週末は雷雨で荒れた天気と予報が出たので、晴れ間が期待できる金曜日の午前中に茶臼山へ。前回撮影したブルービー(ナミルリモンハナバチ)の場所へ行ってみましたが、吸蜜できるノアザミがすべて残花になっていました。他の場所も見ましたが現れませんでした。諦めてハンミョウの生息地へ向かいました。
いました。前回はたった1匹でしたが、7、8匹に増えていました。9月に入るともっと増えるでしょう。ハンミョウ(斑猫)はナミハンミョウともいい、コウチュウ目オサムシ科のハンミョウ科の甲虫です。大きな複眼と鋭い大顎が目を引きます。動作は機敏で、アリや蛾などの小型の昆虫を捕らえて食べます。成虫は夏の終りに羽化し、冬は土中で集団越冬します。そして、翌春に交尾産卵をします。
その美しさとは裏腹に、見るからに凶暴そうな牙を持っています。人の気配ですぐ逃げるので、撮影は困難を極めます。こんな風に前方から撮るのは至難の業です。撮影方法は、追いかけるのではなく、ハンミョウがいる場所にしゃがんで石になり、向こうが近づいてくるのをひたすら待つのです。撮影の際も、なるべく腕も動かさない様にすることです。
ハンミョウの幼虫も大きな顎を持ち、穴の中に隠れて獲物を襲い体液を吸います。食べ終えた昆虫は巣の外に捨てます。それをアリや他の昆虫が食べます。幼虫の期間は、1年から2年。
近づくとすぐに逃げて1mぐらい先に止まります。これを繰り返すので「道教え」とか「道しるべ」とかいわれますが、撮影しようとすると逃げまくるので非常に厄介な被写体です。
シャープネスを上げてみると、翅はツルツルではなく、細かな凹凸があることが分かります。この後、日が陰ってきて姿を消しました。河原や街の公園でも見られることがあるので探してみて下さい。
シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)。腹部の第8節が横に膨らんでいるのでメスです。
オオアオイトトンボ(大青糸蜻蛉)。イトトンボの仲間はたくさん見られました。
ミズヒキ(水引)タデ科イヌタデ属の草本。まだつぼみです。同じ頃に咲くヘクソカズラは万葉集に詠まれていますが、ミズヒキはない様です。
キンミズヒキ(金水引)バラ科キンミズヒキ属の多年草。タンニンを多く含み、下痢止めなどの薬草になるそうです。
ツチカブリがたくさん出ていました。ベニタケ科チチタケ属。そっくりなキノコに、ツチカブリモドキ、シロハツ、シロハツモドキ、ケシロハツ、ケシロハツモドキがあります。シロハツだけ乳液が出ず食菌とありますが、食べない方がいいでしょう。
コバノガマズミの赤い実。昨年はガマズミ酒を作り損なったので、今年は作ろうと思っています。酸味があり、抗酸化作用があり、老化防止になるそうです。ジンに入れて蜂蜜を加えて飲みます。
ツリフネソウ(釣船草、吊舟草)ツリフネソウ科ツリフネソウ属に分類される一年草。妖艶な花です。花言葉が「私に触らないで!」というのもなんだか意味深。ホウセンカの仲間なので、触ると種がはじけ飛ぶという特徴があることに由来するのでしょう。学名をImpatiens noli-tangereといいますが、意味は「耐えきれない!私に触れるな」です。
ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)チョウ目タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。すぐ逃げます。
他には目ぼしい被写体がいないので、久しぶりに茶臼山自然植物園の最上部に行ってみました。吸蜜中のキアゲハ。ちゃんと止まれない様で、ホバリングしながら吸蜜。
吸蜜されている花は、フサフジウツギ(房藤空木)ゴマノハグサ科フジウツギ属。「ブッドレア」の名称で園芸用に流通している中国原産の低木です。
ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)のメスも吸蜜中。タテハチョウ科ドクチョウ亜科ヒョウモンチョウ族。
ハナトラノオ(花虎の尾)北アメリカに分布するシソ科カクトラノオ属の多年草。吸蜜するのは、ハラアカヤドリハキリバチ。吸蜜は、体全体をほぼ花の中に潜らせてしていました。オオハキリバチという別の種類の蜂の巣に卵を産み付けるという珍しい習性を持ったハチで、幼虫はオオハキリバチの幼虫の餌を食べて成長していきます。ルリモンハナバチと同じ様な、「労働寄生蜂」です。
ムクゲ(木槿)アオイ科フヨウ属の落葉樹。庭木でもよく見られますが、夏の茶花として有名です。右になにか小さな虫がいますがなんでしょう。ヨコバイの幼虫でしょうか。不明です。
日傘をさしたご婦人たちやご夫婦が来ていました。動物園左の道を入って行くと、植物園の大きな駐車場があります。そこから登って15分ぐらいで来られます。藤棚もあって、日陰のベンチでお昼を食べるのもおすすめです。いつの間にかすっかり雲に覆われてしまいました。週末は天気が悪そうなので、北信の郷土料理「やたら漬」を作ります。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
いました。前回はたった1匹でしたが、7、8匹に増えていました。9月に入るともっと増えるでしょう。ハンミョウ(斑猫)はナミハンミョウともいい、コウチュウ目オサムシ科のハンミョウ科の甲虫です。大きな複眼と鋭い大顎が目を引きます。動作は機敏で、アリや蛾などの小型の昆虫を捕らえて食べます。成虫は夏の終りに羽化し、冬は土中で集団越冬します。そして、翌春に交尾産卵をします。
その美しさとは裏腹に、見るからに凶暴そうな牙を持っています。人の気配ですぐ逃げるので、撮影は困難を極めます。こんな風に前方から撮るのは至難の業です。撮影方法は、追いかけるのではなく、ハンミョウがいる場所にしゃがんで石になり、向こうが近づいてくるのをひたすら待つのです。撮影の際も、なるべく腕も動かさない様にすることです。
ハンミョウの幼虫も大きな顎を持ち、穴の中に隠れて獲物を襲い体液を吸います。食べ終えた昆虫は巣の外に捨てます。それをアリや他の昆虫が食べます。幼虫の期間は、1年から2年。
近づくとすぐに逃げて1mぐらい先に止まります。これを繰り返すので「道教え」とか「道しるべ」とかいわれますが、撮影しようとすると逃げまくるので非常に厄介な被写体です。
シャープネスを上げてみると、翅はツルツルではなく、細かな凹凸があることが分かります。この後、日が陰ってきて姿を消しました。河原や街の公園でも見られることがあるので探してみて下さい。
シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)。腹部の第8節が横に膨らんでいるのでメスです。
オオアオイトトンボ(大青糸蜻蛉)。イトトンボの仲間はたくさん見られました。
ミズヒキ(水引)タデ科イヌタデ属の草本。まだつぼみです。同じ頃に咲くヘクソカズラは万葉集に詠まれていますが、ミズヒキはない様です。
キンミズヒキ(金水引)バラ科キンミズヒキ属の多年草。タンニンを多く含み、下痢止めなどの薬草になるそうです。
ツチカブリがたくさん出ていました。ベニタケ科チチタケ属。そっくりなキノコに、ツチカブリモドキ、シロハツ、シロハツモドキ、ケシロハツ、ケシロハツモドキがあります。シロハツだけ乳液が出ず食菌とありますが、食べない方がいいでしょう。
コバノガマズミの赤い実。昨年はガマズミ酒を作り損なったので、今年は作ろうと思っています。酸味があり、抗酸化作用があり、老化防止になるそうです。ジンに入れて蜂蜜を加えて飲みます。
ツリフネソウ(釣船草、吊舟草)ツリフネソウ科ツリフネソウ属に分類される一年草。妖艶な花です。花言葉が「私に触らないで!」というのもなんだか意味深。ホウセンカの仲間なので、触ると種がはじけ飛ぶという特徴があることに由来するのでしょう。学名をImpatiens noli-tangereといいますが、意味は「耐えきれない!私に触れるな」です。
ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)チョウ目タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。すぐ逃げます。
他には目ぼしい被写体がいないので、久しぶりに茶臼山自然植物園の最上部に行ってみました。吸蜜中のキアゲハ。ちゃんと止まれない様で、ホバリングしながら吸蜜。
吸蜜されている花は、フサフジウツギ(房藤空木)ゴマノハグサ科フジウツギ属。「ブッドレア」の名称で園芸用に流通している中国原産の低木です。
ツマグロヒョウモン(褄黒豹紋)のメスも吸蜜中。タテハチョウ科ドクチョウ亜科ヒョウモンチョウ族。
ハナトラノオ(花虎の尾)北アメリカに分布するシソ科カクトラノオ属の多年草。吸蜜するのは、ハラアカヤドリハキリバチ。吸蜜は、体全体をほぼ花の中に潜らせてしていました。オオハキリバチという別の種類の蜂の巣に卵を産み付けるという珍しい習性を持ったハチで、幼虫はオオハキリバチの幼虫の餌を食べて成長していきます。ルリモンハナバチと同じ様な、「労働寄生蜂」です。
ムクゲ(木槿)アオイ科フヨウ属の落葉樹。庭木でもよく見られますが、夏の茶花として有名です。右になにか小さな虫がいますがなんでしょう。ヨコバイの幼虫でしょうか。不明です。
日傘をさしたご婦人たちやご夫婦が来ていました。動物園左の道を入って行くと、植物園の大きな駐車場があります。そこから登って15分ぐらいで来られます。藤棚もあって、日陰のベンチでお昼を食べるのもおすすめです。いつの間にかすっかり雲に覆われてしまいました。週末は天気が悪そうなので、北信の郷土料理「やたら漬」を作ります。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。