チャイコフスキーの交響曲の中では、一番お気に入りかもしれない第4番(*)、時期遅れですが、録画していたDVDから、ネルロ・サンティ指揮NHK交響楽団の演奏で聞きました。今年の第1回目のN響アワーなのかな、放送年月日の記録を忘れてしまいましたが、まだ大河内奈々子さんが池辺晋一郎さんのお相手を勤めていますから、今年か昨年の正月第1回あたりではないかと思います。
第1楽章、アンダンテ・ソステヌート:モデラート・コン・アニマ。
第2楽章、アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ。
第3楽章、スケルツォ、ピチカート・オスティナート:アレグロ。
第4楽章、フィナーレ、アレグロ・コン・フォーコ
サンティさんの演奏では、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが対向配置になっており、チェロが中央部でコントラバス群が後ろにいます。たぶん、会場では左右のステレオ効果が高いだけでなく、弦楽部が奥行きのある響きになったことでしょう。
第1楽章の途中で、チェロ奏者の一人が演奏中に席を立ち、また戻って来るという場面がちらりと見えます。これは、あまりの熱演で弓が折れてしまったとのこと。そんなこともあるのですね、でもサンティさんは少しも騒がず、堂々たるテンポで大熱演です。
第3楽章、弦楽器のピツィカートのあと管楽器が登場するととたんにぱっと明るくなり、ピッコロが効果的に活躍します。同じピツィカートでもコントラバスやチェロなど低弦楽器のは迫力があります。これは携帯音楽プレイヤーのイヤホンではとても無理ですね。
参考までに、演奏データを示します。サンティさんのは、DVDプレイヤーの時刻表示をもとに、実際の演奏のタイミングで引き算して算出しました。
■ネルロ・サンティ指揮N響
I=20'19" II=9'43" III=6'01" IV=9'11" total=45'14"
■ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団
I=17'41" II=8'41" III=5'33" IV=8'45" total=40'40"
ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団の演奏は、デッカの Historic シリーズの中の一枚で、425 972-2 という型番の 1962年の録音です。これについては、ジョン・カルショウの『レコードはまっすぐに』に記載の通り、ロンドン交響楽団が世代交替期にあり、最高の状態とはいえない時期であって、編集によっても改善できないミスがあったために、セル自身は発売を拒否したものだそうです。しかし、これほどの演奏解釈は、演奏の不備を補って余りあるという理由で未亡人が発売を許可した、といういわくありのもの。
演奏データからわかるように、各楽章の快速テンポが特徴的なだけでなく、セルとしては比較的身振りの大きな、ダイナミックな演奏のように思います。セルのファンにとっては貴重なものと言えます。
(*):これまでも、アバドとシカゴ交響楽団の演奏を取り上げています。
第1楽章、アンダンテ・ソステヌート:モデラート・コン・アニマ。
第2楽章、アンダンティーノ・イン・モード・ディ・カンツォーナ。
第3楽章、スケルツォ、ピチカート・オスティナート:アレグロ。
第4楽章、フィナーレ、アレグロ・コン・フォーコ
サンティさんの演奏では、第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが対向配置になっており、チェロが中央部でコントラバス群が後ろにいます。たぶん、会場では左右のステレオ効果が高いだけでなく、弦楽部が奥行きのある響きになったことでしょう。
第1楽章の途中で、チェロ奏者の一人が演奏中に席を立ち、また戻って来るという場面がちらりと見えます。これは、あまりの熱演で弓が折れてしまったとのこと。そんなこともあるのですね、でもサンティさんは少しも騒がず、堂々たるテンポで大熱演です。
第3楽章、弦楽器のピツィカートのあと管楽器が登場するととたんにぱっと明るくなり、ピッコロが効果的に活躍します。同じピツィカートでもコントラバスやチェロなど低弦楽器のは迫力があります。これは携帯音楽プレイヤーのイヤホンではとても無理ですね。
参考までに、演奏データを示します。サンティさんのは、DVDプレイヤーの時刻表示をもとに、実際の演奏のタイミングで引き算して算出しました。
■ネルロ・サンティ指揮N響
I=20'19" II=9'43" III=6'01" IV=9'11" total=45'14"
■ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団
I=17'41" II=8'41" III=5'33" IV=8'45" total=40'40"
ジョージ・セル指揮ロンドン交響楽団の演奏は、デッカの Historic シリーズの中の一枚で、425 972-2 という型番の 1962年の録音です。これについては、ジョン・カルショウの『レコードはまっすぐに』に記載の通り、ロンドン交響楽団が世代交替期にあり、最高の状態とはいえない時期であって、編集によっても改善できないミスがあったために、セル自身は発売を拒否したものだそうです。しかし、これほどの演奏解釈は、演奏の不備を補って余りあるという理由で未亡人が発売を許可した、といういわくありのもの。
演奏データからわかるように、各楽章の快速テンポが特徴的なだけでなく、セルとしては比較的身振りの大きな、ダイナミックな演奏のように思います。セルのファンにとっては貴重なものと言えます。
(*):これまでも、アバドとシカゴ交響楽団の演奏を取り上げています。