オオムラサキが集まる樹液バーの常連客は、アオカナブン、カナブンですが、他にも色々な種類の虫たちが集まります。中でも一番の奇麗どころといえば、やはりクジャクチョウ(孔雀蝶)でしょう。翅を閉じると樹皮のような黒褐色の地味なチョウですが、開いたらそれは艶やかな文様が目に飛び込んできます。この眼状紋(眼状斑点)は、言葉通り目を模したもので、天敵の鳥などを欺くためのものといわれています。そう思って見ると、なにか鳥の天敵であるネコ科の動物が大口を開けた様にも見えてきます。前翅に牙のような文様もありますし。
孔雀の羽の様な艶やかな眼状紋故に孔雀蝶。そして、日本産の亜種名は、なんとgeisha(芸者)です…。この芸者という学名を1908年につけたのは、ドイツの昆虫学者・Stichelです。当時の美しい日本女性といえば芸者さんのことだったのでしょうか。信州では、里山から亜高山まで棲息し、夏の高原ではマツムシソウやアザミに吸蜜する姿がよく見られます。里山では花以外に、今回の様に樹液バーにも現れます。成虫はこんなに美しいのですが、幼虫は黒い毛虫です。
次の青い虫は、ルリボシカミキリ(瑠璃星天牛・瑠璃星髪切)。世界にもいますが、これは日本の固有種です。アオカナブンと共に非常に美しい甲虫で、見つけると思わずジッと見入ってしまいます。国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。元はラテン語のrosa(薔薇)でしょう。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。そして、この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないのも特徴です。
三番目はカブトムシ(甲虫・兜虫)。子供達に人気の甲虫ですが、樹液バーでは一番の強者。オオスズメバチもオオムラサキもかないません。角があるので、カナブンが頭を突っ込んで吸う小さな穴や、オオムラサキが口吻を差し込むもっと小さな穴では樹液を吸えないので、吸える場所が限られてきます。ですからそこを見つけたら、全てを角で排除してそこから動きません。動かせるとしたら、人間かミヤマクワガタぐらいではないかと思います。
最後はミヤマカミキリ(深山髪切)。鈍いオリーブグリーンの大きな甲虫。幼虫はイチジク、クリ、リンゴ等といった果樹を食害する害虫なんですが、成虫は樹液バーに集まります。このミヤマカミキリが凄いというか、可哀想なのは、オオスズメバチが目の敵にするということです。大きくて弱いからか、大きくて目障りなのか、カブトムシにはかなわないオオスズメバチもミヤマカミキリには、なんとか勝てるということで、樹液に来ると執拗に追いかけ落とすまで攻撃を止めません。時には二匹三匹で襲いかかることもあります。ミヤマカミキリも結構気が強くて最後まで抵抗するのですが、虚しく突き落とされます。
突き落とされると翅があるのですから、飛べば良さそうなものですが、樹上からならともかく地上から飛び立つのは苦手なようで、根元からニジニジと登って行きます。そして、やっと登って樹液バーに辿り着いたと思ったら、またオオスズメバチに追い落とされるのです。そんな光景を観察しているといかに哀れですが、オオスズメバチがいない時もあるので、毎日が地獄というわけでもないようです。
他には、ルリタテハなどのチョウや、キシタバのようなガ、アブやハエやアリなど小さな虫達もたくさん集まります。
さて、次の記事は先日息子達と登った真夏の信州は生坂村の京ヶ倉です。昼食時に長男の脚にオオスズメバチが留まっていやあ大騒ぎ・・。
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孔雀の羽の様な艶やかな眼状紋故に孔雀蝶。そして、日本産の亜種名は、なんとgeisha(芸者)です…。この芸者という学名を1908年につけたのは、ドイツの昆虫学者・Stichelです。当時の美しい日本女性といえば芸者さんのことだったのでしょうか。信州では、里山から亜高山まで棲息し、夏の高原ではマツムシソウやアザミに吸蜜する姿がよく見られます。里山では花以外に、今回の様に樹液バーにも現れます。成虫はこんなに美しいのですが、幼虫は黒い毛虫です。
次の青い虫は、ルリボシカミキリ(瑠璃星天牛・瑠璃星髪切)。世界にもいますが、これは日本の固有種です。アオカナブンと共に非常に美しい甲虫で、見つけると思わずジッと見入ってしまいます。国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。元はラテン語のrosa(薔薇)でしょう。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。そして、この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないのも特徴です。
三番目はカブトムシ(甲虫・兜虫)。子供達に人気の甲虫ですが、樹液バーでは一番の強者。オオスズメバチもオオムラサキもかないません。角があるので、カナブンが頭を突っ込んで吸う小さな穴や、オオムラサキが口吻を差し込むもっと小さな穴では樹液を吸えないので、吸える場所が限られてきます。ですからそこを見つけたら、全てを角で排除してそこから動きません。動かせるとしたら、人間かミヤマクワガタぐらいではないかと思います。
最後はミヤマカミキリ(深山髪切)。鈍いオリーブグリーンの大きな甲虫。幼虫はイチジク、クリ、リンゴ等といった果樹を食害する害虫なんですが、成虫は樹液バーに集まります。このミヤマカミキリが凄いというか、可哀想なのは、オオスズメバチが目の敵にするということです。大きくて弱いからか、大きくて目障りなのか、カブトムシにはかなわないオオスズメバチもミヤマカミキリには、なんとか勝てるということで、樹液に来ると執拗に追いかけ落とすまで攻撃を止めません。時には二匹三匹で襲いかかることもあります。ミヤマカミキリも結構気が強くて最後まで抵抗するのですが、虚しく突き落とされます。
突き落とされると翅があるのですから、飛べば良さそうなものですが、樹上からならともかく地上から飛び立つのは苦手なようで、根元からニジニジと登って行きます。そして、やっと登って樹液バーに辿り着いたと思ったら、またオオスズメバチに追い落とされるのです。そんな光景を観察しているといかに哀れですが、オオスズメバチがいない時もあるので、毎日が地獄というわけでもないようです。
他には、ルリタテハなどのチョウや、キシタバのようなガ、アブやハエやアリなど小さな虫達もたくさん集まります。
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