普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

八ツ場ダム廃止に就いて民意を問わなかった民主党

2009-10-13 11:23:09 | 鳩山内閣

[八ツ場ダム廃止問題で心に引っ掛かっていること]
 私は8日から昨日までのエントリーの
八ツ場ダム中止問題の今後の展開
独裁の道を進んでいる?鳩山政権 
世論を読み誤った自民党?
で八ツ場ダム問題を取り上げてきました。
 これには特に意図することはないのですが、何となく心に引っ掛かるものがあったからです。
 改めて良く考えて見ますと民主主義とは何か?、民主主義体制での政権の運営の在り方は?について心に引っ掛かっていたのに気付きました。
 当然のように私の小ブログに珍しく多くのご批判や賛成のご意見など頂きました。

 その様な私の眼にとても気になる
民主党議員がいない地域でダム中止が進む
というブログをネット上で見つけましたのでその概要を紹介します。
・前原国土交通相が年内の「一時凍結宣言」を出した未完成の48事業の内、八ツ場ダムの「費用対効果」は3.4で、48事業のほとんどが、八ツ場ダムの費用対効果をずっと下回っているのに、八ツ場ダムや川辺川ダムが真っ先に中止決定され、他のダムは留保されたのはおかしい。 (私も八ツ場ダムの費用対効果を上回っているダムは4~5しかないとの報道を見ました。)
・それは、今回の衆議院選で民主党議員が選出されなかった地域と関係あるのではないではないか?
・八ツ場ダム先の衆議院選挙では、八ツ場ダム建設予定地の群馬県吾妻郡が所在する群馬5区では、自民党の小渕優子氏が当選、民主党の候補者はいない。
・川辺川ダム建設予定地の熊本県球磨郡は熊本5区で、自民党の金子恭之氏が当選したが、当初、民主党が熊本5区で立候補する予定のところ他区へ転出し、八ツ場ダムと同じく、地元で民主党は立候補者を立てず、八ツ場ダムに関する民意を問うていない。
・民主党は、「八ツ場ダム・川辺川ダム中止」はマニフェストに記載されており、同ダム中止は「民意」だと言い張っているが、両地域で立候補者を立て地域住民の民意を問うことから逃げておきながら、「民意を反映している」とは無理があるように思う。
・なぜ、マニフェストでダム建設中止を宣言した地域に候補者を立て、正々堂々と民意を問わなかったのか説明がつかない。
・「勝てば官軍」とばかりに、住民の声を無視した「マニフェストごり押し政治」を進める鳩山首相をはじめとする民主党閣僚の中に、はっきりと全体主義到来の影を見た。
 このブログに触発されて、群馬県、熊本県の立候補者の名前を調べてみました。
・群馬県で民主党候補が立っていたのは1区、2区、3区、4区で肝心の5区は連立を組む予定の社民の候補が立っているだけ
・熊本県では民主党は1区、2区、3区に候補者がいるが、4区と肝心の5区には候補者が立っていません、そして5区には八ツ場と同じく偶然のように連立予定の社民の候補が立っていました。

[民主党の八つ場ダム問題についての考え方]
 つまり選挙担当の小沢さんからの立場から見れば、上記のブログの著者が指摘したような、ダム廃止の是非を問う気持ちは全くなく、全国的な勝利のためには敗色がはっきりしているところは始めから捨てていたのでしょう。
 逆にブログの著者の言葉を借りて言えば、 (私の勘繰りですが)下手にダム所在地の群馬・熊本の5区でダム建設の是非を問うて衆院選を争って、万一負けたら地域主権や民意尊重などを唱える民主党の立場から言えば、ダム廃止など言えなくなってしまうので敢えて争うのは避けたのかも知れません。
 前にも書きましたが、テレビでこの計画を推進した民主党の担当者が、民主党は八ツ場ダム廃止を公約に掲げて圧勝した、特に関係都道府県でも民主党が大勝したのは、明らかに同地域の人達のダム反対の民意を示したものだと説明していました。
 勿論ダムの所在地である肝心な群馬県5区の民意も代表しているとは触れませんでしたが。
 前原さんの中止根拠となるダムの必要性について、「事業再評価をするつもりはない」と言う強硬姿勢は前の民主党員の説明にあるように、民主党の考え方を基礎にしたものでしょう。(*注記)

[政権の民主主義的な運営とは]
 民主党の圧勝は旧態依然とした自民党への失望感と、政治主導の政治を掲げた民主党への期待感で、「不満の自民党」より「不安の民主党」に賭けた国民の意志の現れだということは既に定説になっているようです。
 民主党はその大勝に浮かれて「マニフェストごり押し」の政策を強引に進めて行けば、いつか大きな躓きをしそうな気がしてならないのですが。
 私のブログや他のブログのコメント欄には時々、民主党はマニフェストを掲げて戦い圧勝したのだからそのマニフェストの通りに実行するのが民主主義だと意見を見かけます。
 然し個々の公約、特に問題含みの公約については、個々に就いて国民の代表である国会議員による国会の審議を聞いて実行するのが民主主義的な政権運営だと思うのですが。
 鳩山内閣が国会開会をぎりぎりの26日まで伸ばして、その間に問題の公約まで既定事実作ろうとしているのが、冒頭に書いたように民主主義の精神の則っているのか、私の心に引っ掛かっているところです。

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*注記:前原国交大臣に就いて
 私は率直な発言をする前原さんが好きですし、将来国を背負って立つ人になって貰いたいと思います。
 私ごとですが、菅さんが「談合3兄弟」発言で代表を辞任し、前原さんに代わったときに、政府攻撃の時はその反発に堪え得る(国会の爆弾男の言われた、楢崎弥之助さんのような)喧嘩上手の人を当てる事、そして代表自身は絶対に攻撃の表に立たないようにと、彼の事務所に投書してから、彼の言動に注目してきました。
 結果は例の「ガセネタ」問題に喧嘩なれしていない若手の永田さんをたて、前原さんも自分から国会で政府攻撃に加わり、結果として前原さんの代表辞任、そして小沢さんの代表就任となりました。
 その上に私の心配は永田さんの自殺の言う悲惨な結果になって終わりました。
 その前原さんのダムの必要性について、「事業再評価をするつもりはない」の問題発言は、どことなく脆い感じのする前原さんに後々まで響いてきそうな気がしてならないのですが。
 心配性の年寄りの心配がまた当たらないように祈っています。