このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
理由は不明だが、僕はざしき童子をひどく怒らせたらしく、平謝りに謝っていた。
根負けしたのか彼女が厳しい表情を少しだけ崩した一瞬を、僕は見逃さなかった。
「なにかお詫びのしるしを差し上げたい。」
本心だった。
じゃあ、フルコース・ディナーをごちそうしてくれない?
フルコース、、ですか、と二回繰り返してしまった。
プリフィックス(メインディッシュ等を数種類から選べるスタイル)ではなくて?
そう、フルコース。
お肉とお魚をどちらも食べたいの。
彼女の眼には時々見る挑戦的な輝きが宿っていた。
どうやら僕が肉を食べないのを知っていて、いわば罰ゲームを課す気らしい。
わかりました、と夢の中の僕はうなだれていた。
当日。
僕は映画「グッドフェローズ」のレイ・リオッタばりに給仕長へたっぷりチップをつかませた。
広い個室の重厚なテーブルをはさんで向かい合ったざしき童子は、訳知り顔の給仕長がうやうやしく僕の前に置いた二皿目の魚料理を一べつすると、苦笑いして言った。
「あなたズルいひとねえ。」