<<人材バンク法案の意味するもの>>
与党から激しい反対が出ていた人材バンクが、やっと政府、与党との間で合意を得たそうだ。
これには、 (人材バンクについて)で書いたように、多くの問題があると思っていたが、現政府にわりに好意的な読売新聞からも厳しい批判が出ている。
(4月12日読売新聞社説)
その中で、
安倍首相は、内閣府に設置する新・人材バンクが再就職を一元的に管理することで、各省の予算や権限を背景とした押しつけ的な再就職あっせんを根絶する、と繰り返してきた。
天下りが談合や汚職などの不祥事を生む要因になった面は否定出来ない。だが一握りの例外だ。国家公務員のほとんどは、義務感と使命感をもって、国の発展と国民生活の向上に尽くしてきた。
経済・社会が大きく変化し、国際競争も激化する中で、大事なのは、これからの国家公務員のあるべき姿と仕組みを示すことだ。再就職問題も、その中で考えていくべきことではないか。
その点で疑問なのは、新・人材バンク以前になすべき課題に真剣に取り組む姿勢が乏しい ことだ。
幹部職員となる1種試験採用者は、最後に次官になる一人を除き、50歳前後から順次、退職勧奨を受けて、企業などに天下っていく。
これを改めるには、退職勧奨年齢を引き上げたり、専門スタッフ職を作って次官、局長になれなくても公務員として残れるようにしたりすればよい。高齢化の時代に、定年延長も進めるべきだ。
ところが、今回の制度改革では、新・人材バンクと能力・実績主義が先行し、専門スタッフ職創設、公募制導入、定年延長など、天下りの抜本是正策ともなる措置は後回しになる。
と指摘し、
これで、本当に機能する新・人材バンクができるかどうか、極めて疑問だ。
渡辺行革相らの言動には、公務員叩(たた)きで政権浮揚を図る意図も見え隠れする。そうであれば、大衆迎合そのものだ。
と迄書いている。
私は4月8日のテレビ朝日の「サンデー・プロゼクト」で「人材バンク」の法案に好意を持っている出席者から、建設的なコメントが多く出たのに、全く聞く耳を持たない、渡辺行政改革担当大臣を見て、現政府の底の浅さと軽さを感じずにはおられなかった。
彼を見ていて、不具合点を知っているのに、部下の意見に耳を塞いで自説を固守している、余り出来の良くない昔の上司の姿を思い出させた。
<<小手先と締めつけの対策の安倍内閣>>
最近の政府の動きには特徴があるようだ。
問題点に対する思いつきの小手先の対応だ。
それと全てに競争原理を持ち込み、それで関係者に良く言えば自助努力、悪く言えば圧力を掛けて政府の方針を押し進めようとする態度だ。
それらを顕著に表したのは、教育再生会議の答申だ。
教育問題の基本として、誰でも判っており、その一部は会議でも認めているのに殆ど手を付けられていないことが多すぎる。
例えば、
1.教育の基本は家庭にあること。
全く手を付けられていない。
2.入りさえすれば自動的に卒業出来るトコロテン式の大学
最近、教授を長とする階級組織が議論されているそうだ。
3.旧態以前として沈滞している学校管理の中心である教育委員会
殆ど手つかず。
地方自治と国の指導体制の調整→手つかず。
4.先進国で全体予算に対する教育予算の割合最低の問題
議論した話さえ出て来ない。
5.小、中学校の教育環境の改善
体罰の見直し、いじめへの対応策→児童生徒の管理強化
父兄による教員の評価、教員の再教育、資格制度の見直し、学校
の選択制など学校→学校、教師への締めつけ強化
学校関係者を困らせている父兄の再教育は手つかず
など教育問題は問題が多すぎ、根深いとのは判るが殆ど小手先
の対策ばかりだ。
教育再生会議の一次答申
これと、読売の指摘するように、官僚の定年制延長など基本的な官僚制度の見直しに、手を着けず、眼の前の談合防止のための天下りの対策だけで小手先の「人材バンク」を考えるなど安倍さんのやることは軽すぎると思う。、
報道によると、安倍さんは格差問題への対策を考えるよう指示したそうだが、この案も今までの例から考えると、また問題が起きそうな気がする。
やはり安倍さんはもっとしっかりしたブレーンを置いて、基本的な問題点をまともに見据えたもっとしっかりした政策を打ち出して貰いたいものだ。
安倍内閣改造の勧め
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