ひとめぼれのはなし
17歳のとき。私は一目惚れというものをした。それから25年以上たって振り返ってもあれきりのことだから、たぶん一生に一度のことだ。目に入った一瞬で、息ができなくなった。「心臓が早鐘のように」という表現そのままにドキドキした。ものすごく好きで、だから絶対結婚できると信じていた。その一途さたるや。だが叶わない。なぜなら彼は、テレビの向こう側にいた。広島東洋カープの、前田智徳選手。それまで巨人ファンだった私を一気にカープファンに鞍替えさせた運命の人。もちろん当時はネット環境が整っていないから、北海道民の私の情報源はスポーツニュースやスポーツ新聞など。初めて広島市民球場に行って前田選手を見たときの感動は言葉では言い表せない。ちなみに前田選手はその試合でホームランを打ってくれた。(私のために!)現役の前田選手を生で見たのはそれが最初で最後だったが、私の中では今でも一番好きな選手であり、恋し続けている。だからいつ迎えに来てくれてもいいように心の準備だけは怠らない(笑)。
好きすぎて我が息子に前田選手の名をつけるまでの私。カープファン歴も25年を越えた。プロ野球の開幕は延期。でも息子とその日を楽しみに待つ。ちなみにうちのともちゃんは、オリックスファン。カープエリートにしようと思ったのに、うまくいかないものだ。