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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

北信濃・埴科の妻女山周辺の里山に咲く3月4月の花。節分草ほか(妻女山里山通信)

2012-02-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ツイッターでは既に紹介しましたが、スライドショー、【信州の里山】春の花 Spring Flowers in Shinsyu です。3月4月の妻女山山系とその周辺の里山に咲く花たちです。見所は、信州の北限といわれるセツブンソウ(節分草)でしょうか。 早春に咲き、2、3ヵ月でその年の生活サイクルを終え消えてしまう植物は、スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral、春の妖精、春のはかない命)と呼ばれます。カタクリやセツブンソウは、その代表的な植物です。

 直径2センチ程度の小さな山野草ですが、北国らしい灰色を帯びた薄紫色と黄色い蜜線が白い花びらに映えてなんとも儚く可憐で美しい花です。白い花びらと書きましたが、実はこれは萼片で、二股に分かれた黄色い蜜線のついたものが、退化した花びらなのです。節分のころに咲くのでセツブンソウといいますが、東京では1月に、ここ信州では3月下旬に咲きます。

 セツブンソウの種は、黄色い蜜と一緒にアリが巣に運んで発芽するアリ散布植物で、日本には200種類以上あります。種にはエライオソームというアリの食物となる物質がついていて、アリは種ごとそれを巣に運びます。それが種まきとなるわけです。アリが絶滅したら絶えてしまう植物がたくさんあるのです。(絶滅危惧植物II類)

 昔は雑木林に入って草刈りをしたので、明るい林床にセツブンソウがたくさん咲いたのだとか。カタクリも同様、人の暮らしと密接な関係にある植物だったのです。ですから、自生地の環境が破壊されると真っ先に消える植物です。春の柔らかな陽射しに透けるのも素敵ですが、突然のなごり雪に埋もれたセツブンソウもいいものです。
 トップの写真は、艶やかなショウジョウバカマ。

【信州の里山】春の花 Spring Flowers in Shinsyu


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