電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

サクランボ収穫が一段落し、ほっと一息

2018年06月23日 06時04分53秒 | 週末農業・定年農業
しばらく忙しい日々が続きましたが、我が家のサクランボ「佐藤錦」の収穫が一段落し、ほっと一息、まずは一安心です。当地では、六月の上旬から中旬にかけて一度だけ少量の雨が降りますが、その後は梅雨の中休みとかで、まずまずのお天気が続きます。この間に佐藤錦を収穫できれば、実割れ(裂果)も生じずに収穫することができますが、ひとたび雨が降れば、急激な吸水に伴う実の膨張で果皮が裂けてしまう、いわゆる実割れが発生し、商品価値がなくなってしまいますので、鉄パイプとポリエチレンシートとマイカ線を組み合わせた雨除けテントが普及することになりました。我が家でも、平成の初めころに亡父が設置し、雨の心配なく収穫できると喜んでおりました。

しかしながら、サクランボの樹よりもさらに高所でのテント作業は、大きな危険を伴います。近年は職人の不足で人件費が高騰し、以前はテントの掛け外し作業込みで1mで1000円だったのが、ここ数年は、テントの掛け外しの作業ごとにそれぞれ1mで1000円という作業単価になってしまいました。例えば50mの雨除けテントが2本あれば、1000円/m×50m×2本×2回=200,000円が毎年の固定経費として発生します。収穫の人件費に加えてテント作業の固定経費が、サクランボ果樹園の経営に赤信号となっていました。

佐藤栄助翁が佐藤錦を開発した目的が、六月下旬の降雨で実割れを生じやすい晩生種ナポレオンに対して、梅雨の中休みに収穫期を移せる品種を作り出したいというものだったそうです。自分の経験からも、この時期に当地では降雨が少ないことを感じています。であれば、晩生種の紅秀峰は別ですが、佐藤錦に雨除けテントはいらないのではないかと考えたわけです。で、昨年冬にテントの鉄骨を解体し(*1)、完全に露地栽培に戻した一年目、早めに収穫することで、降雨被害はゼロでした。また、懸念した野鳥の食害についても、テントの鉄骨という絶好の止まり木を無くしたためにねぐらを変更したのか、思ったほど大きな被害には至りませんでした。今年に関しては、当方の賭けは当たりました。万歳!

以後、テントの掛け外しの支出はなくなります。経営的には、固定コストのカットに成功したことになります。もっとも、ひとたび雨に見舞われれば収穫量の半減という事態も起こりえますが、当方はサクランボで生活を支えている専業農家ではありませんので、口惜しがりはしても、たぶんさほど深刻な打撃にはならないでしょう。経営的に少し余裕が出てきた分を、スモモや桃、プルーン等の管理に振り向けることもできそうです。どこからか、ナントカの皮算用という声も聞こえますが(^o^)/

(*1):サクランボ雨よけテントの解体が終わる〜「電網郊外散歩道」2017年12月
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