7月25日(木):プレシャス・カルテット山形公演の後半です。曲目は、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番イ短調Op.13。この曲については、カルミナ四重奏団の演奏で親しんでおりますが、実演で聴くのはもちろん初めてです。
第1楽章:アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ。イ長調の優しい響きで始まり、イ短調の速く情熱的な主部が展開されますが、これはまさしくベートーヴェンの後期の四重奏曲を経験した若者のものでしょう。
第2楽章:アダージョ・ノン・レント。穏やかな表情で始まります。四人が互いに音を確かめながら、静謐な緩徐楽章となっています。フーガ風に展開するところは、むしろ厳しさを感じさせますが、再び穏やかな表情に戻って終わります。
第3楽章:インテルメッツォ:アレグレット・コン・モト~アレグロ・ディ・モルト。少しだけチューニングした後、三人のピツィカートをバックに、1st-Vnが親しみやすい旋律を歌います。この情感は、やや古風ではありますが、好ましいものです。そしてあの軽やかなスケルツォも見事に決まり、はじめの旋律に戻ったときには、懐かしさを感じます。
第4楽章:プレスト~アダージョ・ノン・レント。切迫した表情の音楽が、次第に高揚してフィナーレに向かうかと思わせておいて、実はアダージョに転じ、1st-Vnのモノローグの後に曲の最初の旋律が回想され、静かに印象的に終わります。
うーむ、いい演奏を聴いたぞ。良かった~。
聴衆の拍手に応えて、アンコールはピアソラの「リベルタンゴ」。これも、思わず体が動きます。大いに楽しみました。
○
ところで、もっぱらCD等の録音を通じて楽しむ素人音楽愛好家であるワタクシは、情感豊かな旋律には反応しますが、技巧的な見事さを理解することは少なく、例えばこの曲の第3楽章のスケルツォ部や、ボロディンの弦楽四重奏曲第2番の終楽章などを文章にするときに、視点に困っておりました。今回、プレシャス・カルテットの演奏を聴いていて、ふと思い当たりました。そうか、作曲家はなにも聴衆のために音楽を作っているわけではなくて、演奏者の顔を思い浮かべ、彼らが困難を乗り越える喜びを想定するところもあるのだろうし、自分自身の理論的な課題に取り組んでいるところもあるのだろう。そのような意味で、情感と技巧、感情と理性、などが交互にバランス良く登場するのだろう。楽章ごとに、優位になるものが交代したり、あるいは同じ楽章の中でも、これらがバランスを持って交替するような作りになっているのではないか。
漠然としてはいますが、まあ、そんなようなことを帰りの車の中で考えておりました。
たいへん良い演奏会でした。2nd-Vnの古川仁菜さん、もしかしたらおめでたでしょうか。元気な赤ちゃんが生まれますように、お祈りいたします(^o^)/
第1楽章:アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ。イ長調の優しい響きで始まり、イ短調の速く情熱的な主部が展開されますが、これはまさしくベートーヴェンの後期の四重奏曲を経験した若者のものでしょう。
第2楽章:アダージョ・ノン・レント。穏やかな表情で始まります。四人が互いに音を確かめながら、静謐な緩徐楽章となっています。フーガ風に展開するところは、むしろ厳しさを感じさせますが、再び穏やかな表情に戻って終わります。
第3楽章:インテルメッツォ:アレグレット・コン・モト~アレグロ・ディ・モルト。少しだけチューニングした後、三人のピツィカートをバックに、1st-Vnが親しみやすい旋律を歌います。この情感は、やや古風ではありますが、好ましいものです。そしてあの軽やかなスケルツォも見事に決まり、はじめの旋律に戻ったときには、懐かしさを感じます。
第4楽章:プレスト~アダージョ・ノン・レント。切迫した表情の音楽が、次第に高揚してフィナーレに向かうかと思わせておいて、実はアダージョに転じ、1st-Vnのモノローグの後に曲の最初の旋律が回想され、静かに印象的に終わります。
うーむ、いい演奏を聴いたぞ。良かった~。
聴衆の拍手に応えて、アンコールはピアソラの「リベルタンゴ」。これも、思わず体が動きます。大いに楽しみました。
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ところで、もっぱらCD等の録音を通じて楽しむ素人音楽愛好家であるワタクシは、情感豊かな旋律には反応しますが、技巧的な見事さを理解することは少なく、例えばこの曲の第3楽章のスケルツォ部や、ボロディンの弦楽四重奏曲第2番の終楽章などを文章にするときに、視点に困っておりました。今回、プレシャス・カルテットの演奏を聴いていて、ふと思い当たりました。そうか、作曲家はなにも聴衆のために音楽を作っているわけではなくて、演奏者の顔を思い浮かべ、彼らが困難を乗り越える喜びを想定するところもあるのだろうし、自分自身の理論的な課題に取り組んでいるところもあるのだろう。そのような意味で、情感と技巧、感情と理性、などが交互にバランス良く登場するのだろう。楽章ごとに、優位になるものが交代したり、あるいは同じ楽章の中でも、これらがバランスを持って交替するような作りになっているのではないか。
漠然としてはいますが、まあ、そんなようなことを帰りの車の中で考えておりました。
たいへん良い演奏会でした。2nd-Vnの古川仁菜さん、もしかしたらおめでたでしょうか。元気な赤ちゃんが生まれますように、お祈りいたします(^o^)/
第一ヴァイオリンの演奏を見て思い出しました・・昨年名古屋の愛知芸術劇場で黒岩英臣氏指揮ブルッフのコンチェルトを姉夫婦・主人・私で聴いたとき、独奏者のスタイルに「イナバウワーみたいだね」と義兄、「よく体反るわね~」と姉、そこで主人「ソリスト」と、、座布団1枚でございました。
きょうの目当てはメンデルスゾーン、エレガントなお嬢さん方の垢抜けた音色、そして安定したチェリストに大満足、ブラボー!!の一言でございました。
「あゆーむ」は、まだ行ったことがありません。ホールの音響が良いそうで、機会があれば行ってみたいものです。
メンデルスゾーン、良かったですね~。地元でメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲を聴くことができる幸せを感じます。そういえば、6番、1番、2番と、もう半分を聴いたことになります。