昨日、自民党再生のためには、今回の衆院選大敗の一因である国民から遊離しかけていた体制を作り直すための、国民や地方の支部の人達からの「情報蒐集・統計・解析・周知システム」の確立を提案しましたが、今日は民主党政権に対しても似たような提案をしたいと思います。
[国民の意志を吸い上げる情報管理システムの確立]
・国民が鳩山政権を支持する理由
昨日も書きましたが、鳩山政権の発足以来、新任の大臣の就任挨拶で自分の意見(実は党の公約)を述べたこと、事務次官会議廃止、政務官会議などカッコ良い行政改革に国民は大きな拍手を送っています。
世論調査でも、[鳩山さんの政治主導の政権運営を実現」への期待78%、[政権交代によって政治が変わってほしいか]91%の数字でみるように、行政改革への圧倒的な支持です。
ここで考えて欲しいのは鳩山内閣への高い支持率のその行政改革の姿勢であって、項目毎については、例えば党の売り物の「子ども手当」賛成が31%、反対26%、どちらともいえない39%、高速道路の通行料金を原則無料化賛成17%、反対45%、どちらともいえないが35%の数字が示すように、行政改革を除いては必ずしも、全面的な支持を得ている訳ではないということです。
このことは識者の発言やマスコミの社説でも言えることです。
昨日のテレ朝の「スーパーモンニング」で元官僚の人達4人の話しがありましたが、彼らは最終的には、鳩山政権は野党時代のマニフエストから、政権党としての現実的なマニフェストに変えろ と意見を纏めていました。
これについては、以前にも読売、産経も脱公約を社説で指摘していました。
明らかにと言うか正直に民主党支援を表明している朝日新聞でさえ昨日の社説の
予算編成―さあ、大胆な組み替えをで、その点で高速道路無料化(財源は毎年度1.3兆円)とガソリン税などの暫定税率廃止(同2.5兆円)は再考を求めたい。温暖化対策とも矛盾するこれらの政策に毎年度数兆円を投じることが妥当だろうか。もっと優先すべき使い道が考えられないか。と指摘しています。
・国民の評価を受けるような行政改革以外の公約実施のために
前にも書きましたが、問題の八ツ場ダムの廃止について の民主党員の説明で、民主党はこの件でも関係都府県の支持を受けて政権を取ったのだ、詰まり関係都府県民の総意だから、関係者は国民は民主党の言うとおりにすべき だと言わんばかりのことを言っていました。
私は民主党はその行政改革の姿勢に国民やダム関係の都府県の人達の大多数が賛成したので、個々のマニフェストに対しては 世論調査が示すように、必ずしも 全面的に賛成している訳ではないと思います。
私は民主党の公約の中には良いものもあるが、政権奪回のためには何でもありの公約もかなり含まれていると思います。
だからその個々の公約の実施に当たっては、国民やマスコミの反応を確かめながに、慎重にも慎重に構えるべきだと思いますし、そのための手段として情報管理システムの確立は欠かせないと思います。
新任の大臣がカッコ良く今までの自民党政権時代に無かったように官僚のメモに依らない発言をしてマスコミの評価を浴びました。
そして実務に当たって色々の問題に突き当たりました。
防衛問題で言えば、岡田さんは核持ち込み疑惑で情報開示をすると言っていましたが、その後の対策は外交上の秘密だと無言。
北沢防衛相の普天間基地の沖縄県外へのの移設困難発言など。
昨日のテレ朝の「ワイドスクランブル」でも金融副大臣の大塚耕平さんと、小泉内閣で金融担当大臣だった伊藤達也さんの亀山さんのモラトリアム政策に就いての議論がありましたが、中小企業への基本対策として両者とも「景気回復」が先決だと一致しました。
そして伊藤さんが鳩山政権はその具体策を出すべきだと言ったのに、今まで能弁だった大塚さんは今検討中と言っただけで急に黙りこんで仕舞いました。
彼は(私の想像ですが)、温室効果ガス25%削減などのマイナス要因に加えて、鳩山さんの言う子ども手当て、高速道路無料化、暫定税率の廃止などでは、景気回復などに殆ど役立たないと思っていたのに違いありません。
[情報機関の創設]
自民党の安部さんが「主張する外交」の手段として情報機関の成立を公約に挙げましたが結局出来ないままでした。
しかしその考え方は正しいと思います。
民主党はその公約で日本独自の外交を進めると書き、今回の鳩山さんの演説でも世界へリーダーシップを取りたいと言っています。
それは良い事ですが、その前に独自の外交、世界へのリーダーシップをとる為には、その道具としての情報機関の創立が必要と思います。
今までのように米国からの情報、外務省が片手間に集めた情報?、私たちも知っているマスコミ報道頼りでけはまともな、独自の外交も主張する外交もできないと思います。
当面の鳩山さんの言う、海上給油に代わるアフガン支援体制の整備も、どこの情報に基づいて考えいるのでしょう。
派遣する人達の安全確保、その業務を円滑に行うための(例えば援助には感謝しつつも自国の事に口を出している国への反感など)住民たちの屈折した考え方を知るなど、やはり政府関係者が直接に集めた情報の方が遥かに頼りになると思います。
そのために日本独自のしっかりした情報機関があれば日本の方向に誤ることはないと思います。
今後も米国との協力が必要になると思うのですが、自主的に提案するときは勿論ですが、米国の要求に対案を提案するとき、米国の持っていない情報を開示して見せることのほうが遥かに有効と思うのですが。
日本は米国からのイラクに大量破壊兵器が存在と言うガセネタに基づいた、イラクへの自衛隊の海外派遣要請に対して、憲法の解釈変更までして派遣した苦い経験があります。
このような失敗を二度と繰り返さないためにも、情報機関の設置は是非必要と思うのですが。
詰まり情報を持っている米国が、自国の安全を米国に頼っている日本、そして情報を殆ど持っていない日本を自国の思い通りに動かすなど、赤子の手を捻るようなものだと思うのですが。 (民主党も野党時代に米国情報の正確さについて批判していました。)
鳩山さんは米国で温室効果ガス25%を約束しましたが、それを外国で約束する前に、外交的、国内的に考えてプラス面、マイナス面に関する情報をどれだけ集めていたのでしょうか。
・行政改革を成功させるために
鳩山政権の目指す行政改革は今までにない壮大な実験です。
これからどう推移するかも判りませんが、何時か自民党が政権を奪還してもそのやり方のかなりの部分を引き継ぐことになるでしょう。
民主党も組織的な情報の蒐集と解析をして、個々の政策についての民意も汲み上げることで、その政策の強引な実施(前に書いた様に民主党の圧勝が個々の公約全てを是認したと言って)が国民の批判を招き、それが多くの国民が期待している行政改革の足を引っ張ることのないように慎重な対応が必要だと思います。
そして前に書いた自民党の敗因の一つのように、「鳩山政権が国民から遊離した存在」になるの防ぐために、国民からの情報の蒐集、統計、解析し政権内と党内に周知するシステムの構築をして貰いたいと思います。
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