このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
87歳になる母親の依頼で、センダード市にある実家(空き家)の仏壇から位牌を取り出し、県北の菩提寺でお焚き上げを行なった。
99歳で亡くなった祖母の23回忌法要に合わせてのことだった。
驚いたことに、位牌は全部で9本あった。
老舗の呉服店を畳んで一家でセンダード市へ出てきた際に全部持ってきたものか。
のぼせ気質の祖父はそのあとまもなく妻子を新居に残して満洲へ農園経営に渡る。
国民服を着て荒れた畑の中でニヤニヤ笑みを浮かべている大男の彼の写真に向かって僕はつぶやいた。
「今日があなたの家の終わりの日ですよ。」
墓地は母親が亡くなった後に僕が墓じまいするよう、かねてから仰せつかっている。
小さな借家付きの実家は、あんたに渡すと銀行の担保に入れて失くしてしまうから弟にやる、とずいぶん前から表明されている。
ひどい言われようだけど、図星かも。
一族、一家が暮らしてきて残ったわずかなものを片付けた今日は改めて、自分自身の整理もあらかじめきちんとしておきましょう、と心に誓った。