電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

通勤の車中、FM放送で「気ままにクラシック」を聴く

2010年03月16日 06時02分43秒 | クラシック音楽
冬の間は日曜の夜のうちにアパートに戻るようにしていた単身赴任生活も、春の訪れで金帰月来の生活に戻り、月曜早朝に家を出られるようになりました。通勤の車中、月曜日は NHK-FM で「気ままにクラシック」通称「気まクラ」を聴くことが多いです。3月15日は、朝7時20分から、山形テルサにおける公開収録による放送でした。

ゲストは、ピアニストの鷲宮美幸さん、ヴァイオリニストで札幌交響楽団のコンサートマスターの三上亮さんと、チェリストの遠藤真理さんです。ソプラノの幸田浩子さんが、北原白秋の詞に山田耕筰が曲を付けた「この道」を歌います。快晴の朝、郊外路を走る車の中で聴く日本歌曲は、なかなかいいものです。三上さんのヴァイオリンで、バルトークの「ルーマニア民族舞曲」、遠藤真理さんのチェロで、パガニーニの「モーゼ幻想曲」などを聴きました。

ところで、客席のお客さんに、どちらが三上さんの愛器と1万2千円のヴァイオリンかを当ててもらうブラインドテストをやっていましたが、私は音色に艶のあるAだと思いました。Bは、響きがやせているというか、いまいちな感じでしたので。でも、1万2千円のヴァイオリンでも、良いホールで名手の腕で奏されると、けっこう聴ける音で響くものだなぁとびっくりした、というのが正直な感想です。

レギュラー出演者の笑福亭笑瓶さん、ときどきスレスレのきわどいツッコミでハラハラさせることもありますが、そこはお笑いの方の強みで許されるのですね。女性に年齢のことを尋ねたり、楽器を見るとすぐお値段のことを聞いたり(^o^)/
関西系のえげつなさを時おり感じさせながらも、逆に幸田浩子さんの「天然」っぽいディーヴァらしさを中和して庶民の味を出してくれる、得がたい個性だと思います。
先日の広上淳一さんといい京都市交響楽団の演奏会における「ロザン」の活躍といい、クラシック音楽と「お笑い」というのは、案外いい関係になれるのかも、と感じました。

写真は、某日の朝食です。例によってチンゲンサイとしめじと豚肉のソテー、海苔、白菜の漬物、ごはんと(ナメコ+豆腐)のみそ汁です。朝はしっかり食べて行きます。健康と元気の秘訣でもあります。
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晴天の下、サクランボの剪定をする

2010年03月15日 06時06分29秒 | 週末農業・定年農業
好天に恵まれた日曜日、午前・午後とサクランボの剪定に精を出しました。今年は、妻もサクランボの剪定講習会に参加し、他の園地の剪定の状況が気になっている様子。よその畑を遠目に見ながら、なるほど、こんなふうにするのか、と参考にします。老父の病気以来、ほとんど放置してきた木にハサミと鋸を入れていきます。小枝は剪定ハサミで、幹や太めの枝はノコギリで、混み合っているものや直立しているものなどを全体のバランスを取りながら切り取っていきます。

幹や太めの枝を切り取ったときは、枯死を防ぎ、早期癒合を促すために、トップジン・ペーストを塗布します。脚立を上り下りしながら上ばかり見ているために、足だけでなく、なんだか首まで痛くなりました(^o^)/

一日働いて疲れたので、ごはんを作るのも億劫になり、久々に外食。「とん八」で平田牧場の三元豚を使用しているというトンカツを食べました。いやー、ボリュームがありすぎて、もう満腹です。とてもこれ以上は食べられません。おかわりなんてとても無理、考えただけでげっぷが出そうです(^o^)/

でも、なんとか健康で、夫婦そろって一緒に農作業を楽しむことができる幸せを感じます。


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山響第203回定期演奏会「ペテルブルクの栄光」を聴く

2010年03月14日 07時02分35秒 | -オーケストラ
週末の土曜日、確定申告の書類をようやく完成・提出し、税務署から県民会館へまわりました。ホールではすでにプレ・コンサート・トークが始まっており、指揮者の広上淳一さんと第1ヴァイオリンの城さんと本日のソリスト高木和弘さんの三人が話をしていました。話題は、父娘関係について。広上さんは、まだお子さんが小学生なのだそうで、仕事で休日に家にいないものだから、父娘関係が「微妙」なのだそうな。「大きくなると修復できるものですか?」と城さんに質問すると、「はい、自分も同じ仕事をするようになって、お父さんも苦労してたんだなぁ、と。」
広上さん、今度は高木さんに振ります。高木さん「グラズノフの協奏曲は、実は初めて。京都まで行って、師匠の森先生に見ていただいたり、せいいっぱいやりました。アラもあるかもしれないけど、聴いてください」とのこと。広上さん、「今、彼はいい演奏してますよ~」とのことです。ずいぶんラフな服装の広上さん、最後に「ちゃんと着替えて来ますから」と客席の笑いをとっていました。

本日のプログラムは、

(1) グリンカ 「カプリッチョ・ブリルランテ(ホタ・アラゴネーサ)」
(2) グラズノフ 「ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品82」
(3) リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」作品35
指揮:広上淳一、独奏ヴァイオリン:高木和弘

の3曲。「ペテルブルグの栄光」というテーマのとおり、ロシア音楽を集めたプログラムになっています。

ステージ上には、左から右へ第1Vn、第2Vn、チェロ、ヴィオラが並び、その横にコントラバスが4本。中央部奥の方へ、ピッコロ、フルート、オーボエ、その奥にクラリネットとファゴット、さらにその奥へ金管楽器群が並びますが、やや大ぶりのバス・トロンボーンとチューバが目立ちます。左手には、手前からハープ、各種パーカッション、奥にティンパニが配置。コンサートマスター席には、犬伏亜里さんが座りますが、客演奏者の方も入っているようで、いつもとは顔ぶれがやや違うところもあるようでした。

さて、最初はグリンカの「カプリッチョ・ブリルランテ(ホタ・アラゴネーサ)」から。アラゴン風ホタ舞曲による輝かしい奇想曲、といった意味でしょうか。寒かったのか、出だしの金管がやや不安でしたが、弦楽が入るころから調子が出てきます。広上さんの指揮ぶりも、見ていると棒の振り分け方がおもしろく、実に楽しそうです。シンバルも加わって、最後は賑々しく終わります。LPやCD等を含めて、今回、初めて聴きました。レコード盤歴は長くとも、意外にこういう小曲は親しむ機会が少ないのかもしれません。

チューニングのあと、本日のソリスト・高木和弘さんと指揮者の広上さんが登場。グラズノフのヴァイオリン協奏曲です。1904年の作といいますから、文字通り20世紀初頭の作品。前半は、旋律が美しく、オーケストラの響きも叙情的なものです。カデンツァは素晴らしかった。聴衆がしーんとして、聴きほれているのがわかりました。後半は、帝政ロシアの盛装した正規兵の登場みたいにオーケストラが入ってくると、活発なリズム、技巧的なパッセージも頻出し、現代性は後退するかわりに、伝統に直結したものを感じます。なるほど、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番も、この伝統の上にあるのだな、と納得。

拍手に応えて、高木さんもちょっと迷ったふうでしたが、アンコール。なんと、ヴァイオリン一本でシューベルトの「魔王」を。うーん、初めて聴きました。思わず絶句!
長さ的にも重さ的にも、ちょっとアンコールの曲ではなくて、正直リサイタルの曲目のような気もいたしますが、でも当日の客としては、なんだか得したような気分です(^o^)/

休憩時間にロビーで熱いコーヒーをいただき、後半のプログラムは、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」です。この曲の背景(*)については、以前にも記事として取り上げたことがありますが、今回は高木和弘さんがコンサートマスター席に座ります。隣の犬伏さんとニコニコ話をしている高木さん、本日も大活躍ですね。

第1楽章:「海とシンドバッドの船」、チューバ、バス・トロンボーンの威力を感じさせる開始です。冒頭のヴァイオリンとハープの旋律が聞こえてくるだけで、もう気分はアラビアンナイトの世界。広上さんの指揮は、寄せては返す海の波のような堂々たるテンポで、オーケストラの響きは澄んでおり、健気で清純なシェエラザード姫のようです。決して脂粉の香りぷんぷんの妖艶な女性ではありません(^o^)/
第2楽章:「カランダール王子の物語」。再びヴァイオリン・ソロとハープから。高橋さんのファゴットがお見事!この旋律が、けっこう好きなんですよ~。オーボエ、ヴァイオリンと受け継がれ、やがて金管の進軍ラッパ(?)が聞こえてきます。弦のピツィカートの中で、見事なクラリネット・ソロ。ゆっくりした進軍ラッパが次第に速度を増してきます。弦のピツィカートの中で、ファゴットとピッコロ&フルートの鋭い音の対比。フルートにも、女性の客演奏者が入っているようです。高木さんのヴァイオリンからホルンへ、そしてチェロへと旋律は受け継がれ、曲は大きく盛り上がって終わります。
第3楽章:「若い王子と王女」。ああ、いい音色です。山響の弦の魅力です。コントラバスとチェロのパートが、気持ちよさそう。ヴィオラも加わり、フルートの名技の中でヴァイオリンも参加し、波が寄せてくるように奏されます。小太鼓とトライアングルをバックに、リズミカルな曲調に変わると、少しだけヴィヴラートをかけた高木さんのヴァイオリンとハープの対話が再現され、洒落て終わります。そうですね、高木さんのシェエラザード姫は、手練手管の年増タイプではなく、少女から大人の女性に移ろうとする頃のような、健気でチャーミングな印象かも(^o^)/
第4楽章:「バグダッドの祭、海、青銅の騎士のある岩にての難破、終曲」。オーケストラがフルに活躍。色彩的な管弦楽の世界です。鳴り物も要所で活躍。作曲者は、軍楽で頻繁に使われたためか、小太鼓が好きのようですね。指揮者は全休止を効果的に使い、テンポをはやめて興奮と緊張感を高める手法を取っていると見ました。バスドラムの低音がズズンと腹に響き、大岩にくだける波や雷鳴、難破を表しているのでしょう。やがて、シェエラザード姫と王の和解が成ります。めでたしめでたし。拍手、拍手です!

なかなか拍手が止まない中、指揮者の広上さん、ソロを担当したクラリネット、ファゴット、オーボエ、フルート、ホルン、トロンボーン、トランペット、ハープ、チェロ、そしてヴァイオリン(高木さん)を立たせて、拍手を受けさせます。その後、オーケストラ全員を起立させ、努力を讃えます。で、広上さんご自身は?「ボクは帰っていっぱいやって寝るよ!」というようなポーズを見せて、聴衆の笑いの中で退場していきました。ああ良かった、楽しかった!いい音楽を聴きました。広上さんには、ぜひまた登場していただきたいものです。

写真は、ファン交流会でインタビューに答えている様子。なにせテーマが「ペテルブルクの栄光」ですから、すごい完全防寒スタイルでも寒い寒いを連発していましたね。そうかなぁ、当方はだいぶ暖かくなってきたと感じているんですけれど(^o^)/



(*):リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」を聴く~「電網郊外散歩道」
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確定申告の整理作業を進める

2010年03月13日 07時01分57秒 | 週末農業・定年農業
確定申告の時期です。毎年のことながら、農業所得の申告のために、収支決算を出さなければなりません。肥料もやらず、十分な剪定もできませんでしたので収量も少なく、自宅裏の園地の雨避けテント作業の人件費などで少々赤字です。伝票や領収書を整理していると、いろいろなことが見えてきます。グラフは、ある日の出荷額を地元農協と某集荷業者とで比較してみたものです。

ごらんのように、手数料や運搬料がずいぶん高いうえに、キロあたり単価に相当の差があります。平日は私が単身赴任で不在ですので、集荷業者に取りに来てもらっていたために、こんな結果になりました。なるほど、同じものなのに単価がこれだけ違うのですから、集荷業者はサクランボ御殿が建つわけです(^o^)/

週末には、軽トラックで私が農協まで運搬しましたので、その分だけ有利でした。どこへ出荷するかで、だいぶ違ってくるのですね。今年はどうするか、妻と相談して方針を立てることといたしましょう。

さて、確定申告の期限は15日。なんとか今日中に提出(送付)し、山形交響楽団の定期演奏会に出かけたいものです。
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この忙しいときに電話が不通!

2010年03月12日 18時08分37秒 | Weblog
年度末進行の忙しいときに、自宅の「ひかり電話」が不通に!いくらかけても「故障しています」とのこと。仕方がないので、自宅に戻り、点検をしましたが、ルータまでは問題なし。ちゃんと ping も通ります(*)。でも、受話器を上げても「ツー」という音が聞こえません。これは、専門家の力を借りるべき事態と判断し、フレッツ光サービスの故障対応に携帯で電話して、留守録音に事情を説明したところです。さて、対応はいかに(T-T)
(この記事は、単身赴任アパートからです。)

(*):ルータまでの回線の接続状況は、例えば ping 192.168.XX.XX (XXはルータのアドレス) でわかります。

【追記】
業者さんの対応をしてくれた老母の話では、ネズミか何かがかじったみたいだそうで、ケーブルの被覆が損傷しているところがあったそうです。不可抗力ということで、無償修理になりました。
しか~し!ネコが二匹もいて、おまえたち、何をしていたんだ!



春眠暁を覚えず、だそうで(^o^;)>poripori

さて、明晩は山形交響楽団の第203回定期演奏会の予定です。「ペテルブルグの栄光」と題し、広上淳一さんの指揮、高木和弘さんのヴァイオリンで、グリンカの「ホタ・アラゴネーズ」、グラズノフの「ヴァイオリン協奏曲」、リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」の3曲。場所が県民会館というのが少々腰が痛いですが、曲目は今から楽しみです。座布団持参で行こうかな(^o^)/
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久方ぶりにスーツを新調する

2010年03月11日 06時10分19秒 | Weblog
春ですので、久方ぶりにスーツを新調しました。お店の初老の男性店員に見立ててもらって、紺色の三つぞろいです。既製品でも、まるで誂えたようにぴたりと合うというのは、実に経済的。昔と比べると、やっぱり年齢相応にお腹も出て来ているのは間違いないのですが、標準サイズが選べるのはやっぱり BMI=22 を維持しているおかげでしょう。ポイントが少々たまっていましたので、ついでにネクタイも一本追加しました。少~しパープルがかった明るいストライプです。
そういえば、最近は農作業用の作業着を新調したくらいで、スーツを買ったのは久しぶりのような気がします。春の陽射しに気分も若返って、お出かけしたくなります(^o^)/

いやいやその前に、農業所得の確定申告と果樹園の剪定をしなければ。
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和田茂夫『手帳とノート・魔法の活用術』を読む

2010年03月10日 06時10分52秒 | 手帳文具書斎
技術評論社の単行本で、「仕事と人生がシンプルになる!」という副題の付いた、和田茂夫著『手帳とノート・魔法の活用術』という本を読みました。なにを今更ハウツー本を、と笑われそうですが、先日ふと出かけた図書館の総記の棚を眺めていたら、『手帳とノート』という単語の組み合わせに、触覚がピピッと反応しまして(^o^)/

本書の構成は、次のようになっています。

プロローグ 手帳とノートで仕事と生活が楽しくなる
第1章 「手帳&ノート」の使えるシステムをつくろう
第2章 時間と仕事を思いどおりにする手帳術
第3章 半分の手間で効果を倍増させるメモの技術
第4章 "人生の財産"になる「ノート」のつくり方
第5章 手帳・ノート・メモはこうして選ぶ
エピローグ あなたのベストはどの組み合わせ?


今更ですが、あらためて「これは便利だな」と確認したのは、こんな点でした。
(1) 予定は二重線の矢印で、前後の移動や準備は一重線の矢印で表す、という表記法
(2) スケジュールの対向位置に ToDo リストを配置するという考え方
(3) 電話の前に内容をノートに整理する。相手の回答を記入するらんをあけておく。
(4) ノートは自分の知識と経験を蓄積する「知的財産」という位置づけ
(5) 手帳は「ダイアリー、ToDoリスト、メモ」の三つが基本だ、という割り切り

手帳とノートを組み合わせる、という発想は、まさにオーソドックスなもの。手帳に書くべき事項を、スケジュールとToDoリストとメモとし、その他の様々なノウハウや発見を整理してノートに蓄積していくという考え方は説得力があります。また、「手帳&ノートのシステムは、まるっきりゼロベースから考えるより、いま現在使っているものをベースにしたほうがうまくいくことが多い」(p.69)という指摘も、そのとおりだと思います。

ただし、副題から見て当然のことながら、内容はビジネスマンのマネジメントと自己啓発に適合する例が多く示され、ブロガーのプライベートにおける記事ネタ蓄積などは想定されておりません(^o^)/
したがって、エピローグ「あなたのベストはどの組み合わせ?」でも、当方のようなバイブルサイズのシステム手帳(*1)と小型ノート(*2)の組み合わせなどは、全く例示されておりません。

当方、ブログに山形交響楽団や山形弦楽四重奏団などの演奏会レポートを書くために、ステージ上の楽器配置の図解など、なぐりがきでメモする量がかなり多いものですから、バイブルサイズのシステム手帳では横幅が足りず、かといってA5判のシステム手帳では大げさ、大きすぎます。それが、バイブルサイズのシステム手帳とほぼ同サイズの小型ノートとを組み合わせる、という流儀になっている理由です。

また、綴じ手帳とシステム手帳については、当方もしばらく綴じ手帳に戻った時期がありましたが、綴じ手帳ではカード類や現金(お札)を一緒にしておくのが難しい。そんな点からも、やはりシステム手帳と小型ノートという組合せになっている、というところでしょうか。

(*1):バイブルサイズのシステム手帳の中身~来年の手帳のこと~「電網郊外散歩道」2008年10月の記事
(*2):備忘録用の小型ノートの選択肢~「電網郊外散歩道」2009年9月の記事
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キングジムのB6判カバーノートを見つける

2010年03月09日 06時02分46秒 | 手帳文具書斎
図書館に本を借りに行った帰りに、いきつけの文具店でキングジムの B6 判カバーノートを見つけました。"Lezaface" Note Cover No.1981 LF という品番で、レザーフェースではなくてレザフェスだそうな。長音を省略するという流儀も、ここまでくるとなんだか不思議な感じです。なにはともあれ、先日来コクヨの Systemic にはなぜハンディな B6 サイズがないのだろうと不思議に思っていましたが、ようやく希望のものが見つかったことになります。

表紙は合成皮革で、ファスナーのついた小物入れが目を引きます。付箋やシールなどを入れるには良さそうです。年甲斐もなく、Dell のネットブック Inspiron Mini10v の色に合わせて「赤」を選び、購入してきました。希望価格1,400円のところ、1,176円で購入。ちょいと嬉しい(^o^)/



B6サイズのノートが左右に一冊ずつセットできますが、試してみたら片方にらせん綴じキャンパスノートを入れても大丈夫のようでした。しおりひもが二本付いているほか、開いたときに左側にあたる表紙に、仕切り用のフラップが付いています。このフラップは透明なプラスチック板ですので、付箋を貼って ToDo リストとして使用するという想定のようです。なかなかいいアイデアだと思います。



裏表紙にあたる右側には、ゴム編みで伸縮性のあるペンホルダーと、カード用のスリットが付いたメモポケットが付いています。左右どちらも、ノートの代わりに、上にめくるタイプのメモパッドを装着することも可能です。



この一月に発売されたばかりのようで、ブログ記事にも、まだユーザーレビューは少ないようです。行きつけの文具店は、こうした製品をすぐ取り入れ、なかなか研究熱心です。田舎でも、こういう専門店があると本当にありがたいものです。
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『ワーキングプア~解決への道』を読む

2010年03月08日 05時57分40秒 | -ノンフィクション
ポプラ文庫で、NHKスペシャル取材班編『ワーキングプア~解決への道』を読みました。前回の記事『ワーキングプア~日本を蝕む病』(*1)の続きです。



本書の構成は、次のとおり。

I "非正規大国"~韓国
II "ワーキングプア先進国"~アメリカ
III 貧困の連鎖を防げ~イギリス
IV 模索する現場~日本
V 解決へ~つながり始めた人々
VI 今、この国がなすべきこと


前著では、「働いても働いても、もう生きていけない」という現実を、リアルに描いていましたが、今回は「解決への道」を探るものです。

韓国の章は、記憶に残るIMF危機を、非正規雇用を拡大し人件費を大幅に圧縮することで見掛け上乗り切った経緯とその後を描きます。
米国の章では、インドへのアウトソーシングで職を失ったIT技術者の姿と医療保険制度の問題点を描きながら、ノースカロライナ州における取組などに、ワーキングプア対策のセーフティネットづくりのヒントを示します。
英国の章では、世代を超えた貧困の連鎖を断ち切る政策の試みを探ります。
世界のワーキングプアの現状と対策ルポを通じ、日本の現状に警鐘を鳴らしながら、では日本ではどうなのか、その例として、釧路市の取組を紹介しています。

前書及び本書を読み、夢中で生きてきた近年の社会変化の大きさを、あらためて痛感させられました。

そういえば、誰かにこんな話を聞いたことがあります。母親が病気になり、生活保護を受けていた母子家庭で、働きながら定時制高校に通いはじめた息子が、手にしたバイト代6万円から2万円を残し、生活保護基準を上回る分として回収されていたのだそうです。働けば自分も母親もその分だけ豊かになれるのではなく、いくら働いても二万円にしかならないのであれば、少ししか働かない方が楽です。もし事実だとしたら、将来ある若者に、働かない方が楽だと教えてしまう制度になってはいないのか。伝聞ですので、あるいは当方の勘違いなのかもしれませんが、たぶん学校の教育では解決できない、生きる姿勢の根本に関わる問題のように思います。

もしかしたら、自分もその境遇にあったかもしれない若い時代の危機を思うと、息子たちの世代が、未来に希望を託せる社会であってほしいと痛切に願わずにはおれません。

(*1):『ワーキングプア~日本を蝕む病』を読む~「電網郊外散歩道」
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ママ、ねむたいよ

2010年03月07日 06時35分26秒 | アホ猫やんちゃ猫
室内にそそぐ春の日差しはうらうらと、お昼寝が気持ちいい季節です。我が家のアホ猫母娘も、そっくりの恰好で眠っております。この様子ならば、気づかれないように撮影するのも容易です。

ママ、なんだか眠たいよ~。


んー、勝手に寝てなさい、アタシだって眠いんだから。


アホ猫母娘の平和なお昼寝。
おや、飼い主はどうしてるのかな(^o^)/

いや、この後は、カメラがちょいと不調になりまして(^o^;)>poripori
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モーツァルトのピアノソナタ第11番K.331「トルコ行進曲」を聴く

2010年03月06日 06時17分18秒 | -独奏曲
映画「のだめカンタービレ最終楽章・前編」で、のだめチャンが進級試験で弾く自由奔放なモーツァルトに魅了されました。今までもこの超有名曲を聴いてはきたものの、中学の音楽の鑑賞曲で、試験で歌わされた階名唱の記憶だけがやけに強かったのですが、どうやらこんどは、のだめチャンの映画の場面が刷り込まれたようです(^o^)/
演奏は、例によって若きマリア・ジョアオ・ピリスのデジタル初期の録音(DENON COCO-6790)で聴いております。

第1楽章:アンダンテ・グラツィオーソ、8分の6拍子、変奏曲。シンプルな主題が、短調変奏や、アダージョ、アレグロなどにテンポを変えるなど、さまざまに変奏されます。なんとなく、ピアノのおけいこを連想してしまうのですが、でもピリスの演奏は見事です。
第2楽章:メヌエット、イ長調、4分の3拍子。CD に添付の解説書によれば、モーツァルトのピアノソナタでメヌエットは珍しいのだそうな。でもなかなかすてきな音楽で、この楽章、私は大のお気に入りです。とくに、調が次々に変わっていくさまは、実に見事。
第3楽章:イ長調、4分の2拍子、トルコ行進曲ふうに、アレグレットで、ロンド形式。「どこがトルコ風なんじゃ!」と思わず叫びたくなりますが、言わずと知れた超有名旋律ですので、「こういうのがトルコ風なんじゃ!」と言い返されそう(^o^)/
「のだめ」の映画では、ランランが演奏していたのだそうですが、実に見事な、自由奔放なモーツァルトになっていました。この曲の場面で、当方、不覚にも思わずうるっとなってしまいました(^o^)/
ピリスの演奏は、あれほど奔放ではありませんで、もっと落ち着いたものです。でも、モーツァルトの音楽の躍動感はちゃんと伝わります。

作曲年代は、近年は1783年とされてきているようです。時期的にみて、たぶん歌劇「後宮からの誘拐」とのメディア・ミックスをねらったものなのでしょう。アマチュア向けに易しく書かれているそうですので、そういった狙いは十分に考えられると思います。でも、そういう意図を超えて、聴き始めるとなんとも素敵な音楽です。

録音は、1974年1月~2月にかけて、イイノ・ホールで行われたのだそうで、ヘンレ版を使用したモーツァルトのピアノソナタ全集の中の一枚です。この全集は、1976年ADFディスク大賞、1977年エディソン賞を受賞しています。1974年といえば、PCM録音機の2号機の頃にあたります。DENONでさえ、アナログをデジタルに変換するA/Dコンバータがまだ手作りだった時代。デジタル技術やコンピュータ・テクノロジーが急速に発達した時代。あれはどなたの発案だったのか、大学では、情報科学特論などといった科目が、単位外で開講されておりました。当方も、計算機科学に興味を持ちながらも、大型計算機センターに一台だけの状況では、学生が自分で触ることはかなわず、パーソナル・コンピュータの出現を待たねばなりませんでした。このあたりの記憶はやけに鮮明です。

■マリア・ジョアオ・ピリス盤
I=14'37" II=6'22" III=4'28" total=25'27"
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『ワーキングプア~日本を蝕む病』を読む

2010年03月05日 06時22分45秒 | -ノンフィクション
NHKスペシャル取材班による『ワーキングプア~日本を蝕む病』を読みました。この番組は、残念ながら見ておりませんが、単行本が出て話題になっていることは承知しておりました。このたび、ポプラ社からポプラ文庫で出ていたのを見付け、購入して読んでみたものです。漠然とは感じておりましたが、現在就職活動中の息子がもう少しすると出ていかなければならない社会が、なんとも大変な変貌をとげていることを、あらためて知ることとなりました。

本書の構成は、次のようになっています。

I 「貧困」の闇が広がる日本
II ホームレス化する若者
III 崩壊寸前の地方
IV 夢を奪われた女性
V グローバル化の波にさらわれる中小企業
VI 死ぬまで働かざるをえない老人
VII 荒廃を背負う子ども
VIII 現実に向き合う時


全給与所得者の5人に1人(21.8%)は年収二百万以下、若者の4人に1人は非正規雇用、そして女性給与所得者の約4割が年収200万円以下で、急増する外国人労働者が賃金水準をさらに押し下げるという現実に、あらためて愕然とします。正社員になれない若い世代の現実が、出生率の低下や教育に関する国際調査の地位低下などになって表れており、雑誌や新聞の購読率の激減なども、たぶん同じ文脈の中でとらえることができるのでしょう。

考えてみれば、当方も大学在学中に父親が吐血し、胃切除手術を受けなければならない事態になりました。今になって思えば、あれが原爆症由来の消化器系癌の闘病生活の始まりだったのでしょう。以後、寝たきりの祖父、全盲の祖母を含む家族の生活を支える責任は、私にかかってきました。当時、進学が決まっていた某大学院には診断書を添えて入学辞退を出し、思い切り方向転換しましたが、たまたま就職できたから良かったものの、もしあのとき就職することができなかったら、一家の生活は破綻していたことでしょう。セーフティ・ネットの弱い社会における生活の危うさは、とても他人事とは思えません。

昔から、病気と貧困は連鎖しています。平均的な生活水準が上昇することで、特効薬以上に疾病率が低下してきたことは歴史が示すところでしょうが、そういう統計的なことばかりではなく、働き手の病気がしばしば一家の運命を変える例は、どなたでも身近なものとして挙げることができるはず。健康で働けることを感謝しつつ、息子たちの世代が将来に希望を描くことができる社会であってほしいと願うばかりです。
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「魔笛」のDVDを見つけて購入する

2010年03月04日 06時14分52秒 | クラシック音楽
先日、映画「花のあと」を見るために出かけた折に、ケネス・ブラナー監督作品「魔笛」のDVDを見つけ、購入してきました。4,935円也。なんでも、初回限定のメイキング映像なども入っているとかで、ちょいと嬉しい。

そういえば、この映画「魔笛」を映画館で観たのはいつだったろう。とても面白かったという記憶は鮮明ですが、いつ頃だったのか、どうも定かではありません。記憶より記録、そんなときには、当ブログを「魔笛」で検索するに限ります。

なになに、2007年の9月(*1,2)ですか。うーむ、あれからもう2年半も経っているのですね。
年度末のあわただしさの中ではありますが、時間を見つけて、再度、観てみましょう。

(*1):映画「魔笛」を見る(1)~「電網郊外散歩道」より
(*2):映画「魔笛」を見る(2)~「電網郊外散歩道」より
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春の運転は注意深く

2010年03月03日 06時25分23秒 | 季節と行事
外の風はまだ冷たいのですが、陽射しはぽかぽかと暖かく、運転中もつい眠気に誘われて危険な季節となりました。某氏も、ついうっかりと片側二車線の道路と勘違いして、対向車線を走ってしまったそうな。同乗者に注意されて我に返ったそうで、あぶない、あぶない。うっかりやらかしそうで、私も気をつけなければいけません。

春はまた、若者が免許を手にどっと道路に登場してくる季節でもあります。ジコチューが事故中にならぬよう、じゅうぶんに注意して運転してほしいものだと思いますが、私たちもまた防衛運転を心がける必要がありそうです。

当方の Nissann TIIDA Latio セダンの冬季間の燃料消費率は、平均して 16.7~8km/l でありました。夏場の 20km/l超の結果を思えば、冬タイヤの摩擦抵抗の大きさもあり、数値的にはまだまだですが、それでも立派なものです。春、タイヤ交換をする時期が待ち遠しいこのごろです。
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藤沢周平原作の映画「花のあと」先行上映を観る

2010年03月02日 06時12分20秒 | -藤沢周平
前日に久々の週末農業で働いた骨休めの日曜日、妻と映画を観に出かけました。お目当ては、もちろん山形で先行上映の「花のあと」です。藤沢周平原作の『花のあと』についてはすでに記事としており(*1)、映画の完成を楽しみに待っておりました。なんでも、27日の土曜日には、主演の北川景子さんの舞台挨拶も予定されていた(*2)のだそうで、すでに予約がいっぱいで、やむなく日曜日に延期したという次第。

映画は、前半は実に淡々と、静かに日常が描かれます。海坂藩の組頭・寺井甚左衛門の跡取り娘である以登は、女ながら父に仕込まれた剣術の腕では男にひけをとりません。藩内の道場に試合を挑み、ことごとくしりぞけるほどの技倆です。でも、残念ながら当日は、道場の筆頭である江口孫四郎は不在、なんとか試合をしたいと願っていたその人に、二の丸の花見の折りに話しかけられ、念願の手合せが実現することとなります。

組頭の家で息女と立ち合う試合の日、好漢・江口孫四郎は、以登を女だからと侮ることなく、見事に勝利をおさめます。しかしその立ち居ふるまい、実にすがすがしく、さすがに男勝りの以登さんも、思わずぽーっとなってしまいます。しかし父は、片桐才助という男を以登の婿に選び、以後、娘が孫四郎と会うことを禁じます。また、孫四郎のほうにも縁談が起こっていたのでした。

孫四郎のほうの縁談とは、とかく男の噂の絶えない奏者番の娘・加世との縁組でした。噂の男とは、17歳も年上の藤井勘解由で、策略を用いて孫四郎を切腹に追い込みます。あのステキな孫四郎さんが切腹したには裏があるに違いないと信じる以登さんは、江戸から戻った婚約者の片桐才助に頼んで、真相を探らせます。それはなんとも卑劣な、色と賄賂にまみれたものでした。上役に訴えても、執政たちが賄賂にからめ取られている現状では、握りつぶされるのが落ちです。以登は、自力で仇を討つことを決意します。

ということで対決場面になるわけですが、これは観てのお楽しみ。原作との違いで興味深かったのは、父・甚左衛門の碁敵の老医師の飄飄とした味でしょう。護衛の三名を倒し、藤井勘解由をもただ一突きで仕留めた腕前に感心しながら、誰だろうと不思議がりますが、突然「あ!」と思い当たるのです。たぶん、負傷した以登さんの腕の傷を治療しているからでしょう。父親の少しく誇らしげな表情も含めて、あの場面は映画ならではの秀逸さでした。

原作の剽軽な味わいを醸し出している、祖母さまの語り口ですが、映画では藤村志保さんが担当しておりました。芸能スポーツ領域にはとんと疎い当方も、さすがにこの方は存じております。「この祖母(ばば)に、あろうことか七人の子を生ませ」などのユーモラスな味わいを、見事に語っておりました。また、片桐才助役の甲本雅裕さんの笑顔は、なんとも言えず憎めないものです。それだけではなく、不思議な包容力と人徳もあり、また探索の要領も粘り強さも持ち合わせており、さすがは寺井甚左衛門が見込んだだけのことはあります。と同時に、律義で清廉な江口孫四郎の限界も、甚左衛門は見ていたことになるのでしょうか。

主演の北川景子さん、はじめのほうで木刀を振る場面は、おいおい、もうすこしちゃんと振らなきゃだめでしょ、と思ってしまったのですが、後半の真剣を持った場面などは、かなりまともに振り回していました。映画「武士の一分」の木村拓哉さんの刀さばきは実に見事でしたが、北川さんは剣道の経験はほとんどないはず。役者さんの仕事の一部とはいえ、それっぽく見えるにはかなり道場に通い、練習を積まなければだめだったろうと思います。その努力は、たいしたもんです。

(*1):藤沢周平『花のあと』を読む~「電網郊外散歩道」より
(*2):花のあと 山形キャンペーン~Keiko's Blog 北川景子オフィシャルブログより
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