普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

自民党再生への道(4)(総裁のリーダーシップ)

2009-10-03 07:36:09 | 自民党

 先日の英字新聞輪読会では資料の一つが鳩山さんの米国デビューの記事で、問題意識の高い女性たちから、鳩山さんの演説が素晴らかったこと、その態度の真面目さに対して、麻生さんの発言のぶれや人を見下したような態度はなんだと、意見が盛り上がっていたのを私は黙って聞いていました。
 そう言えば麻生さんの所信表明演説以外に、彼が話さなかったのか、マスコミが無視したのか知りませんが、彼の演説を聞いたことがありません。
 私は何度か彼が直接国民に話しかければ良いのにの書いたのですが。

・自民党敗因
 自民党の衆院選敗因の一つに、麻生さんの失言や発言のブレが挙げられていますが、それは事実上は大した問題でなく、麻生さんの発言のブレを起こさせた原因に大きな理由があると思います。
 詰まり党長老達の麻生さんへの影響力行使や族議員や官僚の反発のために、麻生さんの見せた公務員制度改革や出先官庁の統合への弱腰姿勢です。
 それに加えての選挙を目前にした党内のバラバラの体制とそれに対する麻生さんのリーダーシップ不足も敗因の一つです。

 私は敗因の分析の結果から、下記のように党の再生の手段として、党の意志決定システムの見直しと、党総裁のリーダーシップを発揮することとそれを発揮させる体制作りを考えました。
[党の意志決定システムの見直しと党総裁のリーダーシップの発揮]
・麻生さんの発言のブレの原因
 麻生さんの発言のブレの原因に就いては、麻生さん個人の問題もあると思いますが、
a.詳細な法案作成に当たって官僚任せの党の方針で、その法案反対する官僚や族議員の意向が反映されたこと
b.政府の法案作成に当たっては、事前に党の最高決定機関である総務会にかけるが、その決定は全員一致を原則としているので、党の派閥の領袖や族議員の介入を受けやすいことにあると言われています。 (どうしても意見が纏められぬ時は少数派が退席して、残りの人達で全員一致の採決をするそうです。)
の二つにあるような気がします。

・意志決定システムの変更
 政権陥落の今となっては自民党の決定に官僚の意志の入りこむ余地はありませんが、総務会や他の場面での意思決定のやり方は見直す必要があると思います。
a.採決に当たっては派閥の拘束を外し全員が自分の意志で採決すること
 政権を離れた今派閥間の抗争はもう無意味なことと、個人の意志の拘束は今までのようなマスコミへの不規則発言に繋がると思います。
b.全員一致また僅か一票や一人の差で決定するのでなくて、少なくとも例えば60~80%のどこかの差があれば決定することです。

・総裁のリーダーシップを発揮させる体制作り
a. 党の決定以前の議論は良いが、党議決定以後は小異を捨てて大同について党総裁を支えそのリーダーシップを発揮されること
b.今までのような国民に人気のある人を立てて、あとは領袖がリモートコントロールするなどせこくて、マスコミに見え見えのやり方を止めること
c.リーダーと意見の違う時はマスコミの見えぬところで意見を交換すること

[自民党のこれから]
 自民党の新総裁に谷垣さんが決まりました。
 マスコミ報道や負けた河野さんの発言によれば谷垣さんの推薦や支援に派閥の長が動いていたそうで、真実は判りませんが、これがまたマスコミの谷垣さんにたいするマイナス評価に繋がりました。
 彼に対しては、民主党の渡部恒三さんが「平時にはいいが、乱世には向かない。自民党政権が続いている時なら安心だが、ここまで惨敗した党を再建するにはかわいそうな気がする」毎日新聞
より)
と言ったそうですが、確かにこれから民主党政権と対決しなければならない時に温厚な人柄の人で良いのかと言う気もします。
 それと一つ引っ掛かったのは、元幹事長の加藤紘一さんを、衆院予算委員会の筆頭理事に当てると言う報道でした。
 麻生政権末期に第三者のように政権や自民党内の動きに批評していた人が、政権攻撃の第一線である予算委員会でどれだけ動けるのかと思ったのです。
 彼が輝いていたのは所謂「加藤の乱」までで、それ以後はすっかり「調子を崩していた」ような気がするからです。
 それともう一つ引っ掛かったのは、それに対しての谷垣さんの加藤さん否定の発言の毎日の記事
です。
 自民党の谷垣禎一総裁はBS放送の番組に出演し、衆院予算委員会の筆頭理事に加藤紘一元幹事長を充てる案について「そういう話は元からない」と述べ、起用を否定した。同党は国会論戦に備え、ベテランの加藤氏を起用する方針だったが、党幹部によると、最大派閥・町村派会長の町村信孝元官房長官が1日、谷垣氏と会談し、難色を示したという。
 とまた派閥の長の町村さんが出て来ました。
 河野さんの話しでは、谷垣さん担ぎだしにも町村さんが動いたそうです。
 勿論、町村さんは純粋に党のために思った動きだったのでしょうが、結果としては麻生さんを担ぎ裏で党の領袖が裏でリモートコントロールしようとしている旧来のやり方そのままです。

 然し今までのことをとやかく言っても仕方がありません。
 自民党は何とか谷垣さんを中心にして挙党一致で鳩山政権に対峙し、日本のためにも党の為にも同政権が道を誤られないように、批判して行かねば成りません。
 谷垣さんはその「みんなでやろうぜ」の言のように、
・如何にして改革意欲のある若手の意見を如何に党の運営や方向づけに活用するか
・如何にベテランや悪名高い族議員を活用するか
・如何に政権攻撃の強力体制を構築するか
そして
・高齢化の進む党内の若返りを図るために新人のリクルートとその養成をするか
などに力を発揮すべきです。
 そして党員達は前に触れたように、河野さんや西村さんとその支持派も含めて如何に挙党一致で彼を支えて行くかを考えるべきだと思います。

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*注記:私の考える自民党再生の道
(世の動きを読み誤らないために)下部機関や一般からの情報を吸い上げ、蒐集、解析、周知のシステムの確立
・意志決定のシステム化
・総裁のリーダーシップの強化体制を作ること
・挙党一致で戦う体制の確立
・戦う自民党の体制を作ること
・若手の育成