このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
僕にはセバスチャン・ジャプリゾのマイ・ブームが二度あった。
最初は映画化作品「さらば友よ」や「雨の訪問者」をテレビで観た後、邦訳本を探して読み漁った中学時代。
次はイザベル・アジャーニ主演で映画化された「殺意の夏」(1983年)が日本でも公開され、大きな話題を呼んでいた20代前半。
今思い返すと笑ってしまうのだけれど、そのどちらも、いっときの間、寝ても覚めてもジャプリゾのことを考えていた。
「殺意の夏」公開時はお金がなくて、五反田の二番館で観た記憶がある。
パンフレット、というよりは大判二つ折りのリーフレットは200円だった。たぶん家のどこかにまだある。原作本もある。ビデオテープは捨てた。
アジャーニはセザール賞主演女優賞に輝き、本作が代表作と言われているが、当時も今もちょっと首をかしげる。
僕は原作小説の方を先に読み、魅了されていた。
それだけに、カーリーヘアに褐色の肌の19歳のヒロインを、なにもアジャーニが演じなくても、と思った。
その前年の、「死の逃避行」での彼女がとてもよかったから、なおさらだった。
目が完全にイっている殺人鬼(アジャーニ)を追いかけながらその後始末を買って出る中年探偵(ミシェル・セロー)の奇妙なロードムービー。
のちにアシュレイ・ジャドとユアン・マクレガー主演で「氷の接吻」(1999年)として再映画化されている。さほど評価は高くないが、個人的にはこちらも繰り返し観たくなる作品だ。
公開当時のリーフレット