モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

異常に蝶が少ない!(妻女山里山通信)

2010-09-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 春の低温が響いたのか、今年は初夏の里山を彩る氷河期の生き残りウスバアゲハもほとんど見ませんでした。そして、梅雨前後に大量に発生する色々な蝶がほとんど見られませんでした。シジミチョウに至ってはほとんど皆無。山だけでなく畑でも、去年はモンキチョウ、モンシロチョウ、アカタテハ、キアゲハなどが無数に乱舞していたのですが、それもほとんど見られませんでした。毎年胡麻の収穫時期にたくさんとりつく10センチはあるシモフリスズメの幼虫も同様。オオムラサキに至っては皆無。

 そればかりか、ハナアブやハナバチ、ハチも異常に少ないのです。おかげで山の除草では、去年は4回もムモンホソアシナガバチに刺されたのですが、今年は一回も刺されませんでした。去年は4回襲われたオオスズメバチも一度も見ていません。家の軒下に営巣するアシナガバチの巣も今年は見られません。しかし、よかったとは言っていられません。あまりの少なさに、主にハナアブやハナバチによって花粉が運ばれる畑の虫媒介作物は、葉は生い茂るもののほとんど実がならずに全滅状態のものもあります。

 その後も梅雨の度重なる豪雨のせいか、異常気象と発表されたこの夏の猛暑のためか、昆虫界は異常が続いているようです。その影響は、秋になっても確実に植物にも影響を及ぼしているはずです。そういえば、今年はナツグミが全くなりませんでした。ミヤマウグイスカグラの実も見ません。こんなことは本当になかったことです。昆虫界にとっての異常気象は、この猛暑だけでなく、既に春から始まっていたということなのでしょう。この異変は確実にこの秋や冬、あるいは来春まで確実に影響を及ぼすでしょう。松代の地元の人達も遠くから山を眺めているだけでは、例年とまったく同じにしか見えないでしょう。しかし、里山の異常は確実に起きているのです。これが今年だけのもので、来年からは正常に戻るのか非常に心配です。注意深く見守っていきたいと思います。

 写真は、山麓の紫蘇の花に吸蜜に訪れた数少ない蝶たちです。これ以外には、ヒメハラナガツチバチ、アカタテハ、ヒラタアブなどがわずかに見られただけでした。なんとも寂しい小さな秋です。

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コメント (3)
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