志情(しなさき)の海へ

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北島角子さんの一人芝居「にっぽんじん?」を佐喜眞美術館で観た!

2014-05-05 23:32:18 | グローカルな文化現象

吉田妙子さんにお誘いを受けて、佐喜眞美術館に向かった。久しぶりの一人語りである。「にっぽんじん?」は、素の沖縄のおばぁーの語りの中に痛烈な悲しみと怒りが込められていて、沖縄がたどってきた歴史がどっと迫ってきた。佐喜眞美術館の丸木俊さんの「沖縄戦の図」の前で語られることばは、痛い。戦の前にことばの戦があったさー、とすんなりと語る北島さんのことばは、素に聞こえるが、それはまた集約された沖縄の人々のたどった戦前の日本への同化の過程、そして日本の盾になって多くの住民が殺された戦争の残虐さが秘められている。物語の先端は多くの物語の象徴そのものである。

立派な標準語を使える日本人になる事が沖縄に繁栄をもたらす、と、日本人になるために奮闘していった沖縄の人々、そして戦後、夫、息子3人、娘一人を失ったウチナー女性の戦後、一人残された娘の本土での差別、そしてー、現在に生きるオバーの語りは少し話の筋が飛んだりしたが、短い40分の中に沖縄が内に抱える痛みの歴史を悲哀だけではなく笑いの中で繰り広げた。北島さんの語り、その普段着の姿がいいね。

(上運天米子さん、北島角子さん、吉田妙子さんと記念撮影です!謝!)

今回のフォーシスターズの民謡がとても良かった。ゆしぐとぅ、物知り節、なーくにー(とうがれー)、三村節、女(いなぐ)恋ごころ、肝かなさ節、軽便鉄道節、ゴールマ、めーかた、とても良かった。 三線の合奏はほとんどないが、今回4姉妹の三線合奏が津軽三味線の雰囲気で、その早三線の魅力に驚いた。何より驚いたのは、伊波貞子さんの素敵な声音である。糸数カメさんを髣髴させるような声音、深さをもった民謡歌手だということを知った驚きが大きかった。

戦前の辻遊郭の地謡の女性たち、彼らの戦後の姿が女性民謡歌手のみなさんの中に再現されているのではないだろうか?民謡の深さに歌に三線に魅了されるひと時に感謝!古典も民謡も女性たちの歌のちゅらさ、深さをもっと味わいたい。女性歌者がもっと評価されていい沖縄だね。古典の大家=男性諸氏だけというのも、どうだろう?筝曲は女性で歌・三線の古典は男性、の、棲み分けがなされているようだ。近世において、三線は士族層と辻などの女性たちがになってきた。彼女たちの三線の技は優れていて、耳は肥えていた、というのが私見である。花柳界と言い捨てて、差別化してきた琉球音楽の研究者たち(主に男性たち)の名前をあげると、そのほとんどの方がそうである。辻の女性たちの三線はそんなに悪かっただろうか?


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