週末の樹液バーは、雨後久しぶりに晴天になったため今までになく大盛況でした。それはいいのですが、なんと今までは登場しなかったオオスズメバチが現れました。ついでにヒメスズメバチも。これには参りました。なんてったってオオスズメバチは、スズメバチ類の中で世界最大のハチですからね。そんなものがアマゾンでもなくアフリカでもなく、この日本にいるというのが凄いんですが・・・。しかも、その毒は強烈で、マムシより強いというのですから。さらに襲いかかって毒針で刺すだけでなく、強靭な顎で肉をえぐるという凶暴さ。
私は除草の際に何度も追いかけられた経験がありますが、幸い刺されたことはありません。また。山道でいきなり頭に体当たりされたことが二度ありますが、小石を投げつけられたような痛さでした。50-60センチの近距離でカチカチと威嚇されたこともあります。ニホンミツバチは、集団で囲ってその体温で殺してしまうという必殺技を持っていますが、セイヨウミツバチは放っておけば全滅します。とにかく時速40キロで追いかけ、一日約100kmもの距離を飛翔するのですから、世界最強のハチといっていいでしょう。天敵はハチクマという鷹の仲間の猛禽類なんですが、当地にはノスリやトンビはいますが、ハチクマはどうでしょう。他には月の輪熊、鳥、ムシヒキアブなど。やはり最大の天敵は人間でしょうね。
オオスズメバチは、樹液にとりついて削岩機のように激しく頭を振りながら盛んに樹液を吸っています。とはいえ、ここで引き下がったら話になりません。というわけで撮影続行です。オオスズメバチが攻撃的になるのは、彼らの巣に近づいた時です。樹液を吸っている時は、こちらが余計な事をしない限り、向こうから襲ってくることはまずありません。といっても威嚇はされますし、近づくとまとわりつかれることもあります。間合いを計って速やかに逃げることが肝心です。あとは秋口になると、女王蜂や大量の雄蜂を養わなければならないので、さらに攻撃性が高まります。
掲載のアップの写真は、レンズからハチまでが3~4センチ。私の顔までが40センチぐらいです。撮影の邪魔になるため虫除けネットはしていませんが、タオルハット(これが最近なかなか手に入らない)の内側に白いタオルを垂らして顔を防御。首にもタオルを巻いて肌の露出を最小限にしています。眼にはポリカーボネートの透明なメガネという出で立ちです。
恐いのは、彼らがお腹いっぱいになって巣に樹液を運ぼうと飛び立つ時。これは巣の方向へ飛び立つので、その方向を塞がない事です。それよりもっと恐いのは、撮影している最中に巣から戻って来た時です。これは危ない! オオスズメバチの羽音をカナブンや他の昆虫のそれと瞬時に区別できるようにしておくことが大事です。速やかに逃げないとまとわりついて威嚇されます。たいてい10メートル位逃げるとそれ以上は追いかけてきませんが(ところが後日80mも追いかけられるという恐怖の体験をしました)。
この樹液バーの序列ですが、簡単にいうと以下の様になります。(この樹液バーに訪れた昆虫たちのみ)
カブトムシのオス>カブトムシのメス>オオスズメバチ>ヒメスズメバチ>オオムラサキのメス>オオムラサキのオス>ミヤマカミキリ>カナブン・アオカナブン>ルリタテハ・クジャクチョウ>それ以外の小さな昆虫。
体の大きな力の強い順ですが、これは絶対的なものではなく、たとえばオオムラサキはスズメバチを排除してしまうこともありますし、カナブンなどはカブトムシに何度も排除されてもめげずに戻ってきます。また、カナブンやアオカナブンが大挙して穴に体を突っ込んでいるときは、オオムラサキといえども手は出せません。アオカナブンが固まっているところへ口吻を差し込んで、蹴られたら口吻が切れてしまうこともあるでしょう。そうなったら生きていけません。
最も傍若無人なのは、オスのカブトムシで、最も凶暴なのはオオスズメバチですが、それとてカブトムシは角で突き飛ばすだけですし、オオスズメバチはしつこく頭突きをお見舞いするだけで、相手を殺すようなことはしません。スズメバチは一応カブトムシにもアタックを試みるのですが、全く動じないのですぐに諦めます。一番下のカットの右にある様に、メスのアオカナブンはオスを背中に乗せて交尾しながら樹液を吸っていたりします。アオカナブンは、カブトムシやオオスズメバチに何度蹴散らされて木から落とされて動かなくなっても、絶対にめげずに何度も戻って来るのが素晴しい!
また、オオスズメバチが最も毛嫌いするのは、観察しているとどうやらミヤマカミキリのようです。理由は分かりませんが、ミヤマカミキリが来た時は執拗に追い落とします。アオカナブンは、自分が吸いたい場所にいると追い落としますが、それ以外は割と気に留めないようです。しかし、ミヤマカミキリだけはこれでもかという感じで木から落とすのです。オオスズメバチにとっては、長い触覚が邪魔なんでしょうか。そのミヤマカミキリですが、結構激しく抵抗します。でも勝てない。けれども、何度落とされても登ってくるのです。で、また落とされる。また登って追い出され、偶然近くの別の樹液バーに行き着いて、やっと安心して飲んだくれることができたりすると、人(虫)ごとながら思わず良かったな!なんて思ったりしてしまうほどです。
ともかく、日本では毎年30人以上がオオスズメバチに刺されて亡くなっています。刺す時に毒と一緒に警報フェロモンを出して仲間に知らせますが、同様の成分が化粧品や食品に含まれる香料に入っていることがあるので、スズメバチの巣があり得る所へは、香りのあるものは持ち込まないことです。山へ行く時は無香料が基本。山ガールも。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。「オオスズメバチの「警報フェロモン」の成分を突き止めた」小野正人さん(玉川大学農学部助教授)
オオムラサキのスライドショーです。オオムラサキの生態と素晴らしさが分かると思います。撮影は望遠マクロではなく、スーパーマクロレンズで、レンズの先端から被写体まで数センチのこともあります。なぜ逃げられないのと聞かれたことがありますが、気配を殺します。目の前数十センチにオオスズメバチがいる撮影は、非常に緊張しますが、見ていると彼らの感情が分かるときもあるのです。しかし、肉を取るでもなくただアオカナブンを殺した時は本当に驚きました。後年のブログ記事にあります。BGMは、ガレージバンドで作ったオリジナル曲です。ぜひ御覧ください。
昆虫は、ネオニコチノイド農薬の空中散布で、絶滅します。妻女山山系の昆虫も、千曲市の松枯れ病の空中散布で絶滅しました。仲間を募って中止に追い込みましたが、戻り始めるのに2年かかりました。現在も完全には復旧していません。ベトナム戦争の枯葉剤と同じ成分のネオニコチノイド系農薬や殺虫剤、ラウンドアップや草退治は、発癌性、奇形、多動性症候群、脳の発達障害を引き起こします。絶対に使ってはいけない。
★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。粘菌の写真はこちらにたくさんあります。
■【必読!】2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発 やはり3号機は再臨界による核爆発だった。こうして東京圏3000万人は被爆した。政府と東電、保安院が未だに隠蔽する重大事案の論証。
私は除草の際に何度も追いかけられた経験がありますが、幸い刺されたことはありません。また。山道でいきなり頭に体当たりされたことが二度ありますが、小石を投げつけられたような痛さでした。50-60センチの近距離でカチカチと威嚇されたこともあります。ニホンミツバチは、集団で囲ってその体温で殺してしまうという必殺技を持っていますが、セイヨウミツバチは放っておけば全滅します。とにかく時速40キロで追いかけ、一日約100kmもの距離を飛翔するのですから、世界最強のハチといっていいでしょう。天敵はハチクマという鷹の仲間の猛禽類なんですが、当地にはノスリやトンビはいますが、ハチクマはどうでしょう。他には月の輪熊、鳥、ムシヒキアブなど。やはり最大の天敵は人間でしょうね。
オオスズメバチは、樹液にとりついて削岩機のように激しく頭を振りながら盛んに樹液を吸っています。とはいえ、ここで引き下がったら話になりません。というわけで撮影続行です。オオスズメバチが攻撃的になるのは、彼らの巣に近づいた時です。樹液を吸っている時は、こちらが余計な事をしない限り、向こうから襲ってくることはまずありません。といっても威嚇はされますし、近づくとまとわりつかれることもあります。間合いを計って速やかに逃げることが肝心です。あとは秋口になると、女王蜂や大量の雄蜂を養わなければならないので、さらに攻撃性が高まります。
掲載のアップの写真は、レンズからハチまでが3~4センチ。私の顔までが40センチぐらいです。撮影の邪魔になるため虫除けネットはしていませんが、タオルハット(これが最近なかなか手に入らない)の内側に白いタオルを垂らして顔を防御。首にもタオルを巻いて肌の露出を最小限にしています。眼にはポリカーボネートの透明なメガネという出で立ちです。
恐いのは、彼らがお腹いっぱいになって巣に樹液を運ぼうと飛び立つ時。これは巣の方向へ飛び立つので、その方向を塞がない事です。それよりもっと恐いのは、撮影している最中に巣から戻って来た時です。これは危ない! オオスズメバチの羽音をカナブンや他の昆虫のそれと瞬時に区別できるようにしておくことが大事です。速やかに逃げないとまとわりついて威嚇されます。たいてい10メートル位逃げるとそれ以上は追いかけてきませんが(ところが後日80mも追いかけられるという恐怖の体験をしました)。
この樹液バーの序列ですが、簡単にいうと以下の様になります。(この樹液バーに訪れた昆虫たちのみ)
カブトムシのオス>カブトムシのメス>オオスズメバチ>ヒメスズメバチ>オオムラサキのメス>オオムラサキのオス>ミヤマカミキリ>カナブン・アオカナブン>ルリタテハ・クジャクチョウ>それ以外の小さな昆虫。
体の大きな力の強い順ですが、これは絶対的なものではなく、たとえばオオムラサキはスズメバチを排除してしまうこともありますし、カナブンなどはカブトムシに何度も排除されてもめげずに戻ってきます。また、カナブンやアオカナブンが大挙して穴に体を突っ込んでいるときは、オオムラサキといえども手は出せません。アオカナブンが固まっているところへ口吻を差し込んで、蹴られたら口吻が切れてしまうこともあるでしょう。そうなったら生きていけません。
最も傍若無人なのは、オスのカブトムシで、最も凶暴なのはオオスズメバチですが、それとてカブトムシは角で突き飛ばすだけですし、オオスズメバチはしつこく頭突きをお見舞いするだけで、相手を殺すようなことはしません。スズメバチは一応カブトムシにもアタックを試みるのですが、全く動じないのですぐに諦めます。一番下のカットの右にある様に、メスのアオカナブンはオスを背中に乗せて交尾しながら樹液を吸っていたりします。アオカナブンは、カブトムシやオオスズメバチに何度蹴散らされて木から落とされて動かなくなっても、絶対にめげずに何度も戻って来るのが素晴しい!
また、オオスズメバチが最も毛嫌いするのは、観察しているとどうやらミヤマカミキリのようです。理由は分かりませんが、ミヤマカミキリが来た時は執拗に追い落とします。アオカナブンは、自分が吸いたい場所にいると追い落としますが、それ以外は割と気に留めないようです。しかし、ミヤマカミキリだけはこれでもかという感じで木から落とすのです。オオスズメバチにとっては、長い触覚が邪魔なんでしょうか。そのミヤマカミキリですが、結構激しく抵抗します。でも勝てない。けれども、何度落とされても登ってくるのです。で、また落とされる。また登って追い出され、偶然近くの別の樹液バーに行き着いて、やっと安心して飲んだくれることができたりすると、人(虫)ごとながら思わず良かったな!なんて思ったりしてしまうほどです。
ともかく、日本では毎年30人以上がオオスズメバチに刺されて亡くなっています。刺す時に毒と一緒に警報フェロモンを出して仲間に知らせますが、同様の成分が化粧品や食品に含まれる香料に入っていることがあるので、スズメバチの巣があり得る所へは、香りのあるものは持ち込まないことです。山へ行く時は無香料が基本。山ガールも。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。「オオスズメバチの「警報フェロモン」の成分を突き止めた」小野正人さん(玉川大学農学部助教授)
オオムラサキのスライドショーです。オオムラサキの生態と素晴らしさが分かると思います。撮影は望遠マクロではなく、スーパーマクロレンズで、レンズの先端から被写体まで数センチのこともあります。なぜ逃げられないのと聞かれたことがありますが、気配を殺します。目の前数十センチにオオスズメバチがいる撮影は、非常に緊張しますが、見ていると彼らの感情が分かるときもあるのです。しかし、肉を取るでもなくただアオカナブンを殺した時は本当に驚きました。後年のブログ記事にあります。BGMは、ガレージバンドで作ったオリジナル曲です。ぜひ御覧ください。
昆虫は、ネオニコチノイド農薬の空中散布で、絶滅します。妻女山山系の昆虫も、千曲市の松枯れ病の空中散布で絶滅しました。仲間を募って中止に追い込みましたが、戻り始めるのに2年かかりました。現在も完全には復旧していません。ベトナム戦争の枯葉剤と同じ成分のネオニコチノイド系農薬や殺虫剤、ラウンドアップや草退治は、発癌性、奇形、多動性症候群、脳の発達障害を引き起こします。絶対に使ってはいけない。
★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。粘菌の写真はこちらにたくさんあります。
■【必読!】2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発 やはり3号機は再臨界による核爆発だった。こうして東京圏3000万人は被爆した。政府と東電、保安院が未だに隠蔽する重大事案の論証。