電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

スコット・ローゼンバーグ『ブログ誕生』を読む

2019年08月16日 06時04分19秒 | -ノンフィクション
2010年の冬にNTT出版から刊行された単行本で、スコット・ローゼンバーグ著、井口耕二訳『ブログ誕生』を読みました。「総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア」という副題を持つ本書は、現題を『say everything』といい、「HOW BLOGING BEGAN, WHAT IT'S BECOMING, AND WHY IT MATTERS」という副題を持っていたようですが、邦訳の副題の方が本書の意図するところをよく表しているのかもしれません。
第1部「パイオニア」で、1990年代のWEBにおけるジャスティン・ホールやデイブ・ワーナー、ジョーン・バーガーらの先駆者が描かれます。第2部「拡大」では、しだいに拡大していくブログの熱狂とでも言えばいいのか、2000年代の前半のブログ拡大の様子が、どちらかと言えばジャーナリスト的視点で描かれます。
第3部「ブログのもたらしたもの」。ここは、「ジャーナリスト対ブロガー」、「誰もがブログを持つ世界」、「未来につながるかけら」の三つの章からなります。

うーむ、アメリカと日本の違いなのか、ジャーナリスト的視点とアマチュア愛好家の違いなのか、「へぇ~、そうだったのか~」と思うところと、「そんなことは考えたこともないなぁ」と呆れるところと、様々な感想が去来します。

例えば、世の中にはふだん全く筆記具を持たない人がおおぜいいることを実感として知っていれば、「誰もがブログを持つ世界」だの「総表現社会」なんて発想はそもそも出てこないでしょう(^o^)/
ヘザー・アームストロングの言葉(p298)を待つまでもなく、インターネットに仕事について書くのはやめたほうが良い。同僚や上司にはばれるものですし、職業上知り得た秘密に触れてしまう危険性は常にあるものですから、最悪の場合、職を失う覚悟が必要です。

また、「べき乗則、ウェブログ、そして不公平さ」(p275)という言葉について、ごく少数の人がアルファブロガーとして多数の読者を集めるけれど、その他の大多数の人々はロングテールとなってごく内輪の読者しか得られない、ということを「不公平」だと感じたことは一度もありません。むしろ、あまりに多くのレスポンスがあると私生活を破壊しかねないため、コメントやトラックバックについても、ほどよい適量というものがあるのではないか、とさえ書きました(*1)。要するに、積極的に目立とうと思う人と、あまり目立ちたくないと考える人とでは、ブログに対する考え方が違うのではないか。ジャーナリストは目立ってなんぼ、自分の主張を積極的に展開するための手段としてブログ等を考えていたのでしょう。だから、思うほど社会的効果が大きくないとか、アマチュアの域にとどまってしまう限界性とか、感じてしまうのでしょう。

当ブログ「電網郊外散歩道」は、天下国家を論じたりすることはせず人畜無害に、ぎらぎらした「主流」の道を離れ、電網世界の「郊外」をのんびりと散歩するというイメージで始めたものです。郊外にも魅力的な風景があるように、15年目を迎えた今、自分自身の個人的記録、備忘録としてけっこう役立っており、他の人にも参考になればなお幸い、というスタンスを守っています。肩に力を入れて始めていたら、今までとても続かなかったことでしょう。これでよかったと思う今日この頃です。

(*1):コメントもTBも適量があるのかもしれない~「電網郊外散歩道」2005年10月
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ハイドンの弦楽四重奏曲全集から作品17の6曲を順に聴いています

2019年08月15日 06時01分14秒 | -室内楽
夏の盛りです。この時期は、日中は猛暑でとても畑仕事などできません。亡父と同じく涼しいところでうとうとして、早朝と夜にはいくぶん涼しさを感じながら、静かに音楽を楽しみます。ただいま、ハイドンの弦楽四重奏曲全集から作品17の1〜6を順に聴いているところです。Festetics Quartet による演奏で、このへんの時期のものは他の演奏を知りませんが、活気ある現代的な演奏と言ってよいのでしょうか。Ubuntu-Linux PC を中心とした簡易なデスクトップ・オーディオで、接続したミニコンポから流れる音楽は、中高年には実に好ましいものです。

ところで、作品17は次の6曲からなります。

Op.17-1 第18番 ホ長調
Op.17-2 第17番 ヘ長調
Op.17-3 第21番 変ホ長調
Op.17-4 第19番 ハ短調
Op.17-5 第22番 ト長調
Op.17-6 第20番 ニ長調

何度か通して聴きましたが、Op.17の4、第19番がハ短調という調の魅力と、Op.17の6、第20番の充実感が印象的。あとは、Op.17の1、第18番あたりもつい選んでしまいます。このへん、通勤の音楽ではなかなか把握しきれないところです。カーステレオでは、「あれ、今聴いているこの曲は、第何番の何楽章?」てな具合で、全体の把握が難しいのですが、PC-audioは、どんなに簡易なものであっても、机上のディスプレイに曲データが大きく表示されるのがありがたいものです。

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枕元の雑記帳用パワータンク・ボールペン、ついにインク切れに

2019年08月14日 06時02分14秒 | 手帳文具書斎
寝床の枕元に置いて寝転んで仰向け筆記している雑記帳専用ボールペン、キャップ式パワータンクPowerTank がついにインク切れとなりました。この加圧式ボールペンは、この冬に目視でインクがほぼゼロに近づき(*1)、残ったインクでしぶとく使い続け、このたびインク切れでストンと書けなくなり、完全に使いきった次第。







手元に1本だけ残った最後の交換用インクリフィルSP-10に、手近にあったフェルトペンで粗く目盛りを付け、交換した年月(2019/08)を記し、1.0mmの太字のペンが最後のお役目を果たすべく働き始めました。前回のリフィル交換は、2016/01 とありました(*2)ので、3年と7ヶ月使ったことになります。その前は、当ブログによれば、2013年1月(*3)でした。やはり3年ほど使っています。すると、次は2022年ころか。ふーむ、古希だな、こりゃ(^o^)/

(*1):キャップ式パワータンクももうすぐインクがなくなりそう〜「電網郊外散歩道」2019年2月
(*2):枕元の雑記帳用パワータンクがインク切れに〜「電網郊外散歩道」2016年1月
(*3):パワータンクを使いきるときはいつもワクワクする〜「電網郊外散歩道」2013年1月

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行きつけの文具店で蛍光ペン等を購入、『Bun2』2019/8月号を入手する

2019年08月13日 06時05分33秒 | 手帳文具書斎
過日、お出かけの際に行きつけの文具店に立ち寄り、いくつかの文具を補充するとともに、いつもの『Bun2』2019年8月号をもらってきました。購入した文具等は次のとおり。

  • 三菱 蛍光ペン PROPUS 黄 カートリッジ
  • 三菱 蛍光ペン PROPUS 青
  • 三菱 ボールペン PowerTank スタンダード 青 0.7mm
  • マルマン メモパッド A罫 および 方眼罫

このところ、ノンフィクション分野の読書が続き、蛍光ペンをどんどん使ったので、とうとうインクがなくなりました。まずは蛍光インク・カートリッジの補充です。万年筆ユーザーには馴染み深い方式で、蛍光ペンの色が薄くなったらポイ!というスタイルには、「中高年もったいない症候群」患者にはどうも少しばかり抵抗がありまして(^o^;)>poripori



また、加圧式ボールペン・パワータンク(PowerTank)スタンダードの青色は、店頭ではしばらくぶりに見かけたような気がします。以前のキャップ式パワータンクの青色は脳天気な明るい青色でしたが、スタンダードの青はジェットストリームの青に通じる系統のようです。個人的にはこちらのほうが好ましいと感じます。

そうそう、マルマンのメモパッドがまた置いてありました。一時、切れていた(*1)のがまた復活したようで、単純に嬉しい(^o^)/

(*1):マルマンのメモパッドがなかった〜「電網郊外散歩道」2018年10月



ステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』2019年08月号は、「文房具で楽しいひとときを」という特集タイトルで、

  • 黒い紙の上に描く新感覚ぬりえ
  • ライフログでシステム手帳がブームに
  • ホビー・アートの注目新アイテム

などが内容です。どちらかというと、夏休みらしくホビー・アート系の性格が強い特集と感じます。



新製品ニュースでは、ナカバヤシの「コンパクトに折りたためるオフィス・グッズ」等が、すでに退職して職場を離れているにもかかわらず、興味深いものでした。



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ビゼーの歌劇「カルメン」を観る

2019年08月12日 06時02分40秒 | -オペラ・声楽
お盆前の日曜日、午前中に仏壇の飾り物をあらかた済ませ、昼食もそこそこに、天童市民文化会館にでかけました。真夏の太陽の下、列に並んで開場を待ちましたが、いや〜暑かった。風があるのが救いでした。本日の演目はビゼーの歌劇「カルメン」で、オーケストラは山形交響楽団、演出が藤野佑一、カルメンが藤野恵美子、ドン・ホセが宮下通の各氏で、山形オペラ協会のメンバーを中心とした出演陣は、さすがの人気です。県の補助が入って料金が前売1100円(全席自由)というお値段もあってか、1200席が全部満席、当日券も完売、あらかじめ購入しておいて良かった〜(^o^)/



ホールに入ると、ステージ前の、いわゆる「かぶりつき」の席が取り払われ、オーケストラ・ピットに変身しています。暗くて詳しくはわかりませんでしたが、楽器配置はおおむね次のような感じ。まず、指揮者が中央に座し、左手側に弦楽器とハープ、右側に管楽器とパーカッションが位置します。管楽器は、Fl(2:Picc持替え)、Ob(2:うち1はコールアングレ持替え)、Cl(2)、Fg(2)、Hrn(4)、Tp(2)、Tb(3)という編成で、右奥にティンパニとパーカッション(トライアングル、シンバル、大太鼓、小太鼓、タンブリン)が並びます。弦楽器は5部で、第1ヴァイオリンが6、第2ヴァイオリンが5、ヴィオラが4、チェロが3、コントラバスが2という、通常よりも少し編成を縮小した 6-5-4-3-2 というものです。コンサートマスターは犬伏亜里さん。



拍手に迎えられて指揮者の佐藤寿一さんが登場、おなじみの第一幕の前奏曲が始まると、聴衆の期待がぐっと高まるのが感じられます。この場面は、まあ、セヴィリヤのタバコ工場で喧嘩騒ぎを起こした女工カルメンを連行する途中で、衛兵が色気に負けて女を逃がしちゃう話。衛兵ドン・ホセは、やっぱりダメ男でしょう(^o^)/
でも、ドン・ホセの故郷の母がホセの婚約者ミカエラに託したものは、手紙と「お小遣い!」でした。いつの時代も母心は…というところでしょうか。

ここで幕間の休憩(10分)。

ベルの後でチューニングが始まります。第二幕への前奏曲「アルカラの竜騎兵」は、いかにも勇ましく調子が良い。でも、物語はダメ男ドン・ホセが婚約者ミカエラを振りきり、カルメンの色香に迷って上司と対立、ジプシーの密輸団に身を投じます。ここのイングリッシュ・ホルンの音色が実に良いですなあ。義務に縛られる兵士と自由奔放な女の恋は、悲劇に陥るしかないのかもしれません。

再び幕間の休憩(15分)。

第三幕の場面は実に暗い情景なのに、対象的に前奏曲のほうはフルートとハープの爽やかで美しい音色で始まります。密輸団の仲間になり、カルメンと暮らしているドン・ホセをたずねて故郷の婚約者ミカエラがやってきます。ミカエラのアリアは勇気をふるってホセに訴えようという健気な歌。ミカエラが隠れていると、ドン・ホセはカルメンをめぐって闘牛士エスカミーリョと決闘騒ぎになる始末です。さすがのアホ息子も、お母さんが危篤だと聞き、未練たらたら密輸団を去ります。

幕間の休憩(10分)。

第四幕は、群衆の場面から一転してホセとカルメンの深刻な二人劇に変わります。指輪を投げるカルメン、激昂したホセがカルメンを刺す場面は、赤い照明で表現。オーケストラによる音楽もまた緊張感を高めます。自由奔放なジプシー女と軍隊崩れのストーカー男の痴情のもつれによる殺人劇と言ったところでしょうが、音楽はこのなんとも救いのない物語を緊迫のドラマとして描き出しています。

歌い手の皆さんについては、テノールの宮下通さんのホセが、苦悩するダメ男をうまく表現していました。藤野恵美子さんのカルメンは、声質的に可憐なヒロインになってしまわないかとちょっぴり懸念しましたが、杞憂でした。さすがにベテラン、うまく奔放なジプシー女を声でも演技でも演じきっていました。エスカミーリョは、鈴木集さん。闘牛士らしいカッコよさですね〜。原作にはない可憐な役柄のミカエラは、真下祐子さん。純情可憐な乙女の役柄がお似合いで、拍手が多かったですね〜。もしかすると、一番の役得(*1)だったでしょうか(^o^)/
その他の出演者の皆さんも熱演、要所に加わる合唱も良かった。オーケストラ演奏も、また演出、背景、照明も、陰惨なはずの愛憎のドラマを、劇的な緊迫感を減じることなく音楽的にも視覚的にも楽しませてくれた公演だったと思います。あ〜、良かった! いいオペラ公演でした。



(*1):なにせ、「コシ・ファン・トゥッテ」での「別れても好きな人じゃなくって、別れたら次の人よ!」の衝撃的なセリフの印象が強かったものですから(^o^)/
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磯田道史『天災から日本史を読みなおす〜先人に学ぶ防災』を読む

2019年08月11日 06時05分43秒 | -ノンフィクション
2014年11月刊行の中公新書で、磯田道史著『天災から日本史を読みなおす』を読みました。「先人に学ぶ防災」と副題がついており、「まえがき」にはイスキア島の地震で救出され、後に世界的な歴史哲学者になったベネデット・クローチェのエピソードから、「現代に生きるために過去をみる」という立場を宣言します。うん、賛成。地震で生き埋めになったり津波で流されたりしているときに「我思う、故に我有り」などとノンビリしたことは言っていられません。生は理性に先行し、「我有る故に・我思う」(p.iii)のですから。

本書の構成は、次のとおりです。

まえがき〜イタリアの歴史哲学者を襲った大地震
第1章 秀吉と二つの地震
 1 天正地震と戦国武将
 2 伏見地震が終わらせた秀吉の天下
第2章 宝永地震が招いた津波と富士山噴火
 1 一七〇七年の富士山噴火に学ぶ
 2 「岡本元朝日記」が伝える実態
 3 高知種崎で被災した武士の証言
 4 全国を襲った宝永津波
 5 南海トラフはいつ動くのか
第3章 土砂崩れ・高潮と日本人
 1 土砂崩れから逃れるために
 2 高潮から逃れる江戸の知恵
第4章 災害が変えた幕末史
 1 「軍事大国」佐賀藩を生んだシーボルト台風
 2 文政京都地震の教訓
 3 忍者で防災
第5章 津波から生きのびる知恵
 1 母が生きのびた徳島の津波
 2 地震の前兆をとらえよ
第6章 東日本大震災の教訓
 1 南三陸町を歩いてわかったこと
 2 大船渡小に学ぶ
 3 村を救った、ある村長の記録
あとがき〜古人の経験・叡智を生かそう

この中で、天正地震で秀吉方の先陣をつとめるはずの武将たちが城と領地に大きな被害を受けたために、徳川家康との決戦を回避し、家康にとってはラッキー!な事態となったことなどは、お天気が味方したのと同じ、偶然性の要因でしょう。むしろ、歴史上の有名人が登場しない、津波や噴火などの記録のほうが、興味深いものがあります。例えば宝永四(1707)年の富士山の噴火の記録。秋田・佐竹藩江戸屋敷で、幼い藩主の守役が記した「岡本元朝日記」には、不気味な振動が四日間、昼も暗くなるほどの降灰が12日間続いたことが記されているとのことです。降灰がやんだ後でも灰に悩まされ、砂で目を痛めたとの記述がリアルです(p.57)。土砂崩れ、高潮、巨大台風、溜池の決壊など、いずれも現代に通じる災害の様子です。古文書に遺された記述は、いずれも貴重な情報です。

東日本大震災にともなう大津波で、福島第一原発はメルトダウンに至ったのに、宮城県の女川原発はかろうじて最悪の事態を免れることができた理由について、学生時代の記憶から、古文書に残された慶長津波の記録に基づき、海面からの高さを高めに設置した判断によるものと推理(*1)しましたが、私の推測が正しければ、まさに古文書の情報によって現代人が救われた好例と言ってよいでしょう。大事なことだと思います。

(*1):女川原発と福島第一との違いは古文書にある慶長津波の評価にある?〜「電網郊外散歩道」2011年4月



今日は、午後から天童市民文化会館でビゼーの歌劇「カルメン」を観る予定。楽しみです。


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クロネコ・メンバーズで桃「あかつき」を送ってみる

2019年08月10日 06時04分52秒 | コンピュータ
初収穫となった桃「あかつき」を、孫たちのところに送ってみました。今回は、クロネコ・メンバーズの使い勝手を確認する意味もあり、まずはリビングの Windows10 機から Firefox で同サイトにログイン。なんだか「送り状発行システム」の場所がわかりにくく、うろうろ探してしまいましたが、ずーっと下のほうにありました(^o^;)>poripori



送り先のデータとして、電話番号、郵便番号、住所、宛名などを入力します。メールアドレスの入力らんもありましたが、今回は在宅であることを確認していますので、パス。送り主も同様にデータを入力します。郵便番号を入れると住所が反映されるあたりに、便利さが感じられます。

続いて、送り状の印刷です。今回の荷物の内容として「桃(あかつき)」と入力、受け取り可能時刻などは「指定なし」としました。配送状況は当方にメールで届くように設定。印刷は、カラープリンタが要求されます。ふだんは年賀状くらいにしか使っていませんので、使いみちが増えて良かった(^o^)/
ただし、印刷方向は迷いました。黙っているとA4縦方向に印刷され、A4用紙の上半分に小さく縮小印刷されてしまいます。プリンタの印刷設定でA4横方向に設定し、1件につき2枚に印刷します。両方印刷して営業所に持ち込み、「横方向に設定」ということが判明しましたが、このへんがわかりにくいところです。パソコンに慣れている、送付個数がたくさんあって手書きでは対処しきれない、などの条件にある場合は、便利なシステムのようです。



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三年目の桃「あかつき」を初収穫

2019年08月09日 06時02分49秒 | 週末農業・定年農業
亡父が植えた桃のうち「あかつき」が枯れてしまい、「川中島白桃」だけになってしまったため、異なる品種を植えようと考えて数年前から桃の苗木を植え始めました。固いモモ「美晴白桃」が収穫できたので、今度は「あかつき」の苗木を植えました。今夏は、三年目の「あかつき」がたくさんの実をつけ、真っ赤になっています。よく見ると、大玉のものはそろそろ食べごろになってきたようです。さっそく一部を収穫し、試食してみました。



うーん、美味しい! 少し固さを残した「もぎたて」の桃は、みずみずしく甘さもあり、実に Good! です。苗木を植えてから、冬は雪に倒れないよう支柱をし、野ネズミの食害から根まわりを守るために金網を巻き、消毒をして草刈りを重ねて、ようやく初収穫にたどり着いたのですから、嬉しさもひとしおです。たった二本だけの若木の収量は限られています(*1)が、孫たちのところに送るには充分でしょう。田舎のじいちゃんが育てた桃、喜んでくれるかな〜(^o^)/

(*1):概数ですが、若木1本あたり30個くらいに摘果していますので、2本で60個くらいでしょうか。成長につれて収穫も増えていきます。
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Windowsからはすんなりとクロネコ・メンバーズ登録を完了

2019年08月08日 06時02分55秒 | コンピュータ
過日、Ubuntu-Linux 上の Firefox からは途中で先に進めなくなった「クロネコ・メンバーズ」の登録(*1)でしたが、ふと思い立って、リビングの Windows10 機から再び登録を試みました。

  1. クロネコ・メンバーズのホームページから、クロネコIDとパスワードでログイン
  2. パーソナル情報を入力するための認証情報がメールで送られてくるので、それを使って入力
  3. 登録完了メールが届く

というような流れです。ふむふむ、どうやら自宅で送り先と送り主の情報を入力し、カラープリンターで印刷して、それをクロネコの営業所に持参すると受付がスムーズで割引も受けられる、ということのようです。なるほど、そういうことか!



では、早速モモの発送に使ってみましょう。Windows 機から使えるのはわかりましたが、Ubuntu Linux から送付先の入力くらいは使えないのかどうか、そのあたりも気になるところですが、まずは Windows から実際の送付作業がスムーズにできるかどうかの確認からでしょうか。

(*1):Ubuntu-Linux上のFirefoxではクロネコ・メンバーズ登録が先に進めなかった〜「電網郊外散歩道」2019年6月

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筆記具とノート、安心感と楽しさがある

2019年08月07日 06時05分02秒 | 手帳文具書斎
中年以降、大事なことを忘れるのではないか、忘れているのではないかというおそれが、年齢とともに増大してきたように思います。それを防ぐのがダイアリーでありメモ類です。書き留めた紙片はすぐなくしますので、手帳に転記し、カレンダーに貼り付けておきます。こうすると、うっかり手帳を確認することを忘れる、ということが少なくなります。

以前、20代〜30代の前半は手帳に手書きで、MS-DOSの時代は自作のプログラムで予定表を作成印字しており、Windows3.1/95 の頃は LotusOrganizer でスケジュール表を印字し、システム手帳に綴じ込んでいました。その後、職場のパソコンのメーラーが MS-Outlook になった時は、このスケジュールに記載し印字して手持ち用にするとともに、定刻前に「予定あり」と知らせてくれるリマインダーを重宝しておりましたし、さらにその後は SharePoint 等のグループウェアに自分の仕事上のスケジュールを公開し、職場の人たちが都合の良い時間帯に対面で話せるようにしていました。定年退職前にはほぼ30分刻みの激務で、自分の「うっかり」は皆さんに致命的でしたので、グループウェア「サイボウズ」を積極的に導入し本当に助けになりました。退職後、新しい世界に飛び込みましたが、職場内の簡易な LAN を活かしてスケジュールを管理しておりました。

今、自宅でのんびりと過ごす時間が中心になってみると、特に八月お盆前の予定はほとんどありません。グループウェアでスケジュールを管理し公開するような必要性もありませんし、最小限の労力で目的が果たせれば良いと割り切ることができます。すると、

  • 手帳に予定を書き入れ、カレンダーに印を付けておくか、メモを貼り付けておく
  • 常用する Linux パソコンでは、Evolution のスケジューラにリマインダーを設定しておく

くらいでしょうか。

むしろ、筆記具とノートの組み合わせに、なんとも言えず安心感があります。それだけでなく、退屈しのぎにもちょうどよいかも。ペンとメモがあれば、ちょっとした時間が有意義なものになります。楽しさがあります。

おっと、今日は床屋さんに行く予定か。うっかり失念しないようにしなければ(^o^;)>poripori

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池井戸潤『下町ロケット〜ヤタガラス』を読む

2019年08月06日 06時02分01秒 | 読書
小学館から2018年10月に刊行された単行本で、池井戸潤著『下町ロケット〜ヤタガラス』を読みました。前作『ゴースト』が前編、この『ヤタガラス』が後編という位置づけのようで、実際、物語の始まりは「濃い夕景に塗れ、(中略)佃の前からその姿を消した」はずの天才エンジニア島津裕が、応接セットのソファの足元にクマのプリントのトートバッグを置き忘れたことから、話は再開されます。作者は、前作の「ICレコーダーを忘れちゃった作戦」がよほど気に入ったらしく、またこの手を使ったようです(^o^)/

帝国重工内の社内抗争のあおりで、宇宙航空部の主役を外れ脇役にまわることになった財前道生は、今までのGPSに比して画期的な精度を誇る準天頂衛星ヤタガラスの能力を活かし、社会に貢献できるものとして、無人農業ロボットを発想し、まず無人自動運転トラクターの開発を企画します。エンジンとトランスミッションは佃製作所に外注し、トラクター本体は帝国重工で作るという案でした。そのための自動運転のプログラムは、佃社長の学生時代の仲間で、今は北海道農業大学の教授となっている野木博文のものです。ギアゴースト社を離れ、佃製作所に迎えられた島津裕は、自分の設計した小型トランスミッションの不具合に気づき、その解決法として特許を取得します。しかし、ライバル会社ダイダロスのエンジンとギアゴーストのトランスミッションに、以前、野木研究室から盗んだプログラムをもとに企業化したキーシンの通信制御システムという組み合わせの「ダーウィン」が華々しくデビュー、帝国重工側も的場俊一の誤った舵取りのおかげで迷走を余儀なくされます。

しかし、結局は現場で実際のニーズに向き合う開発か否かがポイントになるわけで、水害に會った殿村の実家の田んぼが実験ほ場の役割を果たし、帝国重工の「ランドクロウ」も着実に改良されていきますが…というお話。



前作『ゴースト』に続く『ヤタガラス』。いや、実に面白かった。最初の『下町ロケット』で宇宙航空技術に始まった物語が、ついに準天頂衛星による無人農業ロボットとして結実するのですから、なかなか考えられた構成です。テレビ番組が人気シリーズとなるのも納得の面白さです。

ただし、いざ自分の世界に置き換えて、「ランドクロウ」は農業を救うかと問われれば実は疑問符が付いてしまいます。そうですね、たしかに誤差が数センチの精度を持つ無人農業機械が普及すれば、農業の担い手不足の問題はだいぶ緩和されるかもしれません。でも、高額な農業機械を導入できるのは、平坦な農地を確保した大規模農家や農業法人に限られ、農業法人も担い手の病気やリタイアで、徐々に一人に集積してしまうことになり、それを突き詰めれば戦前の大地主の姿を変えた復活にほかならないのでは? 別の言い方をすると、戦後の農地改革はマチガイでしたということになるでしょう。農業の大規模専業化という方向が本当に日本の農業を救うことになるのかは、いささか疑問に感じられてなりませんけどね〜(^o^)/

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ベートーヴェン「チェロ・ソナタ第4番」を聴く

2019年08月05日 06時01分32秒 | -室内楽
猛暑の間にも、早朝にはだいぶ涼しい時間帯があります。そんな時間を利用して、ベートーヴェンの「チェロ・ソナタ第4番 ハ長調Op.102-1」を聴きました。演奏は、今はパブリック・ドメインになっているピエール・フルニエ(Vc)とフリードリヒ・グルダ(Pf)によるものです。

第1楽章:アンダンテ〜アレグロ・ヴィヴァーチェ。ハ長調、8分の6拍子の序奏(アンダンテ)とイ短調、2分の2拍子の主部(アレグロ・ヴィヴァーチェ)からなります。
第2楽章:ハ長調、4分の4拍子のアダージョで始まり、8分の6拍子の「Tempo D'Andante」になり、4分の2拍子のアレグロ・ヴィヴァーチェに移行していきます。

この曲は、第5番のソナタとともに、1815年の春から夏にかけて立て続けに作曲されたものだそうで、二つのソナタという意味で Op.102-1 という番号がついています。第5番が102-2 というわけです。1815年といえば、ナポレオン・ボナパルトが百日天下の後ワーテルローの戦いで敗れ、ウィーン体制が成立するという、いわば反動の時代です。力に溢れ、雄弁な音楽を書いた時代とはいくぶん異なり、力強さは変わらないけれど、瞑想的な、幽玄な印象を受ける音楽は、自身の身辺の変化をも表しているのかもしれません。

YouTubeにもこの演奏がありました。
Beethoven: Cello Sonata No. 4, Fournier & Gulda (1959) ベートーヴェン チェロソナタ第4番 フルニエ&グルダ


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池井戸潤『下町ロケット〜ゴースト』を読む

2019年08月04日 06時01分07秒 | 読書
これまで『下町ロケット』(*1)、『下町ロケット〜ガウディ計画』(*2)と二作を読んで来ましたが、今度は三作目にあたる『下町ロケット〜ゴースト』を読みました。宇宙ロケットエンジンのバルブシステムに技術的強みを持つ中小企業・佃製作所が大企業との知財訴訟に勝利し、医療用バルブシステムに進出、こんどは農機具の分野です。まさに現在のわが領域です(^o^)/

佃製作所がエンジンを納入している農機具メーカーのヤマタニが、社長の交代を機に計画を白紙に戻したいと言い出します。背景にあるコスト競争の相手は、かつて危機を経験し経営改革によって復活してきたメーカー「ダイダロス」でした。佃製作所の経営陣が鳩首協議する中に、経理部長の殿村直弘の父親が倒れたとの報せが入ります。心筋梗塞だそうです。後日、佃社長が見舞いにでかけた先は、栃木県の稲作地帯で300年間代々稲作を受け継ぎ、今は二十町歩の水田を経営する旧家(*3)でした。そこで、ヤマタニ製トラクターによる農作業の様子を見て、農機具用トランスミッションに着目します。使われるバルブに佃製作所の技術を生かせないか、というわけです。

コストダウンをねらうヤマタニが目をつけた会社・ギアゴーストは、帝国重工から飛び出した二人、伊丹大と島津裕が起こしたファブレス・ベンチャー企業でした。同社のCVTタイプのトランスミッション用バルブのコンペで、大森バルブに競り勝った佃製作所チームは、ギアゴーストに降りかかった特許侵害の知財訴訟に肩入れすることになります。ところが、この裁判には実は裏がありました…というお話です。



ストーリーはおもしろいし、農業機械に関する描写もかなりリアルです。例えばトランスミッション。今回、我が家で更新した乗用草刈機の場合はマニュアル・トランスミッションで、前進1速〜4速と後退とを手でギアを切り替えるタイプです。これに対して、20万円ほどお高い上級機種は、フットペダルを踏む方向で前進と後退を、また踏み加減で前進速度を無断階に変速できるタイプでした。おそらくはCVT型のトランスミッションだったのでしょう。こういう機械の開発現場が舞台なのだと思うと、読む方にも思わず力が入ります。

がんばれ、島津裕! 

そうそう、なんだか同じように企業に勤める理系女子ということで、下の娘を応援しているような気分にもなってしまいます(^o^)/

(*1):池井戸潤『下町ロケット』を読む〜「電網郊外散歩道」2012年2月
(*2):池井戸潤『下町ロケット〜ガウディ計画』を読む〜「電網郊外散歩道」2018年10月
(*3):このへん、ちょっと戦後史的におかしい。農地改革を経て稲作を継続できたのは自作農までで、かつての大地主はほぼ耕地を失っていたはず。当地では、かつての大地主はほとんど没落し、代わって昔小作人だった農家のごく一部が多くの水田を集積し、何十町歩も耕す大規模専業農家になっている例がほとんどです。

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山響から今年も暑中見舞い状が届く

2019年08月03日 06時03分46秒 | 季節と行事
連日、超暑い日が続きます。温暖化にともなう気候の変化を問われて、某氏は「極端現象の増加」を挙げていました(*1)が、○十年に一度の気象災害が毎年どこかで発生しているのを思えば、気象の極端現象の増加は確かなことでしょう。天候が不順な時期は各地で豪雨が続き、晴れたら晴れたで「危険な暑さ」が到来する、というわけです。見方を変えれば、稲の大事な開花期にこのような好天はありがたいことかもしれませんが。



そうそう、今年も山響こと山形交響楽団から暑中見舞い状をいただきました。聴衆も「われらがオーケストラ」を大切に思っていますが、オーケストラも聴衆を大事にしてくれるのはありがたいことです。今年は、フルートとピッコロ担当の小松﨑恭子さんから。小松崎さんも、たいへん字がお上手で、うらやましいほどです。山響団員が振り向いた笑顔の上に赤い金魚が泳ぐ図柄の中に、縦線が等間隔にぴしっと通った見事な葉書を眺めて、思わず嬉しくなってニコニコ。そうか、フルートは Fl と略記するけれど、ピッコロは Picc となるのか。今度、記事中に使いましょう(^o^)/

(*1):また雨降り〜「電網郊外散歩道」2013年7月

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暑中御見舞申し上げます〜ある日の軽い昼食

2019年08月02日 06時04分53秒 | ブログ運営


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  暑中御見舞申し上げます
    「電網郊外散歩道」 by narkejp, since 2004

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妻が不在のある日、老母と軽い昼食で済ませました。

  • パンと牛乳
  • スモモとヨーグルト
  • トマトと漬物

実にシンプル、なんだか単身赴任時代を思い出します。



でも、農作業のない日は、これくらいのカロリーでも充分なのです。

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