カラカラだった里山も、今日の雨でかなり潤いました。動物や昆虫達もホッとしたことでしょう。樹液の出も多少はよくなるでしょう。オオムラサキはオスもメスも出揃って、あちこちで求愛が見られる様になりました。まず見合って互いに触覚を触れ合います。これで互いに異性か確認すると書いてあるものもありますが、どうなんでしょう。次に写真の様にオスが下唇鬚(かしんしゅ)でメスの頭部に触れて何かを確かめます。充分に発情しているかとかでしょうか。合意に至ると近くの安全な小枝にぶら下がって、短くて3時間、普通は5、6時間、長い時は10時間から20時間にも及ぶ長い交尾に入るのですが、見ていると合意に至る確率はけっこう低い様です。
樹液バーではオオスズメバチの活動も活発になってきました。他にヒメスズメバチ、コガタスズメバチがやって来るのですが、やはりオオスズメバチが最大最強です。地球上最大のオオスズメバチがアマゾンでもアフリカでもなく日本の里山にいるという驚愕の事実。どこを見ているか分からない眼が怖い。撮影していると顔の横に別のオオスズメバチがホバリングしてきたりしますが、黙ってスッとしゃがんで後ずさりするだけです。この時期のものは秋のものとは違って子育てのストレスがまだないので攻撃的ではありません。悲鳴を挙げたり手で振り払わなければ刺される事はありません。とはいえ5センチ位あるのでその迫力は相当なものです。カナブンも羽音が大きいので驚きますが、慣れると見なくてもオオスズメバチとの違いが分かる様になります。
妻女山山系では珍しいミヤマクワガタが現れました。ここではカブトムシが優勢でミヤマクワガタは極わずかです。数キロ南の尾根に行くとそれが逆転します。蝶の研究家のTさんによると、うまく棲み分けしているということです。ミヤマクワガタは、この後アオカナブンを下手投げで放り投げましたが、いかんせんその角が邪魔になって狭い隙間の樹液が飲めません。横になったり顎でかじったり、色々チャレンジしましたが最後は諦めてとぼとぼと樹を下りて行きました。別の場所では鳥に襲われたカブトムシのつがいの遺骸がありました。尾根には烏はいなにので、カラス科のオナガか、タカ科のノスリにやられたのだろうと思います。(後日、群れではなく単独でハシボソガラスが来ているのを確認しました。烏かもしれません)
オオブタクサの除草をしていると、目の前の古い桃の樹に、妻女山では一年に一度か二度位しか出逢えない幻の甲虫、ルリボシカミキリが現れました。走ってカメラを取りに戻って息を切らしながら撮影。瑠璃色の翅が非常に美しい甲虫で、国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。元はラテン語の rosa(薔薇)でしょう。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。そして、この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないという貴重なものです。
◉ネオニコの空中散布のない長野市茶臼山は昆虫の天国(妻女山里山通信):ルリボシカミキリと邂逅
◉ルリボシカミキリの交尾と三角関係の修羅場に遭遇の昼下がり(妻女山里山通信):必見です!
樹液バーに、オオスズメバチ、オオムラサキ、カブトムシの三大巨頭が揃いました。クヌギの樹液の成分を調べてみると、多数のアミノ酸に、グルコース、ガラクトースなどの糖分、エタノール、酢酸などが含まれています。この中で誘因効果が高いのは酢酸だそうで、そういえば糖蜜を作る時に、黒糖に焼酎やバナナなどを混ぜますが、酢を入れるといいといいますね。そして、樹液は染み出ると、すぐに酵母菌によって発酵するので、多少はアルコール分もあるのでしょう。醗酵した樹液が結晶化した白い塊は、嘗めてみるとかなりの甘さがあります。味は樹臭さはなく砂糖を少量の水で練ったものに旨味を少々加えた感じでしょうか。人が嘗めても十分に美味しく感じられるものです。メープルシロップを思い出すと、それも合点がいきます。
妻女山展望台から見る景色も、畑の緑が濃くなったので、すっかり夏色に染まりました。飯縄山や戸隠連峰はもちろん、北アルプスも残雪が極々わずかに見られるだけです。一見昔と変わらぬ風景に見えます。しかし、畑に誘因作物で、花を沢山植えているのですが、ミツバチ、ハナアブをほとんど見ません。バジルも咲いたし、豆の花も咲いたのですが・・。二年前はもっと酷くて近隣の畑の豆類が全滅しました。放射能も考えられるのですが、むしろネオニコチノイド系農薬の空中散布が最も考えられます。ミツバチが全滅したら人類は4年で滅亡するとアインシュタインが言ったとか。
樹液バーではオオスズメバチの活動も活発になってきました。他にヒメスズメバチ、コガタスズメバチがやって来るのですが、やはりオオスズメバチが最大最強です。地球上最大のオオスズメバチがアマゾンでもアフリカでもなく日本の里山にいるという驚愕の事実。どこを見ているか分からない眼が怖い。撮影していると顔の横に別のオオスズメバチがホバリングしてきたりしますが、黙ってスッとしゃがんで後ずさりするだけです。この時期のものは秋のものとは違って子育てのストレスがまだないので攻撃的ではありません。悲鳴を挙げたり手で振り払わなければ刺される事はありません。とはいえ5センチ位あるのでその迫力は相当なものです。カナブンも羽音が大きいので驚きますが、慣れると見なくてもオオスズメバチとの違いが分かる様になります。
妻女山山系では珍しいミヤマクワガタが現れました。ここではカブトムシが優勢でミヤマクワガタは極わずかです。数キロ南の尾根に行くとそれが逆転します。蝶の研究家のTさんによると、うまく棲み分けしているということです。ミヤマクワガタは、この後アオカナブンを下手投げで放り投げましたが、いかんせんその角が邪魔になって狭い隙間の樹液が飲めません。横になったり顎でかじったり、色々チャレンジしましたが最後は諦めてとぼとぼと樹を下りて行きました。別の場所では鳥に襲われたカブトムシのつがいの遺骸がありました。尾根には烏はいなにので、カラス科のオナガか、タカ科のノスリにやられたのだろうと思います。(後日、群れではなく単独でハシボソガラスが来ているのを確認しました。烏かもしれません)
オオブタクサの除草をしていると、目の前の古い桃の樹に、妻女山では一年に一度か二度位しか出逢えない幻の甲虫、ルリボシカミキリが現れました。走ってカメラを取りに戻って息を切らしながら撮影。瑠璃色の翅が非常に美しい甲虫で、国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。元はラテン語の rosa(薔薇)でしょう。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。そして、この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないという貴重なものです。
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樹液バーに、オオスズメバチ、オオムラサキ、カブトムシの三大巨頭が揃いました。クヌギの樹液の成分を調べてみると、多数のアミノ酸に、グルコース、ガラクトースなどの糖分、エタノール、酢酸などが含まれています。この中で誘因効果が高いのは酢酸だそうで、そういえば糖蜜を作る時に、黒糖に焼酎やバナナなどを混ぜますが、酢を入れるといいといいますね。そして、樹液は染み出ると、すぐに酵母菌によって発酵するので、多少はアルコール分もあるのでしょう。醗酵した樹液が結晶化した白い塊は、嘗めてみるとかなりの甘さがあります。味は樹臭さはなく砂糖を少量の水で練ったものに旨味を少々加えた感じでしょうか。人が嘗めても十分に美味しく感じられるものです。メープルシロップを思い出すと、それも合点がいきます。
妻女山展望台から見る景色も、畑の緑が濃くなったので、すっかり夏色に染まりました。飯縄山や戸隠連峰はもちろん、北アルプスも残雪が極々わずかに見られるだけです。一見昔と変わらぬ風景に見えます。しかし、畑に誘因作物で、花を沢山植えているのですが、ミツバチ、ハナアブをほとんど見ません。バジルも咲いたし、豆の花も咲いたのですが・・。二年前はもっと酷くて近隣の畑の豆類が全滅しました。放射能も考えられるのですが、むしろネオニコチノイド系農薬の空中散布が最も考えられます。ミツバチが全滅したら人類は4年で滅亡するとアインシュタインが言ったとか。