琉球舞踊系統図
本ブログの人気記事「NEW♯琉球舞踊界の不都合な真実~」への9月3日付コメントnashiさんの質問「王国時代からの7系統というのはどういうものなのでしょうか。」が気になったので、ご参考までに投稿します。
Nasakiさん(nashiさんではないです)が書かれておられるように、もちろん個個の優れた研究や資料発掘の蓄積はあります。ただ、詳細については今後も研究が必要な状況ですから、琉球舞踊の継承の全体像を把握する入り口として、この系統図は有意義です。
出典は、琉球舞踊保存会発行の『平成23年度 琉球舞踊保存会伝承者研修記録』(平成24年3月31日発行)の掲載資料(『沖縄芸能大観』月刊沖縄社 昭和58年8月30日発行)です。
昭和58(1982年)年現在のものなので、35年前までのデータが反映されています。
この30年で亡くなった人。舞踊を辞めた人。流会派を抜け別流会派をたてた人。等々様々いて、感慨深いです。
戦前は儀保松男さんだけだった名優の襲名も、この間相次ぎました。
親泊久玄さんは、現在は「二代目親泊興照」。宮城能葵さんが「二代目宮城能造」。花岡勝子さんが「二代目渡嘉敷守良」。またこの系統図には反映されていませんが、大田守邦さんが「二代目玉城盛義」を襲名。
その他、こと細かくに追記していると膨大で煩雑になるので、本記事の中心にある話題「琉球舞踊保持者の選考問題」を俯瞰できるように、最小限追記しました。
原本の情報と混同しないように、赤字で示します。
保持者の名前を赤で囲みました。今年7月に追加認定された方々は、※印をつけました。(平成21年の指定時に認定された真境名直子先生、喜納幸子先生は亡くなられましたね)
二頁見開きで一覧すると、右頁から左頁にかけて多くが盛重系で占めれています。保持者がほぼ盛重系であること。特に今回追加認定された方々(※)は全員、盛重系ですね。
この系統図では、唯一、大城政子先生が盛重系の真境名佳子先生の系譜だけでなく、嵩原安詩・屋嘉良勝系統(この系統図では盛重系の島袋光裕師に連なる志田房子先生も、近年は、この嵩原・屋嘉系統の「田島青郷」に師事したことを表明されております)に連なっていますね。
これを眺めて、思うことは様々ありますが、まずは取り急ぎ投稿いたします。
by ひねもすさけびたり
それに手を差し伸べるのが文化財保護法だったのではないか。昭和25年、戦火で失った文化の復興を目指し、貴重だが滅びてしまいそうな文化を守るためにつくられた法律。その法律に基づいて、文化財の指定や認定は行われるはずだ、芸能という無形文化財も同じ。
それが、ほっていても滅びそうにない強くて大きな系統を肥やす方向にしか向いてないような気がする。ほかの系統は、ほったらかし?
これでいいの?
盛重系統ーー玉城流 5人
宮城流 5人
島袋流 2人
真踊流 1人
計 13人
現在の琉球舞踊は圧倒的に玉城流と宮城流の天下だということですね。続いて島袋流ですね。
文化財保護法は他の系統を保護していないということでしょうか?
一度この7系統の皆さんのそれぞれの女踊りを拝見したいですね!固有性、個性の違いを堪能したいものです!
ほったらかしどころか潰しにかかっていますね。これでいいの。国や県のお偉い方々。