ある午後の樹液バーの様子を、フォト漫画にしてみました。登場するのは、オオムラサキのメスとオス、カブトムシ、アオカナブンの団体さん。よく見るとカナブンもいます。ここには登場しませんが、実はこの後にミヤマカマキリ、スズメバチ、ルリタテハも加わってさらに大賑わいになりました。森の樹液酒場で繰り広げられる人間模様ならぬ昆虫模様をご覧ください。
樹液といえば、白樺ジュースが有名です。信州の高原に行くと土産物屋によく白樺ジュースの瓶詰めが売られています。虫歯予防の成分であるキシリトールが含まれているため、これを常飲する北欧の人々には虫歯が少ないといわれています。また、メープルシロップも有名です。カナダの国旗にもなっているサトウカエデ(砂糖楓)の樹液を煮詰めたもので。ホットケーキやスウィーツに使われますが、日本ではイタヤカエデが最も糖分が多く、シロップが作れるそうです。
また、樹木の切り株や樹幹の傷などから流れ出た樹液(主に糖分の多いカエデやミズナラなどの広葉樹)に天然の酵母が繁殖して発酵。そこにフザリウム属の赤カビが付着して繁殖しコロニーを形成して、樹液酵母のコロニーができることがあります。この酵母を使ってビールやパンを作る事もできます。リンクの写真のものは、私が伐採した山藤の切り口にできたものです。自然が作る発酵物質は、まだま無限の可能性を秘めているのかもしれません。
コナラやクヌギの樹液というのは、大量には出ないので舐めて味見をするということは、なかなか難しいのですが、意を決して昆虫達が舐めた跡を指でまさぐって舐めてみると、いわゆる樹臭いだけで、非常に甘いという感じや、発酵してアルコール分があるという感じではありませんが、小さな虫たちには充分な栄養たっぷりのお酒なんでしょう。少し酸味は感じます。前述の樹液酵母も舐めてみましたが、やはりいわゆる樹液の木の香りがする味で、わずかに甘いという程度でした。自然の味というのはそんなに強烈ではないんですね。むしろ人間が食べる料理の方が、遥かにエキセントリックな味なんです。グルメブームというのは、人間の飽くなき食欲の結果。自然界の食物連鎖からは大きく逸脱したものです。
ということで樹液の成分で調べてみると、多数のアミノ酸に、グルコース、ガラクトースなどの糖分、エタノール、酢酸などが含まれています。この中で誘因効果が高いのは酢酸だそうで、そういえば糖蜜を作る時に、黒糖に焼酎やバナナなどを混ぜますが、酢を入れるといいといいますからね。そして樹液は染み出ると、すぐに酵母菌によって発酵するので多少はアルコール分もあるのでしょう。市販のカブトムシゼリーは、こういったものを合成したものです。毒ではないかもしれませんが、食べない様にしてください。美味しくないですから・・。カブトムシゼリーを試食したルポがあったのでリンクしておきます。よい子は真似しないでください。でもその辺に転がっていたら、酔っぱらったお父さんが間違えて食べてしまいそうですね。樹液バーでの、観察は本当に面白いもので、ここにオオスズメバチやクジャクチョウ、ハエやミヤマカミキリなどが参加すると酒池肉林魑魅魍魎の世界になります。そのルポはいずれ。
★Youtubeスライドショー(BGMは、GarageBandで作曲したオリジナルです)
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 1of3【オオムラサキ】
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 2of3【オオムラサキ】
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 3of3【オオムラサキ】
★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。
樹液といえば、白樺ジュースが有名です。信州の高原に行くと土産物屋によく白樺ジュースの瓶詰めが売られています。虫歯予防の成分であるキシリトールが含まれているため、これを常飲する北欧の人々には虫歯が少ないといわれています。また、メープルシロップも有名です。カナダの国旗にもなっているサトウカエデ(砂糖楓)の樹液を煮詰めたもので。ホットケーキやスウィーツに使われますが、日本ではイタヤカエデが最も糖分が多く、シロップが作れるそうです。
また、樹木の切り株や樹幹の傷などから流れ出た樹液(主に糖分の多いカエデやミズナラなどの広葉樹)に天然の酵母が繁殖して発酵。そこにフザリウム属の赤カビが付着して繁殖しコロニーを形成して、樹液酵母のコロニーができることがあります。この酵母を使ってビールやパンを作る事もできます。リンクの写真のものは、私が伐採した山藤の切り口にできたものです。自然が作る発酵物質は、まだま無限の可能性を秘めているのかもしれません。
コナラやクヌギの樹液というのは、大量には出ないので舐めて味見をするということは、なかなか難しいのですが、意を決して昆虫達が舐めた跡を指でまさぐって舐めてみると、いわゆる樹臭いだけで、非常に甘いという感じや、発酵してアルコール分があるという感じではありませんが、小さな虫たちには充分な栄養たっぷりのお酒なんでしょう。少し酸味は感じます。前述の樹液酵母も舐めてみましたが、やはりいわゆる樹液の木の香りがする味で、わずかに甘いという程度でした。自然の味というのはそんなに強烈ではないんですね。むしろ人間が食べる料理の方が、遥かにエキセントリックな味なんです。グルメブームというのは、人間の飽くなき食欲の結果。自然界の食物連鎖からは大きく逸脱したものです。
ということで樹液の成分で調べてみると、多数のアミノ酸に、グルコース、ガラクトースなどの糖分、エタノール、酢酸などが含まれています。この中で誘因効果が高いのは酢酸だそうで、そういえば糖蜜を作る時に、黒糖に焼酎やバナナなどを混ぜますが、酢を入れるといいといいますからね。そして樹液は染み出ると、すぐに酵母菌によって発酵するので多少はアルコール分もあるのでしょう。市販のカブトムシゼリーは、こういったものを合成したものです。毒ではないかもしれませんが、食べない様にしてください。美味しくないですから・・。カブトムシゼリーを試食したルポがあったのでリンクしておきます。よい子は真似しないでください。でもその辺に転がっていたら、酔っぱらったお父さんが間違えて食べてしまいそうですね。樹液バーでの、観察は本当に面白いもので、ここにオオスズメバチやクジャクチョウ、ハエやミヤマカミキリなどが参加すると酒池肉林魑魅魍魎の世界になります。そのルポはいずれ。
★Youtubeスライドショー(BGMは、GarageBandで作曲したオリジナルです)
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 1of3【オオムラサキ】
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 2of3【オオムラサキ】
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 3of3【オオムラサキ】
★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。