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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

オオムラサキが話せたら・・・ (妻女山里山通信)

2011-08-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 網がなくても手で捕まえられるチョウは幾種類かいます。アサギマダラなどもそうですが、オオムラサキも慣れると手で捕まえることができます。翅を閉じて一心不乱に樹液を吸っているところを後ろからそっとつかむのですが、ちょっとコツが必要です。翅の付け根に近い方を素早くそっとつかむのですが、端っこをつかむと、暴れて翅がちぎれてしまいます。つかむのが強すぎると翅を傷めてしまいます。加減が難しいところです。また、つかむと想像以上に翅を広げて逃げようとする力が強い事に驚くかもしれません。
 初めのうちは、放せ戻せと脚をバタバタさせますが、すぐにおとなしくなります。そんな風にして撮影したのが、掲載の写真です。

 さすがにつかまれている時は口吻を一番小さく丸めていますね。この部分はけっこうもろいですから、弱点といえるでしょう。口吻はストローのように見えますが、実際は顎が変化したものなので、横に二つに割れていて雨樋が二本合わさったようなものなんです。羽化した直後はまだ割れていて、すぐにファスナーが閉じる様に合わさって管になるのです。

 また、タテハチョウ科のチョウはみな4本脚に見えますが、ほとんど使われない前脚が胸に小さく折り畳まれているのが分かると思います。最後の写真は、メスに交尾を迫るオスのカットなんですが、メスは樹液を吸うのに夢中でオスのことなど眼中にありません。オスはそれをいいことに、強引に把握器(valva)でメスを捕らえて交尾をしようとするのですが、メスも気がついてすぐに反転。なにするのよ!ってな調子でオスと対峙します。

 触覚で相手を確かめながら、オスは求愛するのですが、なかなかメスはウンと言わない様です。種の保存という観点からすれば、どんどん交尾してたくさん卵を産んだ方がいいように思いますが、メスのオスに対する要求はなかなか厳しいようで、OKをもらえるのはなかなか難しいようです。そんな訳でオスは時に強引に交尾してしまおうとするらしいのです。求愛飛行の最中に捕らえて落として交尾とか。写真の様にメスが樹液を吸うのに夢中になっている間に後ろから忍び寄って羽交い締め?(把握器で捕獲する) メスもうかうかしていられないようです。

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