宇宙のはなしと、ときどきツーリング

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あと2週間! 探査機“ニューホライズンズ”が冥王星に再接近

2015年07月04日 | 冥王星の探査
NASAの探査機“ニューホライズンズ”が、
7月14日の冥王星最接近まで、あと2週間を切ったんですねー

距離が縮まるにつれ、
探査機から送られてくる画像の解像度も、ますます高くなってきているようです。


鮮明になってくる冥王星の表情

探査機"ニューホライズンズ"の冥王星最接近まであと2週間。
冥王星とカロンの初のカラー動画。
冥王星を中央に固定した座標系。

今回公開されたのは、
冥王星と衛星カロンをとらえた初のカラー画像。
冥王星とカロンの色の違いが分かりますよね。

カラーでの観測精度は今後さらに向上する予定で、
最終的な解像度は、キロメートル単位となり、表面の特徴がさらに明らかになるようです。

冥王星の多様な地形だけでなく、
衛星カロンの極が、暗いようすがとらえられたのは、
予想外の興味深い発見だそうです。
6月18日に撮像装置“LORRI”が、約3000万キロの距離から撮影した衛星カロン。
未処理画像(左)、処理済み画像(右)


そして、5月29日から6月2日の間に約5000万キロの距離から撮影された画像には、
はっきりとした明暗がとらえられていて、
冥王星が複雑な世界であることが分かります。
冥王星。非球状に見えるのは画像処理と明暗差が大きいため。
撮影日と撮影距離は(左から)6月2日(5050万キロ)、6月1日(5100万キロ)、
5月31日(5400万キロ)、5月29日(5500万キロ)。

画像からは、
  冥王星の表面が一様ではなくバラエティに富んでいること、
  北半球にかなり暗い地形が存在していること、
  最も暗い地形や最も明るい地形は、赤道やそのすぐ南に位置していること、
などが見て取れるのですが、詳しいことはまだ謎なんですねー

これまでにも明暗の領域があることは分かっていたのですが、
最新の画像によって、より複雑で微妙な違いがあることが分かってきています。

7月の初めには、
それらの領域をターゲットにした分光観測データが得られるので、
  表面の特徴が一体何であるのか、
  何によってそれが引き起こされているのか、
などが分かってくることになります。

どんどん冥王星に近づいている“ニューホライズンズ”。

機器の状態は良好で、
衝突要因となりうる未知の衛星や環も見つかっていません。

科学的冒険は始まったばかり、どんな発見があるのか楽しみですねー


こちらの記事もどうぞ ⇒ 冥王星の衛星が、不規則な自転をするのはなぜ?

JAXAが発表! 日本の新型ロケットの名称は“H3”

2015年07月04日 | 宇宙 space
H-IIAロケットやH-IIBロケットの後継機として開発中の新型基幹ロケット。

このロケットの名称がH3に決定したと、
宇宙航空研究開発機構“JAXA”が発表したんですねー


名付けの法則

名称の「H」は、
これまでのH-Iロケット、H-IIロケット、そしてH-IIA、H-IIBロケットといった、
液体水素を使うロケットの系譜に連なる機体であることを示しています。

元々この「H」は、水素の元素記号「H」から採られていたんですねー

また、これまでHシリーズのロケットが培ってきた信用度を、
受け継ぐ狙いもあったそうです。

「3」となった理由については、
H-IIAがH-IIの改良型であったのに対し、
コンセプトを根本から見直したロケットだから。

なのでH-IICでなく、
2から3へ、数字がひとつ新たに加えられました。
新型基幹ロケットH3

ただ、これまでの法則に合わない部分もあったりします。

それは、N-Iに始まり、H-IIA、H-IIBにいたるまで、
数字の部分にはローマ数字が使われてきたこと。

H3では、アラビア数字の「3」が正式な名称になり、
Hと数字の間にあったハイフンも省かれているんですねー

JAXAによると「IIと混同しない明確さ」と、
「報道などでの実質的な認知度・知名度」が、その理由だそうです。
 

愛称もつくかも

名称はH3に決まったのですが、
JAXAによると、なんらかの愛称を与えることを、
プライムコントラクターの三菱重工業と検討するそうです。

“HTV”が“こうのとり”だったり、
“セレーネ”が“かぐや”だったりするヤツですね。

ちなみにH-IIAロケットには、
当初、“金太郎”というびみょ~な愛称が与えられる予定でした。

でも、先代のH-IIロケットが5号機と8号機で連続失敗したことで、
見送られたという歴史があったんですねー

H-IIAは順調に打ち上げ実績をのばしているので、
H3に“桃太郎”や“浦島太郎”の愛称がついたりして…
どこかの携帯キャリアみたいですね。


H3ロケットが目指すもの

日本は、ヨーロッパやアメリカ、ロシアがシェアの大半を握る、
衛星打ち上げ市場へ本格的に参入することを目指しています。

それには日本が、
ロケットを自由に打ち上げることができる自律性を確保しつつ、
国際競争力を高めることが必要になります。

これを実現するのが、
現在運用中のH-IIA、H-IIBロケットの後継機となる、
H3ロケットなんですねー

H3に向けた研究は2011年度から始まり、
2013年から開発に入り、2015年度は基本設計が行われています。

今後、各種システムや部品などの設計や、
H3で必要になる技術の要素単位での試験が行われることになっています。

開発が順調に進めば、
2020年度には試験機が打ち上げられるようですよ。


こちらの記事もどうぞ ⇒ JAXAの新型ロケット“イプシロン”打ち上げ!