オリバー&ピーターはご自分たちの出した歴史本Untold History of the United StatestoとそのドキュメントFilmの宣伝も兼ねた日本、韓国、沖縄訪問だが、特にピーターさんは1995年のスミソニアンでの原爆展問題あたりからよく広島、長崎を訪問して、原子爆弾の投下を批判してきた歴史学者である。80年代にアメリカに留学していた頃、知人の博士課程の学生でも原爆投下は戦勝のため、敵国民を多く殺すことは当然、のような考えだった。しかしその彼は博士号を取得して日本に留学、天皇陛下に手紙を送ったりして、その戦争責任を追及する行動に出た後、アメリカに戻ったが、ナーヴァス・ブレイクダウンになったという、その後の事は聞いていない。再婚した同じ大学院の彼女とも別れたとのことだった。人がどこで精神の意識のバランスを崩すのか、人の心の不思議は宇宙と同じような謎に包まれている。
チョムスキーにしても盛んに米軍事帝国の批判を内部で続けている。良心的知識人や研究者の立場は軍事帝国そのものの在り様に批判的論理を重ねているが、実体としてのアメリカは巨大化するグローバル多国籍企業なり、軍産複合体の威力をになった形で内部は貧困大国化しているとの著書も出版されている。警告を鳴らしているのは1%対99%の対峙であり、Wall stでの立ち上がりがあったが、昨今はその流れがどこに収束し、拡散しているのか、今年の3月にゼロ地点に立っても、よく見えてこなかった。絶望ではない希望を持つためにオリバーやピーターも闘っているということなのだろう。沖縄は沖縄独自の闘いをしないといけないという事だろうが、基地が何も豊かな経済を生み出さないという事は言われて久しい。
平和キーストーンへの掛け声も始まっている。元新聞記者の大学教員が軍民共用嘉手納飛行場構想など話しているが、危険な発想ではないだろうか?軍を絡ませる妥協策は危険だと思う。以前国連機関を沖縄に、の運動があった、むしろ平和機関を嘉手納基地に誘致する運動の方がいい。ユニバーサル・アジア太平洋・平和研究機構を作った方がいい。つまり人類が平和で平等な経済システムを享受し、それを生かしていける方策を共有する場とスペースを創る。それがはるかにいい。理想の青写真を持った方がいい。イマージネーションは常に現実に先行している。軍事的脅威・抑制・バランスシステムを内部に取り入れるにしても、沖縄の基地を半ば容認した未来構図は、従来のパタンを受容することに他ならない。全く基地のない琉球弧、そこを不可侵の磁場にする運動をしたい。
しかし若者たちと話すと、とてもシビアに現実を見ている。中国で何が起こっているか、わかるかと事例をあげてくる。あのような悲惨な現実が沖縄に押し寄せると、脅威論に洗脳されている。中国内部の民主化されない国家矛盾を見据えている。香港やシンガポールの内実はどうなのだろう?ハワイは軍事帝国アメリカの政策の中で守られているのか?既成の秩序を覆す論理が出てこないのが、不思議だ。近隣諸国の人々との交流を広め、深めることは将来のステップであり続けるね。普天間も嘉手納も異常な異物だ。軍民共用は否定したい。キャンプハンセンやシュワーブの広大の演習地も返してもらう構想を持った方がいい。そこからのあぶく銭を無視した政策を市町村は設計しないとね。