプラスの意見の他,「雑草に悩まされている」「8月以降のイボクサ除草の方法を確立してほしい」といった要望等も出されました。
乾田直播栽培には,まだ課題が残りますが,今後とも普及センターでは栽培情報の提供,研修会等を通じて,収量・品質の向上と栽培面積の拡大を進めていきます。
<問い合わせ先>
美里農業改良普及センター 先進技術班
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