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地球外生命の探査へ! 衛星エウロパの探査計画が開発段階へ移行

2015年07月20日 | 木星の探査
6月17日にNASAは、木星の衛星エウロパの探査ミッションについて、
概念審査を完了し、開発段階へ移行したことを発表しました。

2020年代には、木星に向けて探査機が打ち上げられるようです。
NASAのエウロパ探査(イメージ図)


地下に海の存在

この計画の目的は、
エウロパを探査し、その星の姿を解き明かすこと。

さらに、生命が存在するかどうかを調べることなんですねー

エウロパは地球の月とほぼ同じぐらいの大きさの星で、
表面は氷で覆われています。

また1989年に打ち上げられた
NASAの木星探査機“ガリレオ”の観測によって、
その内部には液体の水がある可能性があることが、
示唆されていました。

これは木星などからの潮汐力によって、
エウロパが揺れ動かされ、摩擦で熱が生じているということからきています。

また、彗星などによって有機物がもたらされることにより、
たとえば地球の深海に生息しているような生命が生まれ、
現在も生息しているかもしれない、と推測されているんですねー


打ち上げは2020年

このミッションでは、
探査機は2020年代に打ち上げられ、数年をかけて木星に向かいます。

そして木星に到着後には、周回軌道を2週間に1周のペースで周り、
エウロパの近くを通り過ぎる際に、観測を行うことが計画されています。

計画は2011年に立ち上げられ、以来NASAのジェット推進研究所(JPL)や、
ジョンズ・ホプキンス大学の応用物理学研究所(APL)などが協力し、
概念研究が行われてきました。

また、今年の5月26日には、搭載される科学観測機器も選ばれています。

概念審査を完了し、開発段階へ移行したことは、
「木星の衛星エウロパに生命がいるのか?」という最大の謎に対して、
最初の大きなマイルストーンを通過したといえますね。


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