志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

ヒーローってどんなイメージなの?ゴキブリは害虫ではないんだよ、と若者が言った!

2011-06-07 02:16:36 | 心の劇場
          (「ウチナーグチ万歳」のチラシ!20011年9月11日公演:那覇市民会館大ホール)

おそい夕食を取りながら若者と話すひと時がいい。豆腐はすき焼き用のソースでおいしく食べられる。疑似すき焼き鍋だがーー。食しながら彼が聞いてきた。「ヒーローって裏があるんだよね。美しくて残酷だよね。敵を多く殺した者がヒーローっていうのはよくあって、相手側から見たらどうなんだろうね。怪物か悪魔かな」

「そうね。二元論というか、二面性はあきらかね」

「そういえば雌蚊なんかも凄いよね。雌だからヒロインかな?蚊にしてみれば人間さまは怪物でしょう。それに挑むんだから!最近蚊に刺されてばかりいるから【雌蚊物語】の詩ができたのよ」

「ごきぶりもそういえば害はないらしいよ。不快虫ということらしい。高足蜘蛛とかいうでかい蜘蛛がゴキブリを喰うらしいね。確かヤンバルで見た覚えがある。でもでっかいから不快虫で殺されたりするみたいだね。ただゴキブリが益虫というより害虫なのは悪い菌を運ぶから、という事らしいよ」

「ヒーローの話題に戻るけど、人間の歴史を振り返るとつくづくなんて残酷だろうと思うね。戦争で負けた国なり部族の人間は奴隷扱いだもんね」
「今でも実質的な奴隷制は変らないよね」
「そうね」
「今は会社の奴隷か、社会のシステムの奴隷かな?」
「【トロイアの女】(エウリピデス、紀元前415年作)というギリシャ演劇があるんだけど、戦争で負けたトロイの国妃や王女たちが残酷な仕打ちを受けているのよね、その悲惨・悲嘆な場面のオンパレードでもう心が苦しい劇だけど、アメリカでその作品についてちょっとした論を書いて一度だけいい評価を得たことがあった。教授は明らかにユダヤ人でー」

「それにしても、残酷ね。同じ人間をあんなに殺せるわけで、それに動物のように奴隷としてこき使える人間性ってなんだろうね。痛ましすぎて、人間を辞めたくなるよね。なんか似たような話が続くね」

「でも当然だったんでしょう」と若者は平然と言ってのける。わたしは苦しくなる。

「弱者は喰われない知恵を見つけ、時勢に乗り遅れないように、という事がむなしく感じるね」

後は独り言!

「今日ふとあるXX大のクラスを見るとほとんどが女子学生ばかりだけど、なんか授業が始まっても長い髪をいじったり、てんで集中する気配がないのよね。君たちを見ていると女の嫌らしい面を見せつけられているようで嫌になるな、と思わず言ってしまった。それでよくよく見ると99%長い髪の女子学生たちなのよね、とても愛らしくて素敵で、でも賢くは見えない。可愛いのだけど、女という感じでつまりセクシャルに男に媚びるような風情を感じて一瞬ぞっとするものがあった。これは何だろう?ショートカットの女の子が最近見えなくなったね。髪が長くてセクシーで、これが時代の空気なのかと一瞬気になった。若い女たちがセクシー路線に走っているのかな?でも何が幸せか、わからないしね。何とも言えないなー、時代の空気が異様だと、より獣じみてくるのだろうか。まぁ人間はまた動物であり獣を内に飼っているのだけれど、全く似たような表象というのは異様に見えるね。この異様さは原発で村や町が幽霊化する現象とも絡んでいるのだろうか。虚無的な退廃的な空気が漂っている雰囲気もあるね。私自身が人間なんてやめたくなる気持ちが起こったりするし、何やらこちらの感性がおかしくなっているのか、それともだね」

しかし、彼女たちのうち3人が近付いてきて、アメリカやカナダに留学すると言う。すでに叔母さんがオレゴンに住んでいたり実の姉がニューヨークに留学中という。でも本人はカリフォルニアにあこがれ、そこで一生住んで沖縄に戻ってきたくないと言う。彼女は嘉手納に住んでいて、窓を開けると戦闘機の調整音がドカッと入ってくるが、もう気にならなくなったと言った。慣れは怖いね。あの騒音はたまらないわよ。防音装置がついていてもあの凄い騒音は入ってくるのらしい。ひょっとしたら嘉手納の先祖の土地が基地に囲われ軍用地代で留学など可能な家庭のお嬢さんという所かもしれない。それにしても彼女たちが留学にあこがれこの狭い基地の島沖縄から飛び出したがっているのが分かった。狭い島なのだここは、それでも日常のルーティーンの中にあって狭い島を忘れたりする。

本当は若者との対話の面白さを書き残したかったのだけれど、常に意識が飛んでしまう。不気味で面白くて不思議な気がする日常の隙間に感じる事柄、これは何だ?この蒸し暑さの中で鶯が囀ったりしている!救い?!

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