前回のヨシの除去作業の仕上げとして集まったのですが、突然の知らせだったのでメンバーは3人だけとなりました。前回にクワで掘り返してあるので作業は楽かなと思ったのですが、さにあらず。26日から27日にかけての雨で、新芽が続々と出ていました。まあそれが地下茎がある印なのでそこを掘ればいいのですが、地上には出ていない芽もあり、結局全部掘り返さないといけないわけです。暑いし重労働でした。以前出会った千曲市の野草の愛好家の人達が訪れてくれて、ニラのおやきとオレンジを振る舞ってくれました。ありがとうございました。
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その人達にも話した林道入口の不明な花が2株。黄色いアザミ? 左2枚は同じものです。右はすぐ近くにあった別の似た花。帰って調べて判明しました。ノゲシの様です。ヨーロッパ原産で、世界中に帰化植物として分布しているそうです。しかし、左と右では微妙に違います。左はオニノゲシに近いですね。畑作とともに帰化した史前帰化植物で、若葉は食用になるそうです。平安時代の「本草和名」や「倭名類聚抄」に「苦菜」として出てくるのですが、和歌などには詠まれていない様です。
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スイカズラ(吸葛)の花(左)。白花と黄色の花がありますが、白色の花が受粉すると黄色に変わるそうです。生薬名で金銀花といい、解毒、解熱作用があるそうです。甘い香りの花は忍冬酒という果実酒になるとか。ヤマホタルブクロも咲きました(中)。例年なら6月の花です。桐の花が落ち始めました(右)。そこら中に甘い香りが充満しています。
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妻女山へ車を走らせると地面からプチプチと音がします。ソメイヨシノやヤマザクラのさくらんぼが潰れる音です。これはたぶんソメイヨシノ(左)。唱歌「夏は来ぬ」で卯の花と歌われるウツギも咲きました(中)。先日はカッコウとホトトギスが鳴いていました。
【ザ · ピーナッツ, 夏は来ぬ 】
右はノイバラの花。以前の記事で、「童は見たり野中のバラ」という記事を書きましたが、一番は清らかですが、二番三番はなかなか意味深で激しい歌詞です。
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クサフジで吸蜜するツマグロヒョウモンのオス。クサフジは蜜の量が少ないので、すぐ飛び立ってしまうため非常に撮影に苦労しました。できればメスも出現して欲しいものです。
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ツマグロヒョウモン(左)。体の大きさと翅のあまりの小ささから航空力学的に飛べないといわれてきたクマバチ(中)。羽音が大きく近くに来ると驚きますが、刺すことはめったにありません。ハルジオンで吸蜜するミナミヒメヒラタアブかと思ったのですが、(右)。体長が8ミリなさそうなので、ホソヒメヒラタアブの様です。小さすぎてまず発見するのが至難の業です。尾部についているのはタカラダニでしょうか。セミにつくことが多いのですが、こんな小さなアブについているのは初めて見ました。希少なカットです。このタカラダニはまだ小さく0.5ミリぐらい。メスしかみつからないので単為生殖するといわれています。花粉を食べるともいわれていますが、セミやハナアブにつくのはどういう理由があるのでしょう。その生態はあまり分かっていない様です。
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ヒョウモンチョウの一種なんですが、メスグロヒョウモンのオスでしょうか(左・中)。仲間の蝶の専門家に聞いてみようと思います。ツマグロヒョウモンのオスと壮絶な縄張り争いをしていました。イボタノキで盛んに吸蜜。これはヒラタアブの仲間なんですが、複眼が離れているのでホソヒラタアブのメスでしょうか(右)。
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夏の香りがする陣場平。手前は菱型基線測点。右向こうに掘り出したヨシの山が見えます。暑い日でしたが、湿度が低いので日陰に入ると気持ちのいい日でした。こういう場所で鳥の声や虫の声を聞いていると心が鎮まります。じっとしていると野生動物が現れることもあります。ニホンカモシカやヤマドリ、ノウサギやタヌキ、キツネなどなど。上空をトビが旋回していました。
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貝母は枯れ始めています(左)。実のつかない球根が小さなものから枯れます。実がつくものは球根が大きいので最後に枯れます。今年は実を採取して、ヨシの根を掘り出したところに蒔いてみようと計画しています。ヨシの根を掘り出す作業は本当に重労働でした。江戸時代にヨシ原を開梱して新田を作るという時はこんなだったのでしょうね。先人の苦労が偲ばれます。今回は最も根が多い箇所をやりました。まだ半分が残っています。
ミヤマウグイスカグラの赤い実(右)。甘くて美味しいのですが、たくさん採って冷やした方が旨いですね。昔はナツグミや桑の実と共に、田舎の子供のおやつでした。
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午後2時に作業を終えて下山。妻女山展望台へ行くと、信濃毎日新聞に載った私の記事を2枚持っている車3台でいらした年配の方々が大勢いました。その記事は私が案内しましたと言ってガイドをしました。喜んでいただけた様です。もう100人以上にガイドをしていると思います。晴れの日はいつも里山保全と撮影で妻女山のどこかにいます。会いたいな会えるかなという方もいらしゃるので、メッセージを送るからご連絡いただければ、都合が合えばご案内もできるかもです。妻女山 花と歴史のハイキングに来られた赤坂山で出会った方も、一人で鞍骨山まで行かれないのであれば、スケジュールが合えばご案内できますよ。それにしても全国から訪れるようになりました。今日も福島から来た方を斎場山に案内しました。
展望台からの景色はすっかり夏色に染まりました。麓では、長芋の種芋の植え付けが盛んに行われています。それにしても今日は疲れました。
6月5日に「全国植樹祭ながの2016」が開催されます。植樹なので植林地の話が主なのですが、里山の保全や豊かな自然に多大な貢献をしているのは、むしろ広葉樹林や混合林です。そんな里山の豊かな自然の共生関係や共進化の話を面白いエピソードと共に書籍化したいと企画中です。ビジュアルも文章も、たぶん今までにはなかった本になると思います。
◉「妻女山の位置と名称について」妻女山と赤坂山と斎場山について。『真田丸』で訪問者が激増中。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
長野県シニア大学や自治体などで公表だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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その人達にも話した林道入口の不明な花が2株。黄色いアザミ? 左2枚は同じものです。右はすぐ近くにあった別の似た花。帰って調べて判明しました。ノゲシの様です。ヨーロッパ原産で、世界中に帰化植物として分布しているそうです。しかし、左と右では微妙に違います。左はオニノゲシに近いですね。畑作とともに帰化した史前帰化植物で、若葉は食用になるそうです。平安時代の「本草和名」や「倭名類聚抄」に「苦菜」として出てくるのですが、和歌などには詠まれていない様です。
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スイカズラ(吸葛)の花(左)。白花と黄色の花がありますが、白色の花が受粉すると黄色に変わるそうです。生薬名で金銀花といい、解毒、解熱作用があるそうです。甘い香りの花は忍冬酒という果実酒になるとか。ヤマホタルブクロも咲きました(中)。例年なら6月の花です。桐の花が落ち始めました(右)。そこら中に甘い香りが充満しています。
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妻女山へ車を走らせると地面からプチプチと音がします。ソメイヨシノやヤマザクラのさくらんぼが潰れる音です。これはたぶんソメイヨシノ(左)。唱歌「夏は来ぬ」で卯の花と歌われるウツギも咲きました(中)。先日はカッコウとホトトギスが鳴いていました。
【ザ · ピーナッツ, 夏は来ぬ 】
右はノイバラの花。以前の記事で、「童は見たり野中のバラ」という記事を書きましたが、一番は清らかですが、二番三番はなかなか意味深で激しい歌詞です。
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クサフジで吸蜜するツマグロヒョウモンのオス。クサフジは蜜の量が少ないので、すぐ飛び立ってしまうため非常に撮影に苦労しました。できればメスも出現して欲しいものです。
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ツマグロヒョウモン(左)。体の大きさと翅のあまりの小ささから航空力学的に飛べないといわれてきたクマバチ(中)。羽音が大きく近くに来ると驚きますが、刺すことはめったにありません。ハルジオンで吸蜜するミナミヒメヒラタアブかと思ったのですが、(右)。体長が8ミリなさそうなので、ホソヒメヒラタアブの様です。小さすぎてまず発見するのが至難の業です。尾部についているのはタカラダニでしょうか。セミにつくことが多いのですが、こんな小さなアブについているのは初めて見ました。希少なカットです。このタカラダニはまだ小さく0.5ミリぐらい。メスしかみつからないので単為生殖するといわれています。花粉を食べるともいわれていますが、セミやハナアブにつくのはどういう理由があるのでしょう。その生態はあまり分かっていない様です。
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ヒョウモンチョウの一種なんですが、メスグロヒョウモンのオスでしょうか(左・中)。仲間の蝶の専門家に聞いてみようと思います。ツマグロヒョウモンのオスと壮絶な縄張り争いをしていました。イボタノキで盛んに吸蜜。これはヒラタアブの仲間なんですが、複眼が離れているのでホソヒラタアブのメスでしょうか(右)。
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夏の香りがする陣場平。手前は菱型基線測点。右向こうに掘り出したヨシの山が見えます。暑い日でしたが、湿度が低いので日陰に入ると気持ちのいい日でした。こういう場所で鳥の声や虫の声を聞いていると心が鎮まります。じっとしていると野生動物が現れることもあります。ニホンカモシカやヤマドリ、ノウサギやタヌキ、キツネなどなど。上空をトビが旋回していました。
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貝母は枯れ始めています(左)。実のつかない球根が小さなものから枯れます。実がつくものは球根が大きいので最後に枯れます。今年は実を採取して、ヨシの根を掘り出したところに蒔いてみようと計画しています。ヨシの根を掘り出す作業は本当に重労働でした。江戸時代にヨシ原を開梱して新田を作るという時はこんなだったのでしょうね。先人の苦労が偲ばれます。今回は最も根が多い箇所をやりました。まだ半分が残っています。
ミヤマウグイスカグラの赤い実(右)。甘くて美味しいのですが、たくさん採って冷やした方が旨いですね。昔はナツグミや桑の実と共に、田舎の子供のおやつでした。
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午後2時に作業を終えて下山。妻女山展望台へ行くと、信濃毎日新聞に載った私の記事を2枚持っている車3台でいらした年配の方々が大勢いました。その記事は私が案内しましたと言ってガイドをしました。喜んでいただけた様です。もう100人以上にガイドをしていると思います。晴れの日はいつも里山保全と撮影で妻女山のどこかにいます。会いたいな会えるかなという方もいらしゃるので、メッセージを送るからご連絡いただければ、都合が合えばご案内もできるかもです。妻女山 花と歴史のハイキングに来られた赤坂山で出会った方も、一人で鞍骨山まで行かれないのであれば、スケジュールが合えばご案内できますよ。それにしても全国から訪れるようになりました。今日も福島から来た方を斎場山に案内しました。
展望台からの景色はすっかり夏色に染まりました。麓では、長芋の種芋の植え付けが盛んに行われています。それにしても今日は疲れました。
6月5日に「全国植樹祭ながの2016」が開催されます。植樹なので植林地の話が主なのですが、里山の保全や豊かな自然に多大な貢献をしているのは、むしろ広葉樹林や混合林です。そんな里山の豊かな自然の共生関係や共進化の話を面白いエピソードと共に書籍化したいと企画中です。ビジュアルも文章も、たぶん今までにはなかった本になると思います。
◉「妻女山の位置と名称について」妻女山と赤坂山と斎場山について。『真田丸』で訪問者が激増中。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
長野県シニア大学や自治体などで公表だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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