このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
久しぶりにシェイクスピア劇を観た夜遅く、庭に降りると夜空いっぱいの星が次々と流れ落ちていた。中には明るい炎の尾を引いているものもある。
「願い事した?」
頭の中で声がしたので振り返ると、地面から2メートルほどの宙にざしき童子が浮いていた。
このごろなんだかヘンな登場の仕方をされますね。
「マイブームかな。」
相変わらずきれいな笑みだった。
願い事は特にないけれど、きみに留守にされると、いつ当家がまた傾くかもしれなくて、ひやひやものです。
あははは、とざしき童子は笑った。
本当に気分がいい時の彼女の笑い声は、まるでバンブーのドアチャイムがぶつかり合ったようにカラカラとよく響く。
「あなたは大丈夫じゃないけど大丈夫。」
なんですか、それは(苦笑)、「マクベス」の魔女みたいな。もうシェイクスピア千本ノックはゴメンですよ。
「あなたが何も信じない皮肉屋なのはよくわかっているけれど、せっかくのしし座流星群の夜なのだから、次に流れる星に願いをかけてね。今手掛けている私の人助けはもう少しかかりそうなの。」
わかりました。では、きみの留守の時間が短くなるようしっかり願います。
満足げな表情を浮かべ、ざしき童子はゆらゆらと消えた。
『きれいは汚い、汚いはきれい。さあ、飛んで行こう、霧のなか、汚れた空をかいくぐり。』か。