去年の9月1日夕方、姪といっしょにムクの散歩に連れ立ったのだった。そしてドライブをした。1年があっという間に過ぎた今日、見たい舞台があったが、やんばるにいた。実家に戻る母のための大掃除があったのだ。腰が痛いのであまり手伝えなかったが、大学生になった姪が愛知県出身のボーイフレンドを連れてきたのには驚いた。初めて会ったが彼は熱心に大掃除の手伝いに励んでいた。姪のTちゃんは優しそうないい彼を選んだのね。良かった。
部屋の掃除をするといつも発見がある。父の手書きの原稿がある。それらはスキャンして残したいと思う。わたしはまだ父についてまとめていない。無造作に捨てられることがある資料がある。出されたチリ袋をひらいてその中から写真やその他の資料類を見つけて溜息をついた。団舎利の明暗。すっきりと整理される空間、雑な空間、と単純ではないのだが、意外と団舎利の過程で捨てられる貴重な過去の大事な物証があるのかもしれない。1時間も捨てられた袋の中身をチェックしていた。ムクが元気なく横たわっている姿が気になった。去年は吠えて元気があったのだがー。
夜中に庭で放し飼いされているムクの糞を拾い集めた。芝生の大半が枯れ始めている。雨が降らない昨今の状況ゆえに庭の草花も陽に打たれてうなだれているように見える。退院してきた母は完璧に歩けるようにはなっていないゆえに、大幅な模様替えが必要になった。バリアフリーが求められているのである。人は必然的に老いていく。身体が弱っていく。そして逝かねばならない死を迎えなければならない。その日まで、意識を鮮明に、この世のすべてを空気のように吸い込んで飛んでいく。