朝、まだ実をつけているゴーヤー棚に立つ。ゲッキツの老木あたりから漂ってくる香りに惹かされる。
雪のような純白な花は少ないながら、ミツバチは羽音をたてて急足で飛んでいた。
10月末でもゴーヤーは黄色い花を付けている。思いがけない実はかろうじて日々大きくなっている。
久しぶりのゴーヤーの実!
後一つシークワーサーを覆っている葉の中にも実をみつけた。しかしこちらはすぐ黄色くなりそうな気配。
いつニガウリ棚を片付けるか〜。
まだ花が咲く彼らの根を引き抜くわけにはいかないようだ。
ゴーヤーの根はまだ引き抜けない!
さて庭の真ん中に咲いているのが、5つ星のようなオオバナカリッサだ。食べられる赤い実もついている。鼻を近づけるとクチナシの花のように濃厚な香りだ。
深い緑の葉に真白な花、赤い実。美しい!されどブーゲンのようにトゲがある。
赤い実は食べられるフルーツ!
トゲのあるブーゲンにトゲのあるオオバナカリッサ!トゲのあるバラの花!植物も種の生存本能で生きているに違いない。
種の実存をかけた戦いがそこにある。黙って同じ土壌に生息しているわけではない。絶えず枝葉を押し広げている。敵わない!剪定が追いつかない。
植物に覆われた村を映像で観た事があるが、手放し状態では、確実に彼らは家を呑み込んでしまいそうな勢いを持っている。
野生のドラゴンフルーツさえ、白く塗られたコンクリートの壁を這っていく。切り捨てなければと思いつつ見て見ぬふりだが、彼らはセメント壁を這って生き伸びる。ただ唖然とする。
話がそれたが、ゲッキツもオオバナカリッサも鼻腔から魂を酔わせる麻酔の如き香りを放出している。
香りを胸一杯吸い込む浄福の瞬間は尊い。
ゲッキツは絶えず花をつけている!