このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
私たちのやまねこデイサービスと、その左右に隣接していたグループホームシグナル、グループホームシグナレスは高さ16メートルの大津波に襲われ、跡形もなく流失してしまった。
その後の苦悩や苦労は筆舌に尽くしがたいうえ、それ以上の辛苦を経験された方もいらっしゃる中で、ここに書く気にはなれない。
3月11日から約二週間後、やっと電気が点いたころ、理事長が自分のアパートの一部を改装してデイサービスを再開する、と唐突に宣言した。
当時デイサービスの職員たちは浸水地域外で残ったグループホーム虔十や市外のホームに散り散りに分かれていたし、大震災当夜から帰る家を失くした数名の利用者様も帯同していたので、仲間とまた一緒に働けるかと思うと先の不安よりもワクワクする気持ちの方が強かったのを今でも覚えている。
でも、普通のアパートでデイサービスを行なうって本当に実現できるのだろうか?
疑問はすぐに解消した。翌月1日から、実際にできたのだから。
理事長が岩手県内陸部で中古車や家具を買い付け、旧知の大工さんを呼んで1K2世帯の間仕切壁を貫通させ広い空間を作るとともに、大型のユニットバスも入れた。突貫工事だった。
私たち職員は手分けして以前の利用者様と連絡を取り、再会を喜び合いながら、事業所の再開を伝えた。
同年9月に事業所を本格再建するまでの5か月間、私はこのアパートの一室でのデイサービスという一見珍妙な仕事に、毎日張り合いを持って取り組んだ。
(つづく)