[民主党のブレーンが指摘した八ツ場ダム問題]
10日のNHKのシリーズ物の”追跡!A to Zで「八ッ場ダム 解決の糸口はあるのか?」"に就いての解説番組がありました。
突然の政府の政策転換に戸惑い、怒る地域の人達、その人達への心ない中傷のメールの殺到、群馬、千葉県知事の反対発言などなど。
その番組のゲストとして北海道大学大学院教授の山口二郎さんが出て居ました。
彼は民主党のブレーンの一人で、同じNHKの”「日本の、これから」「鳩山新政権に問う」”にも出て民主党寄りの発言をしていました。
それで何時ものNHKのやり方で、ゲストの発言を借りて自分たちの思う方向に番組を進めるのかと思いましたが、その発言の内容は予想外でした。
「前原さんがマニフェストに書いてあるからと言って、地域の人達の了解もなく廃止を宣言するのは、民主主義のルールに反する、これではまるで独裁政権だ。」と前原さんをかなり厳しく批判していました。
私は民主党の公共工事の縮小に賛成(但し地方に急激な影響を与えないような緩やかな縮小)です。
然し八ツ場ダム廃止で大きく影響する地域の人達に対して、「民主党のマニフェストで八ツ場ダム廃止を謳っているが、正式決定の前に、先ず地もとの人達の意見を訊きたい」として話し合いを持つべきだったと思います。
そして特定多目的ダム法の国土交通大臣は、基本計画を作成し、変更し、又は廃止しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するとともに、関係都道府県知事および基本計画に定められるべき、又は定められたダム使用権の設定予定者の意見をきかなければならない。
のルールに添って適切に処理したのちに正式に廃止を宣言すべきだったと思います。
然し前原さんは中止根拠となるダムの必要性について、「事業再評価をするつもりはない」と言い切っています。
彼は法に従って関係都府県知事に説明するとき、この様な発言が通用するでしょうか?
この様な発言で国会での野党の厳しい質疑に堪えられるでしょうか?
いずれにしてもこの問題は長期化するのは間違いないでしょう。
私は鳩山内閣の政治主導の政治への壮大な実験(私も大賛成です)の足を引っ張らないように、前原さんはその八ツ場ダム問題解決のためにはその強硬姿勢を変えるべきだと思うのですが。
[問題だらけの公約でも高い鳩山内閣の支持率]
鳩山内閣は最近の世論調査でも70%から75%の高い支持を受けています。
その一方では前述のダム問題解決の停滞のほかに、
・高速道路無料化に対する低支持率
・温室効果ガス25%の削減に就いて肝心の産業界から猛反対
・これに絡んで暫定税率の廃止の矛盾を朝日新聞さえ指摘
・公共工事の削減など補正予算見直しが経済の腰折れにつながらないかの批判
・普天間基地移転について、公約見直しの防衛大臣の発言
・後期高齢者医療制度の見直しの頓挫
などなど数えきれない程の難問を抱えています。
これは政権獲得のために何でもありの整合性のないマニフェストのボロが出て来始めているのだと思います。
そして読売や産経から公約の見直しをする勇気を持てと社説で指摘される始末です。
然しその一方で鳩山内閣は75%高い支持率を得ています。
それは内閣の官僚主導から政治主導の政治に切り替える、天下り廃止など公務員制度の改革など対する鳩山内閣の政治姿勢、その実施に際しての良く勉強している大臣、副大臣、政務官に対する国民の大きな期待です。
[行政改革の世論を読み誤った自民党?]
私は麻生政権のとき、衆院選で大敗の最大理由は官僚主導の政治姿勢に対する弱腰だろうと書きました。
そして公務員制度反対を唱えた人事院総裁や、麻生さんの出先官庁の統合の指示へゼロ回答した省の幹部へ強い態度を示せば、そして公約で官僚制度改革を訴えれば、衆院選で負けるとしても大敗はないだろうと書きましたし、官邸にも投書しました。
然し麻生内閣は渡辺喜美さんが飛び出しても動こうとはしませんでした。
そして心配症の私が心配した通りの結果になりました。
選挙前の党内の烏合の衆の状態など他の敗戦の理由もありますが、問題だらけの公約を持つ鳩山政権が高い支持率を誇っているのをみても、自民党が見落としたか、判ってもできなかった政治主導の政治や公務員制度改革が、自民党大敗の最大理由だったことが証明されたようなものです。
私のように情報は新聞、テレビとネット上しかない普通のおっさんでも気がつくことが、どうして出来なかったのでしょう?
前で挙げた例のように官僚からの反対があったとき、麻生さんはどうして動かなかったのでしょう、また動けなかったとすればその理由はなんでしょう?
派閥の領袖や族議員と言われる人達はどうしたのでしょう?
彼らはいまの鳩山内閣の活動を見てどう思っているのでしょう?
自民党はこの儘では縮小の道をたどるだけです。
前にも書いたように小沢さんが自民党内に手を突っ込んできてかき回されるかも知れません。
自民党は敗戦の原因の分析は幾ら辛くても通らねば、じり貧になるばかりです。
これでは私の希望するような定常的の政権交代はしばらくは停滞するのかも知れません。
自民党は先ず民主党政権に対する戦闘体制を整えるとともに、じっくりの自民党大敗の分析をすべきだと思います。
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