電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

映画「ある町の高い煙突」を観る

2019年06月27日 06時03分28秒 | 映画TVドラマ
東日本大震災に伴う福島第一原発の事故をきっかけに、新田次郎の原作で『ある町の高い煙突』を再読し(*1)、また映画化されることを知りました(*2)。この映画がいよいよ当地でも公開されることになり、先日、観てきました。原作をおおむね踏襲した脚本で、好感が持てる出来栄えかと思います。物語を時間内におさめるために払わなければならなかった単純化の犠牲はありましたが、大煙突が完成し煙を吐き出す場面では、じんわりと感動しました。いい映画でした。


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とはいうものの、原作のファンとしては、ストーリーの単純化のためにはらわれた犠牲を惜しむ気持ちも強いものがあります。例えば関根家の跡取り娘で三郎の許嫁である「みよ」の割愛です。加屋淳平の妹の千穂との悲恋をクローズアップするためには、みよさんの存在が邪魔になるということでしょうが、それでは村の青年たちの内部対立で窮地に立った三郎を助けるために、みよが薙刀を持ち馬に乗って駆けつけるというカッコイイ場面が見られないではないですか(^o^)/

まあ、そこは新装復刊されている原作本を読んでお楽しみいただくこととして、映画は映画として受け取るべきでしょう(^o^)/

(*1):新田次郎『ある町の高い煙突』を読む〜「電網郊外散歩道」2011年9月
(*2):新田次郎『ある町の高い煙突」が新装復刊され、映画化もされているらしい〜「電網郊外散歩道」2018年8月

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