MS-DOSの時代、MS-Works2.5は驚異的に便利なツールでした。ThinkPad220 という携帯可能なサブノート型の MS-DOS パソコン上で、ワープロ、表計算、データベース、通信機能を持つ統合ソフトです。メディアはFDで、Setupディスクとプログラムディスクと学習ディスクの3枚、それに立派なマニュアルが2冊、入門ガイドと活用ガイドがついていました。特にこの学習ディスクに収められた自習プログラムが秀逸で、ハードディスク上でストレスなく Works の機能を体験できるようになっていました。データベースの機能は、ここで覚えたといってよいと思います。
Windows3.1の時代、FDは4枚に増え、マニュアルと学習プログラムは相変わらず秀逸なことに加えて、MS-Works3.0 は表現力を獲得しました。Win3.1のTrueTypeフォントを用いたワードプロセッサの機能を生かし、表計算の集計表やグラフを文書中に貼り付け、データを訂正すると報告書も変わるようにして、ずいぶん労力の軽減を図ることができました。ありがたかったのは、MS-Works2.5 の文書がほとんどそのまま引き継げたことで、文字のフォントを変えたり書体を変えたりして見ばえをよくしただけで、ずいぶん好評になりました。パソコン通信で Nifty-Serve の MS-Works会議室に定期的に出入りし、ノウハウを吸収したのもこの頃です。
Windows95/98の時代、メディアはCD-ROMとなり、マニュアルはいたって簡便なものになりましたが、MS-Works99はほぼ完成されたツールとなりました。特にインターネットでクリップアートを探し、文書中に挿入することで、センスのよい雰囲気のある文書も作れるようになりました。ワープロ文書の.WPS、表計算の.WKS、データベースの.WDBファイルなど WORKS3.0 のデータ資産をそのまま継承することができ、助かりました。マクロウィルスの心配もなく、MS-Worksの歴史上一番便利に使えた時代だったように思います。実際、このときまでのほぼ十年近い期間、MS-Worksは間違いなく私のトップツールの一つでした。
そして Windows2000/XP の時代になって、MS-Works2001 は私のトップツールではなくなりました。理由は、MS-Works の出来が良すぎると MS-Office の販売に影響が出るからと考えたのでしょうか、入門者でも扱いやすくベテランには使い慣れた「コンパクトなビジネス・ツール」から、葉書ソフトと抱き合わせた「家庭用ツール」として販売されるようになりました。ワードプロセッサ機能は Works3.0 以来の.WPSデータ資産を生かせないばかりか、MS-Works99の文書でさえ再現性が低く、前作よりはるかに完成度の低いものと感じました。ハードディスクのMS-WORKSデータ専用フォルダのうち相当数が開くことができないファイルになってしまっているとき、Windows95/98機をMS-WORKS専用機として残すべきでしょうか?答えは「いいえ」でしょう。現在は、MS-Access で管理するほどでない、個人的なデータベースのいくつかを、わずかに MS-Works2001 で継続して管理しているだけとなっています。
そして今、MS-WORKS はオンライン提供を検討されている(*)といいます。コンパクトなコードを生かし、広告つきでオンライン提供することで、WEB2.0の時代を乗り切ろうということでしょうか。長く MS-WORKS を愛用してきた者として、この愛すべきソフトウェア・ツールの行く末が気になります。
(*):マイクロソフト、WORKS のオンライン提供を検討へ~CNET Japanの記事より
(*2):と同時に、重要なデータの継承は私企業の営業戦略に左右されにくいものにすべきであるとも感じます。
Windows3.1の時代、FDは4枚に増え、マニュアルと学習プログラムは相変わらず秀逸なことに加えて、MS-Works3.0 は表現力を獲得しました。Win3.1のTrueTypeフォントを用いたワードプロセッサの機能を生かし、表計算の集計表やグラフを文書中に貼り付け、データを訂正すると報告書も変わるようにして、ずいぶん労力の軽減を図ることができました。ありがたかったのは、MS-Works2.5 の文書がほとんどそのまま引き継げたことで、文字のフォントを変えたり書体を変えたりして見ばえをよくしただけで、ずいぶん好評になりました。パソコン通信で Nifty-Serve の MS-Works会議室に定期的に出入りし、ノウハウを吸収したのもこの頃です。
Windows95/98の時代、メディアはCD-ROMとなり、マニュアルはいたって簡便なものになりましたが、MS-Works99はほぼ完成されたツールとなりました。特にインターネットでクリップアートを探し、文書中に挿入することで、センスのよい雰囲気のある文書も作れるようになりました。ワープロ文書の.WPS、表計算の.WKS、データベースの.WDBファイルなど WORKS3.0 のデータ資産をそのまま継承することができ、助かりました。マクロウィルスの心配もなく、MS-Worksの歴史上一番便利に使えた時代だったように思います。実際、このときまでのほぼ十年近い期間、MS-Worksは間違いなく私のトップツールの一つでした。
そして Windows2000/XP の時代になって、MS-Works2001 は私のトップツールではなくなりました。理由は、MS-Works の出来が良すぎると MS-Office の販売に影響が出るからと考えたのでしょうか、入門者でも扱いやすくベテランには使い慣れた「コンパクトなビジネス・ツール」から、葉書ソフトと抱き合わせた「家庭用ツール」として販売されるようになりました。ワードプロセッサ機能は Works3.0 以来の.WPSデータ資産を生かせないばかりか、MS-Works99の文書でさえ再現性が低く、前作よりはるかに完成度の低いものと感じました。ハードディスクのMS-WORKSデータ専用フォルダのうち相当数が開くことができないファイルになってしまっているとき、Windows95/98機をMS-WORKS専用機として残すべきでしょうか?答えは「いいえ」でしょう。現在は、MS-Access で管理するほどでない、個人的なデータベースのいくつかを、わずかに MS-Works2001 で継続して管理しているだけとなっています。
そして今、MS-WORKS はオンライン提供を検討されている(*)といいます。コンパクトなコードを生かし、広告つきでオンライン提供することで、WEB2.0の時代を乗り切ろうということでしょうか。長く MS-WORKS を愛用してきた者として、この愛すべきソフトウェア・ツールの行く末が気になります。
(*):マイクロソフト、WORKS のオンライン提供を検討へ~CNET Japanの記事より
(*2):と同時に、重要なデータの継承は私企業の営業戦略に左右されにくいものにすべきであるとも感じます。