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モバライダー mobarider

太陽活動とは関係なかった? 地球からのプラズマ大気流出

2015年07月18日 | 地球の観測
極風(ポーラウィンド)と呼ばれる、地球の極域から電離大気が流出する過程があります。

この現象が、太陽活動の変化にはほとんど影響されていないことが、人工衛星の観測データから明らかになったんですねー

このことは、オーロラや磁気嵐といった現象や、惑星の大気流出についての理解を進める研究成果で、系外惑星の研究にも応用できるようです。
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極風“ポーラウィンド”
極風イオン(図中a)は、エネルギーが極めて低く正確な計測が難しいので、
流出する高エネルギーの光電子(図中c)を計測してイオンの流出量を推定。
低エネルギーの光電子は約4000キロより高高度に存在する電位差で反射している。


極風“ポーラウィンド”

磁場が反対の半球に繋がっていない地球の極付近では、磁力線に沿って電離大気(プラズマ)が宇宙空間に流れ出す極風(ポーラウィンド)と呼ばれる過程が起こっています。

JAXAの磁気圏観測衛星“あけぼの”の観測データの解析からは、日照の有無が極風の密度などに影響を与えていることが分かり、様々な極風のモデルが提唱されてきました。
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JAXAの磁気圏観測衛星“あけぼの”
でも、どれが正しいのかは、まだはっきりしていないんですねー

今回の研究では、地球を極軌道で周回している人工衛星“FAST”が取得したデータを使用。
この14年間のプラズマ観測データを使用して、太陽活動の変化が極風の流出量に、ほとんど影響を与えないことを明らかにしています。
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人工衛星“FAST”


水素イオンの生成速度が影響

太陽活動が活発になると、プラズマ中の光電子の流出が増加するものの、極風イオンの流出量は変わらなかったんですねー

これまでは、プラズマ中の光電子が極風に影響するという可能性が長らく提唱されてきました。

でも、流出量を決定しているのは光電子ではなく、極風の主成分と考えられている水素イオンの生成速度だということが、今回の研究で示唆されることに…
光電子は、イオン流出の加速に大きく影響しているんですねー


惑星の大気進化解明へのヒント

地球周囲の磁気圏では、太陽風起源のプラズマと地球起源のプラズマが混じりあう中で、オーロラや時期嵐といった様々な現象が起こっています。

なので、極風を理解することは、この領域に、どのようにプラズマが供給され、どのような影響があるのかを、理解するうえでの一歩となります。

極風は固有磁場を持った惑星から、プラズマが流出する最も基礎的な過程であり、今回得られた知見は惑星からの大気流出や、それに伴う大気進化についての普遍的な理解にもつながります。

太陽系外惑星への応用や、惑星から水が失われる過程を理解するうえでのヒントになるかもしれませんね。


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