信州は、9月に入ったとたんに涼しくなりました。これから一雨毎に秋が深まって行きます。オオムラサキのメスもほとんど姿を消しました。オオムラサキが卵を産みつける榎の森の整備の下調べと除伐に行くと、小さなアリの行列が榎の幹にできていました。卵から孵ったばかりの幼虫が発見されてしまったのでしょうか。そうだとすると、その葉に産みつけられた幼虫は全滅します。
アリの他には、寄生バエ、カメムシ、クモ, アシナガバチ類なども天敵。エノキのエノキワタアブラムシを食べてくれるテントウムシも小さな幼虫を食べます。大きくなると食虫の鳥も。成虫になるとニホンカナヘビなど。
国蝶のため、全国各地でオオムラサキの保護が盛んです。妻女山でも私たちの仲間が協力してやっていますが、必ずしもオオムラサキだけの保護が目的ではありません。ある一種の昆虫だけの保護というのは、やはり不健全で、生態系のバランスを壊します。ましてや絶滅寸前なら別ですが、オオムラサキのみを養殖して大量に放蝶するというのは、関心できません。国蝶があるのに、それ以外の虫には国がつくものがありませんが、すべての昆虫は、それなりに存在理由があるのです。
とはいえ、妻女山に関していえば、里山の荒廃でオオムラサキにとって厳しい環境になっているのは間違いないことです。今年は、梅雨明けが遅く樹木がたっぷりと水分を含んでいたためか、樹液があちこちで吹き出したため、梅雨明けが早かった一昨年のように、人工的に作った樹液バーが大混雑するということはありませんでした。オオムラサキに限らず、樹液を吸う虫達にとっては過ごし易い夏だったかもしれません。
妻女山奥の、川中島合戦の折に上杉謙信が陣城を築いたと伝わる陣場平。林道からは50mほど入ったところにある草地なのでほとんど訪れる人もありませんが(稀に熊も来る)、隠れた自然の宝庫なのです。そんな陣場平にも秋の気配が漂い始めました。オオムラサキが姿を消した草原には、森の奥からクロアゲハが高速で通り過ぎ、交尾を終えてたった一頭になってしまったツバメシジミがヌスビトハギの花に留まっていました。ボロボロの翅もいとわずに命の最後の光を放っています。
ガマズミの木を覆う様に垂れ下がって咲くのは、純白の仙人草の花。毒草ですが、扁桃腺の民間薬としても知られています。野草の中では、一二を争ういい香り。ツユクサの群落もあります。古代はツキクサといい、「月草」「鴨頭草」の字が充てられます。万葉集には9首詠われています。
月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
月草に衣ぞ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて
月草に衣色どり摺らめどもうつろふ色と言ふが苦しさ
月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも
朝露に咲きすさびたる月草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ
朝咲き夕は消ぬる月草の消ぬべき恋も我れはするかも
月草の借れる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ
うちひさす宮にはあれど月草のうつろふ心我が思はなくに
百に千に人は言ふとも月草のうつろふ心我れ持ためやも
この花びらで作った染料は、水で消えるため手描き友禅の下絵などに用いられますが、そこからうつろい易い心に例えたり、この世や命の儚さを表すことに使われたようです。
この陣場平は、昔は畑だったのです。そして放置された後、荒れ果てた灌木の薮だったのですが、私が3年ほどかけて整備して草原にしたのです。しかし、最近アメリカ原産の帰化植物、オオブタクサが繁茂し始め、在来種を絶滅に追いやろうとしています。日本中で猛威をふるう帰化植物の中でも、このオオブタクサは、繁殖力が異常に強く、決定的な駆除法がないため、各地で大問題になっています。花粉症も引き起こします。
除草したオオブタクサを覆う様に生えているカナムグラに、シロヒトリが留まって眠っていました。葉毎持ち上げて撮影しましたが、少し脚を動かしただけで熟睡中。頭をカクッと下げて瀑睡という感じです。可哀想なので戻しましたが、頭が下になってしまいました。それでも構わずに眠っていましたが・・。名前の由来は、白火取と書く様に、夜になると灯火に飛び込み、火を消してしまう事から。
林道に出ると、少し色付いた山桜の葉になにかいます。見るとミンミンゼミでした。触るとわずかに脚を動かしましたが、それが最後でした。今年はアブラゼミとミンミンゼミの発生が遅く、旧盆過ぎから鳴き始めましたが、それもまもなく終わりを告げそうです。
★妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」など。このブログでも右下で「妻女山」でブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。
★「上杉謙信斎場山布陣想像図」未だかつて誰も描いたことのなかった江戸時代の人が伝える上杉軍斎場山布陣図。江戸時代後期に描かれた榎田良長による『川中島謙信陳捕ノ圖』(天明年間に開通した谷街道と、妻女山越え、笹崎経由の旧谷街道や、斎場山越えの道も分かる)

■《緊急配信》 ガンダーセン氏院内集会質疑/東電、資源エネ庁を言及! 超高温になってしまったジルカロイは水では冷やせない。福島第一原発は、廃炉に向けて順調に作業が進んでいるわけではない。作業員の話に因ると、むしろ手詰まりの状況に近づきつつあると。さらに、4号機はひびが入り傾いており、震度6以上に見舞われると崩壊の怖れがある。
■南相馬の”黒い物質”「測定器自身が死んでしまうというほどの猛烈な放射線を発生する物質」小出裕章氏8/28。マイクロ・ホット・スポットは東京のあちこちにある。幹線道路の煤塵はタイヤで舞上がり、冬の空っ風で大量に舞上がり、被曝する。首都圏は、もう安全に暮らせる場所ではない。
■相次ぐ女子アナ海外移住。首都圏友人5人、赤ちゃん2人心雑音に穴、黄疸に心異常。流産。切迫早産入院。福島だけではない。首都圏でも次々に症状が報告されている。
■「けいとうさぎ」放射能被曝検査の結果と症状の共有サイト
アリの他には、寄生バエ、カメムシ、クモ, アシナガバチ類なども天敵。エノキのエノキワタアブラムシを食べてくれるテントウムシも小さな幼虫を食べます。大きくなると食虫の鳥も。成虫になるとニホンカナヘビなど。
国蝶のため、全国各地でオオムラサキの保護が盛んです。妻女山でも私たちの仲間が協力してやっていますが、必ずしもオオムラサキだけの保護が目的ではありません。ある一種の昆虫だけの保護というのは、やはり不健全で、生態系のバランスを壊します。ましてや絶滅寸前なら別ですが、オオムラサキのみを養殖して大量に放蝶するというのは、関心できません。国蝶があるのに、それ以外の虫には国がつくものがありませんが、すべての昆虫は、それなりに存在理由があるのです。
とはいえ、妻女山に関していえば、里山の荒廃でオオムラサキにとって厳しい環境になっているのは間違いないことです。今年は、梅雨明けが遅く樹木がたっぷりと水分を含んでいたためか、樹液があちこちで吹き出したため、梅雨明けが早かった一昨年のように、人工的に作った樹液バーが大混雑するということはありませんでした。オオムラサキに限らず、樹液を吸う虫達にとっては過ごし易い夏だったかもしれません。
妻女山奥の、川中島合戦の折に上杉謙信が陣城を築いたと伝わる陣場平。林道からは50mほど入ったところにある草地なのでほとんど訪れる人もありませんが(稀に熊も来る)、隠れた自然の宝庫なのです。そんな陣場平にも秋の気配が漂い始めました。オオムラサキが姿を消した草原には、森の奥からクロアゲハが高速で通り過ぎ、交尾を終えてたった一頭になってしまったツバメシジミがヌスビトハギの花に留まっていました。ボロボロの翅もいとわずに命の最後の光を放っています。
ガマズミの木を覆う様に垂れ下がって咲くのは、純白の仙人草の花。毒草ですが、扁桃腺の民間薬としても知られています。野草の中では、一二を争ういい香り。ツユクサの群落もあります。古代はツキクサといい、「月草」「鴨頭草」の字が充てられます。万葉集には9首詠われています。
月草のうつろひやすく思へかも我が思ふ人の言も告げ来ぬ
月草に衣ぞ染むる君がため斑の衣摺らむと思ひて
月草に衣色どり摺らめどもうつろふ色と言ふが苦しさ
月草に衣は摺らむ朝露に濡れての後はうつろひぬとも
朝露に咲きすさびたる月草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ
朝咲き夕は消ぬる月草の消ぬべき恋も我れはするかも
月草の借れる命にある人をいかに知りてか後も逢はむと言ふ
うちひさす宮にはあれど月草のうつろふ心我が思はなくに
百に千に人は言ふとも月草のうつろふ心我れ持ためやも
この花びらで作った染料は、水で消えるため手描き友禅の下絵などに用いられますが、そこからうつろい易い心に例えたり、この世や命の儚さを表すことに使われたようです。
この陣場平は、昔は畑だったのです。そして放置された後、荒れ果てた灌木の薮だったのですが、私が3年ほどかけて整備して草原にしたのです。しかし、最近アメリカ原産の帰化植物、オオブタクサが繁茂し始め、在来種を絶滅に追いやろうとしています。日本中で猛威をふるう帰化植物の中でも、このオオブタクサは、繁殖力が異常に強く、決定的な駆除法がないため、各地で大問題になっています。花粉症も引き起こします。
除草したオオブタクサを覆う様に生えているカナムグラに、シロヒトリが留まって眠っていました。葉毎持ち上げて撮影しましたが、少し脚を動かしただけで熟睡中。頭をカクッと下げて瀑睡という感じです。可哀想なので戻しましたが、頭が下になってしまいました。それでも構わずに眠っていましたが・・。名前の由来は、白火取と書く様に、夜になると灯火に飛び込み、火を消してしまう事から。
林道に出ると、少し色付いた山桜の葉になにかいます。見るとミンミンゼミでした。触るとわずかに脚を動かしましたが、それが最後でした。今年はアブラゼミとミンミンゼミの発生が遅く、旧盆過ぎから鳴き始めましたが、それもまもなく終わりを告げそうです。
★妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」など。このブログでも右下で「妻女山」でブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。
★「上杉謙信斎場山布陣想像図」未だかつて誰も描いたことのなかった江戸時代の人が伝える上杉軍斎場山布陣図。江戸時代後期に描かれた榎田良長による『川中島謙信陳捕ノ圖』(天明年間に開通した谷街道と、妻女山越え、笹崎経由の旧谷街道や、斎場山越えの道も分かる)






■《緊急配信》 ガンダーセン氏院内集会質疑/東電、資源エネ庁を言及! 超高温になってしまったジルカロイは水では冷やせない。福島第一原発は、廃炉に向けて順調に作業が進んでいるわけではない。作業員の話に因ると、むしろ手詰まりの状況に近づきつつあると。さらに、4号機はひびが入り傾いており、震度6以上に見舞われると崩壊の怖れがある。
■南相馬の”黒い物質”「測定器自身が死んでしまうというほどの猛烈な放射線を発生する物質」小出裕章氏8/28。マイクロ・ホット・スポットは東京のあちこちにある。幹線道路の煤塵はタイヤで舞上がり、冬の空っ風で大量に舞上がり、被曝する。首都圏は、もう安全に暮らせる場所ではない。
■相次ぐ女子アナ海外移住。首都圏友人5人、赤ちゃん2人心雑音に穴、黄疸に心異常。流産。切迫早産入院。福島だけではない。首都圏でも次々に症状が報告されている。
■「けいとうさぎ」放射能被曝検査の結果と症状の共有サイト