今日は私が管理者を務めるやまねこデイサービスの敬老会だ。
小雨降るあいにくの天候にもかかわらず、定員40名の全員がいらしてくださり、大ホールは身動きもままならない状態になっていた。
出入り業者のMモータースの社長さんが特技のフォークギターで利用者様の歌や職員の合唱に伴奏をつけ、座を盛り上げている。
隣に座ったNPO法人なごやか理事長はというと、その合い間に「スカボロー・フェア」や「ミセス・ロビンソン」、「500マイルズ」などを個人的にリクエストしては、譜面がないとちょっと、とM社長さんを困惑させていた。
もちろん、そんないたずらめいたことばかりしているわけではなく、お茶とジュースのペットボトルを両手に持って利用者様お一人お一人にお酌しながらお礼を述べて回っているところは、やはり経営者だな、と私はひそかに感心していた。
仕事柄、紅白の大福餅やまんじゅう、最中が出る席に座ることが多いのだが、そんな時、隣の職員に時々尋ねてみる。
「きみは紅白、どちらから食べる?」
たいていの場合、きょとんとした顔で「考えたことがありません」あるいは「考えたことも、ありません」という答えが返って来る。
そうか。
僕は必ず白から食べる、いや、白だけ食べて赤は持ち帰る。
置き忘れることの方が多いのだが、それが僕の貧乏くさい、長い習慣である。
母親や、今は娘に見せたくてのことだ。
それに、赤から食べると、元々紅白のセットであったかどうか、わからなくなるではないか。