このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
私は東日本大震災の傷跡がまだ癒えずに残る宮城県沿岸部のK市で、デイサービスの相談員として働いている。
事業所の定員は30名、運営主体は市内ではいまだ珍しい事業型NPOだ。
経営者の理事長は40歳を過ぎてから起業した異業種参入組の男性で、自分ではソーシャル・アントレプレナー(社会起業家)だと称している。
私が勤務するやまねこデイサービスは、大震災の8か月前に既存の住宅を改装して定員10名の小規模事業所としてスタートした。
それまで認知症高齢者グループホームの運営が主な事業だったNPO法人なごやかにとって、初めてのデイサービス事業所だった。
正確に言うと、その一年ほど前からグループホームのホールを利用した定員3名の共用型認知症デイサービスを行なっていて、開設までにある程度のノウハウは蓄積されていた。
ただしそれらは管理者と私たち職員とで試行錯誤しながら一つ一つ作り上げた、いわば自己流のものだったが。
法人内の各事業所から集められた職員と、新採用の職員との間で当初はぎくしゃくする場面もあったものの、やがて連帯感が生まれ、利用状況も定員10名が毎日なんとか埋まりそうだな、とみなが思っていた矢先に、大震災が起こった―。
(つづく)