去年は蝉の鳴き声が遅かった。異常事態に思えた。今年は梅雨明けと共に一斉に鳴き始めた。
庭で鳴き始めたのは最近の事で、気がつくと蝉の抜け殻が彼方此方に見られる。
椿の樹木に割と抜け殻が多いようだ。
こんな所にも〜!
こんな所にも〜!
夕方には羽化が見られると期待できるが、意外と簡単に見られない。
去年は久しぶりに羽化を目撃できた。羽化の未遂には心が痛んだ。
毎夏の光景がやってくる。しかし、同じに見えて同じではない事が分かる。
蝉の抜け殻が去年同様見られることは、7年前にこの庭で卵から孵った幼虫が健在だという事を示している。ミニジャングルになっていた東側をさらけてきた昨今なので、今後徐々に蝉の羽化も減少していくのだろう。そう思うと、抜け殻が愛おしい。
******(備忘録)
「セミに限らず、昆虫が成長するためには温度の積み重ねが必要なんです。これを有効積算温度といいます。昆虫は変温動物ですから、外気温の変化に左右されるんですね。種によってその有効積算温度は違いますが、幼虫やサナギから羽化するまで、トータルで一定の温度を積み重ねなければ成虫になれない。しかも有効温度帯というのもあって、極端に寒かったり、逆に暑かったりすると、それはカウントされないんです。今年の春先は例年にも増して寒かったですから、急に暑くなったとはいえ、数日間の気温の急上昇では間に合わない」