太陽系の外に存在する惑星“太陽系外惑星”に関する、
驚くべき論文が発表されました。
それは、地球から40光年の彼方にある“かに座55番星e”という太陽系外惑星で、
「大規模な火山活動が起きているかもしれない」 っというものなんですねー
太陽系外惑星は1990年代から発見され始めています。
でも詳細な観測は、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機になる、
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられてからと、
考えられていました。
ところが専門家たちは、
既存の観測装置を駆使して太陽系外惑星の大気を調査。
ガス惑星なのか岩石惑星なのかを明らかにし、
巨大嵐らしき大気現象を発見しているんですねー
大きく変動する惑星の温度
今回の発見が画期的なのは、火山の発見もさることながら、
太陽系外惑星の実際の姿を、より詳細に観測できたこと。
研究者の究極の目標は、生命を育む惑星を見つけることにあります。
なので、太陽系外惑星のデータが増えれば、
調べるべき惑星を絞り込むことができ、研究は一段階前に進むんですねー
かに座55番星eは、地球の約2倍の大きさで、質量は8倍近くあります。
今回の発見では、
この惑星をNASAの赤外線天文衛星“スピッツァー”を使って観測。
すると、惑星の温度が約1000℃から約2800℃まで、
大きく変化していたんですねー
表面は岩石で出来ていると考えられているのですが、
たぶん岩石は完全に溶融しているか、
少なくとも部分的に溶融しているはず…
温度変化は低温の場合でも約1000℃あるので、
生物が生きることは出来ません。
でも、この惑星の温度は、
低い温度が2012年に、高い温度は2013年に観測されていて、
変化の幅の広さから、確かに何かが起きていることを、
示しているんですねー
惑星ではなく主星の活動が変化している。
っと考えることも出来るのですが、
そうした変化ならランダムに起こるはずです。
また、主星の周りを軌道運動するガスやチリにより、
周期的に覆い隠されることで惑星が暗くなり、
温度が下がったように見えているという指摘もあります。
温度変化は火山活動が原因?
それらの可能性と同時に、
火山活動による温度変化である可能性もあります。
火山の噴火も惑星を暗くするんですねー
太陽系でも、至る所で火山活動が起きていて、
活動の証拠は、金星、火星、木星のイオなど岩石で出来ている、
あらゆる種類の天体で見られます。
研究チームが考えているのは、
激しい噴火により、大量のガスとチリが大気中に噴き上げられ、
惑星の高温の表面を覆い隠して、低温に見せているということ。
ただ、その噴火は、
私たちが見たこともないような規模のものでないといけないのですが、
そのような噴火が起こる可能性が無いわけではありません。
“かに座55番星e”は、主星からの距離がひじょうに近く、
惑星の1年にあたる公転周期は、わずか18時間。
これだけ近いと、主星の強い重力により惑星自体が伸び縮みして、
摩擦によって熱が生じることに…
こうして内部の岩石が溶融した状態が保たれ、
噴火を引き起こすというわけです。
今回の結果はすべて、
瀕死の赤外線天文衛星“スピッツァー”が収集したデータに基づくもの。
やはり、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げを待たないと、
惑星の高温の表面と大気の状態を完全に解明するのは難しいようです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 太陽系最大級の火山活動! 木星の衛星イオのダイダロス火山
驚くべき論文が発表されました。
それは、地球から40光年の彼方にある“かに座55番星e”という太陽系外惑星で、
「大規模な火山活動が起きているかもしれない」 っというものなんですねー
地球の8倍の質量を持ち、岩石からなる太陽系外惑星“かに座55番星e”(イメージ図)。 部分的に溶融した表面(左)と、火山活動が始まり、噴出したガスやチリにより、 部分的に覆い隠されているようす(右) |
太陽系外惑星は1990年代から発見され始めています。
でも詳細な観測は、ハッブル宇宙望遠鏡の後継機になる、
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が打ち上げられてからと、
考えられていました。
ところが専門家たちは、
既存の観測装置を駆使して太陽系外惑星の大気を調査。
ガス惑星なのか岩石惑星なのかを明らかにし、
巨大嵐らしき大気現象を発見しているんですねー
大きく変動する惑星の温度
今回の発見が画期的なのは、火山の発見もさることながら、
太陽系外惑星の実際の姿を、より詳細に観測できたこと。
研究者の究極の目標は、生命を育む惑星を見つけることにあります。
なので、太陽系外惑星のデータが増えれば、
調べるべき惑星を絞り込むことができ、研究は一段階前に進むんですねー
かに座55番星eは、地球の約2倍の大きさで、質量は8倍近くあります。
今回の発見では、
この惑星をNASAの赤外線天文衛星“スピッツァー”を使って観測。
すると、惑星の温度が約1000℃から約2800℃まで、
大きく変化していたんですねー
表面は岩石で出来ていると考えられているのですが、
たぶん岩石は完全に溶融しているか、
少なくとも部分的に溶融しているはず…
温度変化は低温の場合でも約1000℃あるので、
生物が生きることは出来ません。
でも、この惑星の温度は、
低い温度が2012年に、高い温度は2013年に観測されていて、
変化の幅の広さから、確かに何かが起きていることを、
示しているんですねー
惑星ではなく主星の活動が変化している。
っと考えることも出来るのですが、
そうした変化ならランダムに起こるはずです。
また、主星の周りを軌道運動するガスやチリにより、
周期的に覆い隠されることで惑星が暗くなり、
温度が下がったように見えているという指摘もあります。
温度変化は火山活動が原因?
それらの可能性と同時に、
火山活動による温度変化である可能性もあります。
火山の噴火も惑星を暗くするんですねー
太陽系でも、至る所で火山活動が起きていて、
活動の証拠は、金星、火星、木星のイオなど岩石で出来ている、
あらゆる種類の天体で見られます。
研究チームが考えているのは、
激しい噴火により、大量のガスとチリが大気中に噴き上げられ、
惑星の高温の表面を覆い隠して、低温に見せているということ。
ただ、その噴火は、
私たちが見たこともないような規模のものでないといけないのですが、
そのような噴火が起こる可能性が無いわけではありません。
“かに座55番星e”は、主星からの距離がひじょうに近く、
惑星の1年にあたる公転周期は、わずか18時間。
これだけ近いと、主星の強い重力により惑星自体が伸び縮みして、
摩擦によって熱が生じることに…
こうして内部の岩石が溶融した状態が保たれ、
噴火を引き起こすというわけです。
今回の結果はすべて、
瀕死の赤外線天文衛星“スピッツァー”が収集したデータに基づくもの。
やはり、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げを待たないと、
惑星の高温の表面と大気の状態を完全に解明するのは難しいようです。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 太陽系最大級の火山活動! 木星の衛星イオのダイダロス火山