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池上永一「トロイメライ」第一章:大学院の授業のレジメなど!

2010-12-01 04:23:52 | 表象文化/表象文化研究会
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琉球史特論 2010後期                   11月25日
                              
 テーマ:琉球史または「琉球もの」歴史小説のはざま
 Excuse:十分中身を吟味する余裕がなく、授業の総括までには『テンペスト』と『トロイメライ』のなかの女性の表象、特にジュリを取り巻くセクシュアリティー・ゼンダ―などの関係性など、まとめたい。

1.歴史家と小説家の係わりーー高良倉吉論文「近世琉球における都市の論理」『新しい琉球史像』
(榕樹社、1996年)
思い込みの歴史像―――琉球=被害者と見る一面的な歴史像
沖縄の伝統文化の基本形式は薩摩支配下の近世において創造され発展してきた。
歌、三線、舞踊、組踊、亀甲墓、工芸(絣、芭蕉布、紅型)産業(糖業など)
都市の未成立
都市人口の増加---1879年、31万人、都市人口4万32千人
羽地朝秀(1666-1673)
様々な職業の成立―――財政文書『御財政』
活発な人間の移動
生き様と表現

都市研究の必要性
*池上永一の『トロイメライ』の基本コンセプトに影響を与えていると推測できる。
  
2.『沖縄の犯科帳』――比嘉春潮、崎浜秀明 平凡社、1965年初版
   『トロイメライ』第一夜筑佐事の武汰の手柄と位牌・墓所に関する事件その三
   の物語化、類似と違い
   名称の踏襲と変容など
   逃げない思戸
   その他:

   *結論からいくと、この小説の第一夜は『沖縄犯科帳』からのパクリであると、書くのは悪い印象がする。小説家はしっかり参考文献として紹介している。犯科帳も物語のように読めるところがいい。小説のフレームに入れたアイディアはなかなかいいと感心!鍵になる人物たちがどう膨らんでいくか、興味しんしん!

3.  第一夜
   物語の場所、那覇、港近くの涅槃院、住職代貫長老
          浮島、平等所、十貫瀬、長虹堤、おなり宿
   コミカルは描写、面白さを狙った登場人物
   ウチナーグチの登場、アガー、アギジャー
   コミック的口語表現「いやあん 恥ずかしいーー」
             「やい、XX」
   おなり宿のジュリが踊ることーー、ジュリの登場のさせ方は色つやを意識的に表出
   その他、修辞の印象、皆であぶりだしたい。

4.長虹堤のマップの紹介


5.正確な歴史認識の必要性―――思い込みとリアリティ、物語、都市性のもつ可能性
   

以上は授業で発表したレジメでした。
池上永一論はこれから書かれてくるだろうが、池永と歴史家の結びつきも論じられるだろう。

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