電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

キーワードは「ギター」ではなかったようだ

2006年07月17日 16時01分58秒 | コンピュータ
「ロマンティック・ギター名曲集」というクラシック音楽の記事に対し、エレクトリック・ギターの激安販売というトラックバックが来るシュールさ(?)を記事にするとともに一定の対策を講じたが、その後も歓迎せざるトラックバックが思い出したようにやってくる。「ギター」を「ギ*タ*ー」にマスクしただけではダメなようだ。しかも、「傷のある音楽CDの再生について」という記事にも「ギター音楽」という語があるのに、こちらにはトラックバックが来ない。すると、キーワードは単なる「ギター」ではない、ということだ。
そこで、ギターという楽器に特有の語で、他の記事には用いられていず、この記事にだけ登場するものとして、「ギタりスト」と「サうンドホール」という語に着目し、アスタリスク(*)でマスクしてみたが、やはり同様のトラックバックがやってくる。どうやらアスタリスクによるマスクも念頭に置き、正規表現に類した方法を用いて検索しているようだ。
それでは、というわけで、カタカナの一部だけをひらかなにしてみた。これならどうだろうか。

【追記】その後、歓迎せざるトラックバックが激増。
grep "href=" temp.html | sort +2 -3
でアクセス元を調べて見ると、やはり機械的な発信のようで、一度キーワードで収集された記事に向けて集中的にトラックバックを打たれるみたい。そんなわけで、元記事の語彙を少々手直ししてコピーを作成し別題名の別ファイルにするとともに、トラックバックを承認制に変更しました。これにより、1日50件以上の歓迎せざるトラックバックを遮断することができました。
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平岩弓技『魚の棲む城』を読む

2006年07月17日 11時48分40秒 | -平岩弓技
出張の空き時間に読んだ本。田沼意次は「いい人」だった、という想定の物語は少ないと思っていましたが、意外にあるのかもしれません。池波正太郎の『剣客商売』もそうでしたし、新潮文庫版の平岩弓技著『魚の棲む城』は、ずばりデキる男・田沼意次を描いています。

田沼龍助(意次)と札差・板倉屋龍介、廻船問屋・湊屋のお北は互いに本郷御弓町の幼なじみでした。龍助と龍介は身分をこえた親友どうし。田沼龍助は生来言語障碍のある第九代将軍家重の信頼厚い御側御用取次役ですが、家のため商家に売られたも同然のお北のことが忘れられず、幽閉された茶室に忍び入る綱渡り生活を続けています。
米将軍と呼ばれた吉宗が逝去し後見が解かれて実質的にも家重の代になると、田沼意次の存在はますます大きくなり、やがて大名に出世しますが、御三家・御三卿は嫉みと軽侮を隠しません。お北は上方で中風で倒れた夫の介護に明け暮れる生活を強いられますが、実は意次の子である新太郎の成長だけが楽しみです。
やがて病弱な家重が亡くなり第十代将軍・家治の代になると、田沼意次は老中となり幕府の経済政策を変えていきます。米中心の経済から貨幣政策を重視した経済への転換です。豪腕の廻船問屋・魚屋十兵衛の陰助によりお北を側女とすることができ、相良に城を築き街を作り、ひそかに外国貿易を夢見ますが、将軍家斉の代となり政敵松平定信に追われ、夢はついえます。

「田沼の賄賂政治(*1)」と「松平定信の寛政の改革(*2)」とを対比する形で、中学の日本史では習いました。社会の自然な流れを改革という名で棹さそうとするのは、どだい無理があるということでしょうが、実情はどうだったのでしょう。小説は歴史学とは異なり、作家がどんなドラマを仕組むかがポイントでしょうが、興味のあるところではあります。

(*1):Wikipedia - 田沼意次
(*2):Wikipedia - 松平定信
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