ヨモギ餅10個と黒糖餅3個が出来た。月桃とヨモギの匂いはいい。香ばしい月桃の香りは、蒸し器からも漂ってきて、しばし台所はその匂いに満たされた。
出来たモチは火の神と仏前に備えた。お昼時の作業は、数が少ないので1時間で出来た。
ヨモギ月桃餅は砂糖を入れ忘れたが、香りがいいので、美味しい。はじめてポン酢や油味噌を付けて食べてみた。砂糖はなくても美味しい。
チラシの広告を見ると、スーパーの鬼餅の値段が爆上がりで驚いた。この間5個で500円から600円ほどだったのが3個価格になっている。
インフレ、物価高はますます過剰になっている。便乗値上げがここかしこで止まる様子はない。
子供食堂が増えているのらしい。物価高に悲鳴をあげる人々と、恵まれた労働環境で守られた人々の格差は広がる一方に違いない。
出生率が一番高く、人口増率も高い沖縄らしいが、最貧困県であり続ける。母子家庭も多い。
東京から来た知人が言うには、野菜なども高いとの事だった。北海道や長崎産などが並んでいる。中国産も多くなっている。沖縄産の野菜も並んでいるが県外産が圧倒的〜。
ひょっとしたら、自給率も一番悪い県なのかもしれない。沖縄農業は厳しいのだろうか。サトウキビがメインで政府助成金頼りが変わらない〜?
身近な台湾、中国、ベトナム、ちょっと遠いタイ産の鶏肉、さらにアメリカ、ブラジル、オーストラリア、ノルウェー、スペイン、オランダから肉類、魚類が輸入されている。
外国産で溢れている。しかしネット情報を見ると、添加物が多くて地元産にこだわっている。無農薬で自ら栽培できる野菜が最善に他ならないが、ロシアのようにはいかない。
沖縄は薬草が豊富だ。月桃はその代表的な植物で、ハーブ茶としても重宝している。
小さい頃、身近にあった野菜や薬草類が懐かしい。取り立ての米や麦、あづきや大豆まであった。
あの頃はその良さを意識することはなかったが、今思えば、鶏や七面鳥も飼っていたあの集落の生活が楽園に思えてくる。
村は自給自足でサトウキビ工場、お茶工場、バイン工場もあった時期がある。やがて村の半分以上が米軍基地として囲われた土地からの収益があがり、いつの間にか隣近所のおばさんたちは米軍基地で働くようになっていた。それらの小さな工場は姿を消した。今でも小さな床屋の側にあった製糖工場から漂ってきた黒糖の匂いが思い出される。
村にあった工場が消えたのはもっと別の要因で大きな資本が奪っていき、潰された可能性が高い。自給自足の村の形状が金融形態の変化と共に変質していったと言えるだろう。
農業よりも土木建築業などが迫り出してきた時代背景もあったのだろう。それも米軍基地と絡んでいると言えそうだ。
しかし今、道の駅には地元産の野菜が並べられている。各市町村が地元産を売り出している。それはいいが、身近なスーパーに足繁く通う割合が高いのは、利便性ゆえか〜。
那覇の牧志公設市場は、車で10分以内にある。1時間無料駐車場もある。しかし、最近行ってなかった。
市場の賑わいは独特な空気を醸している。人によっては、アディクトになるに違いない。
その市場も変容しつつある。ぶらりと歩いてみるのもいいかもしれない。思いがけない古本屋やコーヒー店に出合ったりする。
無常という二語が浮かぶ。時の移ろいの中で絶えず変容していく。方丈記の一節の如し。盛者必衰の歴史は常に形を変え続けるようだ。
アメリカドルが力を失っていく。
追随する日本は、危うい様相に見える。毎日のようにステルス戦闘機が上空を飛び交う沖縄の未来は、中国やロシア、インドなどの台頭の中で、どうサバイバルしていくのだろうか。昨今の紙面を見ると沖縄の財界は勢いがいいのらしい。
新年号の紙面は財界人の顔とメッセージが並ぶ。平安な世に見える。AIなどデジタル化が急速に進んでいる。希望に満ちた声声の下で、貧困は変わらない。
利得を得て、ビルが高くなり、膨らむ層とビルの下で、呻吟する層が構成する社会は、カオスを押し広げるのだろうか。封建的資本主義社会なのらしい。
IT長者が国を動かす時代、グラスルーツは、ITを駆使して相乗効果を生み出しているだろうか。ポジとネガと大小のカオスは、マクロにもミクロにも身近にあり続ける。
月桃の香りはいい!香ばしい香りを味わいながら幾ばくかの英気を養いたい。
ムーチービーサはやってきた。若者たちが受験に向けて緊迫した表情を見せる時期、かつてのグラスメイトが送ってきた鬼餅40個の写真に圧倒された。