多くの方々の弔辞やお別れのことばが紹介されている。学部が英語英文科だったので、外間守善さんの『おもろさうし』現代語注釈を手に取ったのも遅かった。国文学や琉球史、民俗、など沖縄学関係の方々の思いの深さが伝ってくる追悼の言葉が並んでいる。おもろさうしの古謡や琉歌などなど、琉球の古典文学は組踊も含む。古典音楽、御冠船舞踊などなど、根にあるものが拓かれている現在は、さらに一歩踏み込んだ比較研究が広がりを見せているようだ。「追悼論文」が並んでいる。大城學さんの「盆アンガマ仮面と土主神仮面の比較考察」が興味深かった。20年以上前から雲南省にでかけ、そこで見たアンガマ仮面と似た仮面を追跡してきた情念の成果としての比較論稿である。年月、年季の入った息の長い研究の成果は例えば『歴史の中の久高島』家・門中と祭祀世界 赤嶺政信著がある。村落祭祀を国家制度との関わりという視点から考察している。今から読み進めたい。