電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

大邸宅と執事

2018年02月12日 06時04分17秒 | 読書
カズオ・イシグロさんがノーベル文学賞を受賞することになった時、前年のボブ・ディランに比べれば驚きは少なく、日本生まれ英国育ちの、ほぼ同世代の受賞を祝ったものでした。

ところで、大邸宅には執事がつきものです。代表作『日の名残り』は執事のスティーブンスが主人公の位置づけですが、他にも印象的な執事がいます。一例を挙げてみると:

  • ヒルトン『心の旅路』 スタートンの邸宅に古くから勤めている執事シェルダン。
  • ディケンズ『デイヴィッド・コパーフィールド』 悪友スティアフォースの家にいた執事は、エミリーの不幸の責任の半分を担っていると言うべきでしょう。
  • P.G.ウッドハウス『ジーヴズ』シリーズ。 有能な執事ジーヴズが毎度くだらない危機からぐうたらな主人を救ってさしあげる話。
  • 東川篤哉『謎解きはディナーの後で』 お嬢様と執事の話ですが、あまりお嬢様らしくないと感じます。本屋大賞受賞作。

などでしょうか。シェルダンとスティーヴンスが双璧と言うべきでしょう。

自宅の庭木や畑などの維持管理に目が届かず、いつも忙しくしている中高年にとって、執事さんの存在は羨ましい限りですが、執事を雇わなければならないほどの豪邸を持つ資産家というのも、周囲とのお付き合いが大変そうです。やっぱり、執事さんとは本の中で接するくらいが良さそうです(^o^)/

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